デイケアの事例

到着したばかりの利用者が家に帰ると言い出す。
いつもは「来たばかりだからそんなこと言わないで」と言っていたが、
毎回のことなので、相手の気持ちに寄り添って聞いてみた。

利用者「家に帰る 帰りたい」
私「どうしても帰りたいのですね」
利用者「そう、だってね。私をここによこして、私が居ないとき、家族は美味しいもの食べているんだから、私も食べたいの」
私「◯◯さんが居ないとき、ご家族のかたが美味しいもの食べているんですね」
利用者「そう、ちゃんと包み紙が残っていて私にはわかるんだから 空っぽの箱もあるんだから」
私「そうですか、ちゃんと包み紙や空っぽの箱が残っているんですね」
利用者「そう、あの人達だけ美味しいもの食べて、私も食べたい」
私「美味しいものを食べているのをみているだけで、いやなんですね」
利用者「そう、みんなと一緒に食べたい」

帰りたい理由が、わかりました。思いがけないことでした。
気持ちをわかってもらえたと思ったからか、「せっかく来たからもう少し居ようかな」と
自分から言い出し、予定時間まで過ごしたのには驚きました。
2014.05.28:おやコミ研究所:[事例集]