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3姉弟(10歳・8歳・6歳)の事例

車で出かけている道中、子ども達が大騒ぎしている。
ケンカと仲直りの繰り返しが続き、さわがしい。

私「車の中で大きな声で騒ぐと、運転に集中できなくていやだなぁ。」
長女「えーーー、お母さんだってラジオつけてるじゃない。」
私「お母さんもうるさいって思うんだね」

ラジオを消す。
自分のなかでもう一度気持ちを確認して伝えてみる。

私「お母さんね、みんなが騒ぎ始めてケンカになってと思うと気が散って運転に集中できなくて
  怖いんだよ。運転に集中できないと事故につながるからイヤなんだよ」

3人「わかった」

このあとしばらくは穏やかに遊んでいました。
そのうちまた騒ぎ始めましたが、「あ、うるさい?」と聞いてくれるようになりました。
2014.05.28:おやコミ研究所:[事例集]

娘(8歳)の事例

8歳の娘が最近寝る前に学校に行きたくないと言い出しました。
今日は夜になると不安で眠れないようでした。

子「学校なんか嫌いだ。行きたくない」
私「涙が出るくらい学校がイヤなんだ」
子「うん、いつも先生に怒られる」
私「先生に怒られてばっかりなんだ」
子「ばっかりじゃないんだけど、特に体育の時…」
私「体育の時によく怒られるのかぁ」
子「あのね、私一番前だから」
私「一番前だから…」
子「なんでも最初にしなきゃだめなの、ドキドキするんだもん」
私「誰かがしたのをみてからなら安心するけど、最初だと不安なんだね~」
子「だからきょろきょろして先生に、ちゃんと見てない、ちゃんと聞いてないって怒られる」
私「そうか、怒られてすごく嫌な気持ちになったんだね」
子「体育は背の順だから、一番前になるし」
私「体育がイヤじゃなくて背の順がイヤなんだね」
子「でも背が低いからしょうがないし」
私「背が小さいのを気にしてるんだね」
子「そうなんだよ」

自分の気持ちをわかってもらえて安心したのか、熟睡したようです。
まさか、背の低さを気にしているとは、そして体育で最初にすることへの不安、緊張をわかることができてよかったです。
それからはあまり言わなくなりました。
2014.05.28:おやコミ研究所:[事例集]

友人の事例

Aさんから「大宮に転勤するBさんの見送りに一緒に行こう」と誘われた。

A「今日ね、3時からBさんの見送りに行く予定なの。一緒に行かない?」
私「見送りに行かれるのね」
A「そう、今日で最後なの、仲良しだったから一緒にどう?」
私「誘ってくれてありがとう。今日行かれるとは知らなかった。2日前にお別れしているので、私は行かないことにするわ」
A「そうなのね。わかった、じゃ私は見送りにいってくるわ」

今までなら、いい人だ、優しい人だ、と思われたくて、行きたくないのに行っていたと思います
自分が納得したうえで、どう思われるかをまったく気にせず、率直に伝えることができ、とてもすがすがしい気持ちでした。
イヤだとはっきり言えることで、楽に生きられるようになりました。
2014.05.28:おやコミ研究所:[事例集]

病院の事例

患者の夫がナースステーションに来てテーブルを叩いて大声で苦情をいう。
主治医からの状況説明後も、まだ不満げだったので病室で声をかけた。

私「大丈夫ですか?」
S「私は妻が心配なんです。前の入院でいろいろあって、主治医が信用できないんだ」
私「主治医に不満があるし、そんな状況で奥さんを預けているのでご心配なんですね」
S「そうです」
私「私としては、気になることがあったらなんでも言っていただいて、
  Sさんに安心していただける看護を提供したいと思っているんです」

S「言ってもいいのか!?(大声で)」
私「はい、でもSさんに強い口調で言われると看護師がSさんを怖がって避けるようになったり、
  伝えたいことが伝えられなくなったりしていい関係が作れないと管理者として私が困ります」

S「わかった」
私「わかっていただけて嬉しいです」

今までは、大声で苦情を言われると、避けて通りたいと思っていました。
Sさんの妻を思う気持ちをくみながら、私の伝えたいことをきちんと伝えることが出来て嬉しかったです。
2014.05.28:おやコミ研究所:[事例集]

デイケアの事例

到着したばかりの利用者が家に帰ると言い出す。
いつもは「来たばかりだからそんなこと言わないで」と言っていたが、
毎回のことなので、相手の気持ちに寄り添って聞いてみた。

利用者「家に帰る 帰りたい」
私「どうしても帰りたいのですね」
利用者「そう、だってね。私をここによこして、私が居ないとき、家族は美味しいもの食べているんだから、私も食べたいの」
私「◯◯さんが居ないとき、ご家族のかたが美味しいもの食べているんですね」
利用者「そう、ちゃんと包み紙が残っていて私にはわかるんだから 空っぽの箱もあるんだから」
私「そうですか、ちゃんと包み紙や空っぽの箱が残っているんですね」
利用者「そう、あの人達だけ美味しいもの食べて、私も食べたい」
私「美味しいものを食べているのをみているだけで、いやなんですね」
利用者「そう、みんなと一緒に食べたい」

帰りたい理由が、わかりました。思いがけないことでした。
気持ちをわかってもらえたと思ったからか、「せっかく来たからもう少し居ようかな」と
自分から言い出し、予定時間まで過ごしたのには驚きました。
2014.05.28:おやコミ研究所:[事例集]