§1 親業について
親業は Parent Effectivness Traininng( 親としての役割を効果的に果たすための訓練)を日本に紹介した近藤ちえが意訳した造語ですが、
開発した臨床心理学者トマス・ゴードン氏は Parent は People に通じると言っています。
まさに人間関係学講座です。
私が出会い多くの人に知ってほしいと思っている親業について、私なりにお伝えしたいと思います。
親業訓練協会は昭和55年(1980年)に設立されました。
私は、『子どもに愛が伝わっていますか』 という本で親業を知りました。
本を読んでなるほどと思ったけど、それだけでは実際の生活に使えず、
実際に講座を受けて、子どもとの関係が本当によくなったのです。
親業訓練講座は24時間のプログラムです。
理論と体験学習で1回3時間学び、それを次回の講座日まで日常生活で実践してみることに特徴があります。宿題もあります。
その繰り返しを8回実践することで、本当に使える方法が身につきます。
従来の子育ては、子どもがどう育っていくかと、子どもに重点を置いて子育てをしてきました。
親業では、子どもが育つ上で親がいかに関わるか、親の側に焦点を当てるるところに、大きな特徴があります。
親がいかに関わるかで、子どもの自主性が育ち、自分の悩みを自分で乗り越えられるようになります。
教育は、親子が共に育つ「共育」であり、
子育ては、親が自己を育てる「己育て」であるとよく言われますが、
親業は、子どもを育てながら自分を見つめ成長させる「自分業」であると思います。
親と子の間に、こころの架け橋をかけ、お互いの人格を尊重しながら、 親が子どもにどう関わっていくかを学ぶものです。
子どもが生まれることによってその子どもの親になることは出来ます。
でもその親が子どもにどう関わったらよいかわからなくては、子どもの一生はどうなるのでしょうか?
関わり方によっては、自主性の無い、意欲のない、思いやりのない子どもに育つてしまいます。
『子育てについて不安なのです』
そんな言葉をよく耳にします。
子育てってどうするのかわからない、どう関わっていけばよいかわからない、
だから自分が育てられたやり方でしか関わることしか出来ない、でも、何か不安だ。
そんな思いがあるのではないでしょうか。
ではどう関わったらよいのでしょうか。
親業スキルは、それに答えることが出来ます。
また、親子関係は一番小さい人間関係です。そして、親子関係はすべての人間関係の基です。
~子育てから介護まで親子関係は一生続くもの~
子どもが居ないから私には関係ない、
子どもはもう大きくなったから関係ない、
ではなく、
すべての人間関係に役立つものだと確信しています。