§3 親業独自の捉え方

親業講座の第1回目で、受講生さんが戸惑うのは、「事実」をとらえてください、という言葉です。

事実はどちらでしょうか。
①子どもがランドセルを置きっぱなしにして遊びにいく
②子どもがランドセルを置いて遊びにいく

どう違うのでしょうか?
①は、この子はいつも置きっぱなしにする子ども・だらしないこどもなんだ
 という受講生の価値判断が入っています

②は、子どもがランドセルを置いて外に出かけた、という事実のみを捉えています。

 親業では、②のような一瞬の事実がどんな感情をおこしたか、に焦点を当てていくことを学びます。これが意外に難しいのです。
今までの生活の中で、
この子どもはおっちょこちょいなんだ、
あるいは職場の○○さんは私に意地悪なんだ、
などと思っていませんか?
そう思ったのは、何故ですか?いつからですか?
以前に何らかの事実があって、そのときそう思ったのではないでしょうか。
それを、相手は~~なんだと決めつけ、色眼鏡で見ているのではないですか?

試しに①の子どもさんに言ってみましょう。
「あんたは、毎日ランドセルを置きっぱなしにして遊びに行って!せめてランドセルくらい机に置いてから行きなさい!」
「毎日じゃないよ、昨日は雨降ったから外に行かなかったよ。」
そう言われれば、こちらはぐうの音も出ません。

②の場合はどうでしょう。
「あんたがランドセルを置いて外に出かけたから、お母さんランドセルにつまずいて転んでしまった。」
「・・・・・」
事実だけを口にしたところ、次の日からランドセルは机に置かれたそうです。


今聞いた言葉・今目の前で起こった行動を、自分がどう感じたかを考えることから
コミュニケーション(親業)は始まるのです。

2019.03.17:おやコミ研究所:[親業会員情報]