漆塗りの工程が仕上がった
制作中の成田八幡神社の新しい獅子頭だ
生々しい漆の匂いがプンプン仕事部屋に漂う・・危険な香りでもある
硬化しているので漆負けは無いはずだが、幾度も慚愧している
これから毛植えをするのだが、毛穴の深さをドリルで調整する際が注意だ
漆の細かい屑が皮膚に触れると、あの痒い痒いがジワジワ襲ってくる
厳重に手袋をして行わないと感染だ
受け取って早速、耳の固定用の紐を取り付ける
これをやっておかないと尖った耳を、うっかり落として傷つけてしまう
これも何回か経験済みである
次は顎の開閉棒の横ズレを防止する栓を取り付ける
竹を削って軸の穴に差し込む
現在は打ち込んでカチッとしていても、乾燥すると緩んで顎が外れる時が多々あるので
獅子舞直前に確認しなくてはならない
金箔に透明な保護剤を塗布する・・・これもうっかり擦ったりして傷つけるのを防ぐ為だが
漆が完全に硬化するまで時間がかかるので保護剤でカバーするのだ
保護剤を採用する前、とある神社で新調した獅子頭を例祭にお披露目した際
原因不明の無数に細かい擦れたような傷が付き、金箔の工程をやり直した事がある
この神社では、獅子の制作に関して不思議な事件が多々発生しているので不思議だ
さて・・毛植え工程に入るのだが、この毛穴の多さに驚く
自分で開けのだろうから楽しく取り付けしよう
仕上がりが楽しみだ
ヤクのを毛穴の大きさに合わせ束ねる作業に入る
何と数えてみると150の穴を確認・・・前回制作の獅子頭は120ヶ所の毛穴だった
用意した三束のヤクの毛を使い切ってしまった
本日最終仕上げは延期となったが毛を取り付ける前の重量を量ってみた
・・・6.5kg
木地の最終重量が確か5.8kgだったので漆による増量は700g
700gは結構な重さである・・・この獅子頭は奥行き60cmで大型
減量は至難の業だった
成田の獅子頭についてまた面白い話を聞いた
口幕の取り付け穴を開けるため、獅子連中の頭と若い衆が獅子宿にご足労戴いた
その口幕に名前が有るのだという・・「もみ」だそうである
名前の由来は不明だが、この口幕に名前が有る神秘さに驚く
調べてみよう
(角力から、ちょっと指導が入りまして修正した箇所がございます)
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