獅子頭の木地を中津川の獅子彫り名人の話では、水に漬けて精を抜き乾燥させるというが
私流だと獅子頭用の伐った柳は、すぐに皮を削ぎ落とし芯から割って荒彫りするべきであると
考えている。
これから梅雨に入り切口や、養分タップリの皮の下の部分に菌や虫が入るので
屋外に置くのは過度の乾燥で割れを呼ぶ。
保管は適度に風が入るような人の出入りする屋内が最適だろう。
樹木を伐採する時は、地面から60cmぐらい上から伐るようなので、今とっかかっている
根っこの入手は貴重な部位による制作だと考えている。
しかし、傾斜に育った樹木は、その斜面ゆえの重力との戦いで力が掛かっている部分に
繊維を強化武装するようだ。
それが仇となり予想出来ない乾燥時の変形を呼ぶのではないか?・・。
因に総宮神社の獅子頭の飛び出した左目も、根元の材を用いた栃の変形と考えていたが
考えは変わった。意図的作為的に作られた、不動明王の天地眼だ。
さて、成田産の根っこなので早速、加工を開始した。
虎の模様の様に縦縞が入っている。
根元のこんな所まで、鉄砲(カミキリムシの幼虫の跡)が入っている。
こんな真っ暗いだろう穴で奴らは何を考え、硬い繊維に意図も簡単に穴を開けれるのだろうかと
関心する。
木に穴を開けて繁殖するフナムシを研究して、トンネルのシールド工法を開発したと聞くが
自然界の知恵は何億年もの研究の成果らしい。
だが今年は早くも、もう薮蚊が飛んで私を狙っているので・・・困る。
この記事へのコメントはこちら