レインボープラン推進協議会

トピックス

長井市のシンボルでもある生ゴミ由来の堆肥(レインボープラン・コンポスト)は、堆肥センターが操業(平成9年2月)して以来、多くの市民の皆様から原料となる生ごみをシッカリ分別して提供していただいています。    お陰様で、市民みんなで作る安全安心な農産物となって、市民の健康と、長井市農業の振興発展に役立つばかりでなく、「レインボープランのまち」として、これまで北は稚内市から南は東大東島まで、更に海外40数カ国からも視察や研修などに訪れて高い評価をいただいています。

この秋、市農林課とレインボープラン推進協議会では、初めての試みとして
生ごみたい肥の施肥量による野菜の成長と収量効果を調べる実験を始めています。

これまでは、山形県のご指導を経て、生ごみたい肥を、畑作では10アール当たり2トンを施肥することを基準(そのほか、化学肥料と農薬を慣行栽培の2分の1以内)として認証してきましたが、最近の家庭菜園の普及から、肥料袋利用の野菜栽培なども盛んになり、適正な施肥量を探り、生ごみ堆肥の有効性を確かめるために行おうとしたもので、その成果に期待が寄せられています。

写真は、9月5日撮影のものですが、どんな結果が得られるか注目されています。

 去る8月22日に、大学生が市内でレインボー野菜のミニ直売活動を体験しました。この活動は、県内の大学が共同で開講する「美しい山形を活用した社会人力育成山形講座」の授業のひとつとして実施されたもので、地域を体験的に学習しコミュニケーション能力など社会人として必要な力を育成することを目的としています。
8月20〜22日の日程で開講された長井市でのフィールドワークには、県内3つの大学から9名の学生が参加。1日目は、市民が生ごみを集積所へ出す様子やコンポストセンターで堆肥を作る過程を見学したり、スーパーマーケットで現代の食の現状を学んだりしました。2日目はレインボープラン市民農場で、レインボープラン堆肥の畑への散布、畑の除草、秋野菜の植え付けなどの農作業を体験しました。
そして3日目は、レインボープラン堆肥を使って育てられた野菜を市民に届ける「レインボー野菜ミニ直売」体験。長井まちづくりNPOセンターが運営する交流拠点「お茶の間あしぇる」(大町)の店先をお借りして、半日限りのミニ直売を開きました。
野菜の販売というはじめての体験に最初は戸惑っていた学生たちも、野菜が売れ、お客さんと言葉を交わすうちに徐々に表情も活気づき、自作のプラカードを手に店頭で呼び込みをする者、野菜を抱えて近隣の民家へ行商にいく者など、思い思いに売るための工夫をこらしていました。
学生たちは「売れた!嬉しい!」と目を輝かせながらも、「ものを売るのは大変なこと」、「苦労して作られた野菜なのに、こんなに安いなんて」と販売や生産現場の厳しさを垣間見ることもできたようでした。
自分たちの工夫や努力で野菜を買ってもらい、お客さんから「がんばってね」とあたたかく声をかけてもらったことは、学生たちにとって得がたい体験となったようです。一方で地元住民からは「商店街に若い人たちの姿があるっていいもんだね」との嬉しい声も。ご協力くださった市民の皆さんありがとうございました。

レインボー野菜の販売を体験する学生たち

広報ながい2013年10月1日号内「虹の郷発希望行き」掲載記事
「ラ、ラ、ラ、ラ、ラスク」
 心はずむような響きの商品名。長井西置賜菓子組合の若い皆さんが西置賜の地場の特産品を使い、このたび完成したお菓子です。
 来年の山形県はJR東日本の一大観光キャンペーンの対象地域に指定されており、遠来のお客さんにこの地域ならではのお菓子でお迎えしたいと、同組合が試作品作りに汗を流していました。
 一方、この2年間レインボープラン推進協議会は、食事以外でも認証農産物をおいしくいただけるようにと「地元農産物を活用した名産品づくり調査研究事業」に取り組み、1年目は市内事業者の皆さんによって、「じゃがまん」、「トマトゼリー」、「ごぼう姫」、「レインボーワッフル」といった独創的なお菓子が誕生し、2年目は菓子店・飲食店や家庭でももっと認証農産物が使いやすいようにとの思いから、秘伝豆、にんじん、かぼちゃのパウダー化が実現しました。
 そして生産者や事業者そして消費者がつながりはじめました。今回誕生した「ラ、ラ、ラ、ラ、ラスク」にも、レインボープラン認証の秘伝豆のパウダーが使われています。
 身の回りにあふれかえる食べ物の中で、地場の食材や在来の伝統作物は調理法も含め忘れ去られがちです。そんな足元にある秘伝豆、行者菜、馬のかみしめ、雑穀、どぶろくなどの特色ある食材に光をあてた若者の発想と、商品化に向けた練り直しが思いがけない風味と食感の「おらがお菓子」を誕生させました。
 高齢化や少子化といった社会現象で萎縮してはいられません。眠っている地域の宝を皆で掘り起こし、真似っこではないここにしかない地域の発信をしたいものですね。新しい商品にはしっかりと地域に足をおろし、仲間とつながろうという思いが添えられています。これまでに誕生した長井ならではの産品の数々と同様、市民の皆さんで愛していきましょう。


広報ながい2013年9月1日号内「虹の郷発希望行き」掲載記事
 秋野菜づくりを間近に、5月末の栽培講習会(レインボープラン推進協議会と市農林課が共催)にて、講師の「上町のタネ」(山形市)シードアドバイザー長岡堅一さんからお聞きした助言をいくつか紹介します。

●土づくり
 まずは水はけの良い圃場づくりをしよう。根がよく育つ酸素いっぱいの細かい粒のある土づくりを目標に、良質の堆肥を1アール(約30坪、100平米)につき最低200kgくらい投入したい。動物性堆肥は 1年くらい外に置き、完熟のポロポロにした堆肥にして使おう。

●肥料
 N(窒素)、P(リン酸)、K(カリ)のバランスに注意しよう。Nは葉肥、Pは実肥、Kは根肥と言われ、足りなくても多すぎても害が出る。例えば、根ものは前半にNを多く入れると葉ばかり大きく実がつかないいわゆる「木ボケ、つるボケ」に。元肥に規定量いっぱいまで入れてしまうと、どれだけの成分が土に残っているかわからなくなり入れ過ぎにもつながるので、最初は少なめを心がけたい。

●種まき
 温度の高い時期(お盆から9/15くらい)に短い期間で撒かなくてはいけない。地温を下げる寒冷紗などを利用し、夕方4時くらいから種まきするなど一番涼しい時に種が過ごせるように注意しよう。
 大根は25〜30cmに3粒ずつ撒く。にんじん、ほうれんそう、こまつなは筋撒き。レタス、キャベツは育苗してから移植するとよい。
 白菜は8/10.〜15が撒きどき。撒いた後は寒冷紗で虫の害がないようにしたい。定植は8月下旬から9月上旬。間引きは畑全体を眺めて、中間のものを残す。残す株の見分け方は、カイワレが同じ大きさで、上から見たときに全体の形が正円におさまるものを目安にしよう。

 「いい野菜づくりは子どもを産み育てることと同じ。母ちゃん(畑)の条件が整っていることが大事で種の値段の問題ではない」と、講師の長岡さん。みなさんもぜひよい土づくりからスタートしてください。
 
5月28日に開催した栽培講習会の様子

広報ながい2013年8月1日号内「虹の郷発希望行き」掲載記事

子どもたちに農作業体験を通してレインボープランや地域の農と食に親しんでもらおうと6月15日、秘伝豆の種まき体験が行われました。
 レインボープラン推進協議会が主催したもので、市内の年少児から小学5年生までの子どもと保護者5組15名が参加しました。
直前まで降っていた雨もあがり、レインボープラン堆肥がすきこまれた約10aの畑に参加者それぞれが秘伝豆の種まきをしました。
参加した子どもたちは、「畑の土がやわらかくて気持ちいい!」、「種のお布団みたい」と元気な声を上げながら、2〜3センチほどの穴を作り、その穴に2粒ずつ種を植えました。
「つかれたけどがんばって」「収穫が楽しみだね」と話しながら暑さの中、根気よく作業を進めていきました。
 手まき作業の後は、手押し種まき機の体験。機械を押して歩く人、機械にくくりつけたロープを引っ張って歩く人、「ワッショイ、がんばれ」と応援する人、みんなで力を合わせて動かします。ベルトが回ってぽとりぽとりと種がまかれる様子に歓声が上がりました。
きょうだいで参加した丸山実来さん(長井小5年生)は、「小さい穴を作ってそこに種を植えるのが大変だったけど、みんなと協力して作業ができてよかった。」と、弟の丸山兼大朗くん(長井小2年生)は、「種をまく機械を使う時、力をいれて引っ張るのが大変だった。」と笑顔で話しました。
「秘伝豆は買ってしか食べたことがない」というお母さんの声も。自分たちで植えた種が芽を出し、大きくなって、おいしい秘伝豆がたくさん収穫できるといいですね。
今後は、7月下旬に草取りなどの手入れ体験、9月頃に収穫体験をする予定となっています。随時参加者を募集していますので、参加希望の方はレインボープラン推進協議会までお問い合わせください。


「鳥や虫に食べられてもいいように2粒ずつまこう」

広報ながい2013年7月1日号内「虹の郷発希望行き」掲載記事
農産物を通して被災地とつながる「レインボープラン“絆”循環プロジェクト」の2年目がスタートしました。

 NPO法人レインボープラン市民農場が主催するこのプロジェクトは、「福幸(ふっこう)ファーム」と名付けられた市内の田畑で、福島県からの避難者と長井市民、レインボープラン市民農場のボランティアがいっしょに安全・安心な野菜を生産し、福島県へ届ける取り組みです。避難者同士の、また避難者と長井市民の交流やコミュニティーづくりをしながら、復興を支援するねらいがあります。
 今年3月の発売後すぐに完売となった清酒「甦る(よみがえる)」は、福幸ファームが作ったレインボープラン認証米「さわのはな」を原料に、福島県から移り住んだ蔵元が醸造したもの。長井市や福島県の人たちの「すぐ売り切れて残念、もっとたくさん作って!」という声にこたえようと、今年度は作付面積を倍増して原料米の栽培に取り組みます。 
 また、より多くの野菜を福島へ届けることができるよう栽培品目を増やすほか、福島県いわき市のNPOと連携して、農薬や化学肥料を使わずに綿花を栽培して世界規模のオーガニックコットン関連事業に参加する計画も進行中です。

 福幸ファームで広報を担当している遠藤さんは、「震災後2年が経ち、避難者の放射能や今後の生活に対する考えも様々になっています。私は、自分のように避難生活を継続する人たちは、避難先住民の人たちとのつながりを育てていく時期にきたと思っています。福幸ファームでの新しいチャレンジをとおして、受け入れてくれている長井市の皆さんとのきずなも福島県とのきずなも深めていきたい」と、2年目の抱負を語りました。
 去る5月14日に行われた夏野菜の定植作業では、初めて参加したという若い女性の姿も。新しいメンバーも増えてきましたが、事業を形にするにはまだ人手が足りません。遠藤さんらは「ぜひいっしょに楽しく汗を流してほしい」と、長井市民の参加を呼びかけています。 

「初めての人も気軽に参加してくださ〜い」

広報ながい2013年6月1日号内「虹の郷発希望行き」掲載記事