『駅のはなし』では、鉄道開業が庶民の意識に与えた二つの変革が上げられている。一つは士農工商の身分制度からの開放と新しい時代の到来を実感させたことであり、その場所を鉄道が提供したというのである。
///駅には、多方面からあらゆる階層の人々が集まり、身分の上下、職業の貴賤、老若男女の差別なく、一緒に運ばれるという自由平等の思想を実証してみせ、駅はその場を提供してきたのである。誰でも料金さえ支払えば、上下の身分差なしに一等車に乗ることができ、一緒に運ばれるというクールなシステムは、士農工商という身分差がなくなったことを如実に示す証であった。車文化を持たなかった日本では、一つの箱で一緒に運ばれるという経験がなく、したがって鉄道の開業は、身分の差を越えて、肩を触れ合いながら、共に旅程を同じくするという初めての体験でもあった。///
新橋駅の汽笛一声は、まさに文明開化、新しい時代の到来を告げるものだったのだろう。
「駅」のはなし(2) 文明開化の汽笛
「駅」のはなし(1) 駅舎はドラマ
駅茶で今年の9月に「米坂線の今」展を開催したが、その時から「駅とは何だろう」という疑問が湧いていた。そんな気持ちを察したのか、友人が『駅のはなし(交通研究協会発行:平成6年)』という本を貸してくれた。この本は明治5年、日本で最初の鉄道が開業してからの駅や鉄道の変貌を解説したものである。まえがきに「駅舎はドラマである」のタイトルが付けられていて、それだけで気に入ってしまった。
///どんな小さな村や町にも駅があった。そこは生活の拠り所としての家庭の延長であり、みんなの玄関であり、共通の広場であり、おらが町の顔でもあった。(略)。駅舎は、多種多様な人々が集まって来て、滞留し、それぞれがそれぞれのドラマを演じて、流れ去っていく空間であり舞台でもある。(略)。流れの転換点、そこにドラマが生まれる。その舞台となるのが駅舎でもある。この雑多でおどろおどろした駅舎の空間では、人々が出会い、すれ違い、別れ、怒り、喜び、悲しみ、希望・・・、人それぞれに人生の縮図を思わせるドラマが展開されている。///
次回から本書をもとにして、歴史的な視点からの鉄道や駅の意義、面白さを紹介していきたいと思います。本書は特に駅舎の設計を専門とする方々の著作のようであり、私には理解できないところも多くあります。知識不足をご容赦いただき、ご指導いただければ幸いです。
キレイですね、ありがとう!
10月20日
何年かぶりで駅に寄せていただきました。すべてキレイですが、トイレもキレイですね。ありがとうございます。(埼玉県)
10月29日(火)
レトロ駅舎、なつかしく感動!! キレイに保っているところに、地元の皆様の愛が伝わります。車でこの地を訪れましたが、次は長井線に乗りたいです。(福島県50代女性)
11月1日
古い駅舎がきれいで感動! 日本国有鉄道のものも見えます。また来たいと思います。(台湾台北40台男性)
【おらだの会】台湾からもおいでのようです。「キレイですね、ありがとう。」と言ってもらえることに“感激”します。過去にはこのような記載がありました。
→ 綺麗で感激しました:山形鉄道 おらだの会 (2018.04.26)
羽前成田駅、激アツでした!
9月30日(火)
Chat Gtpに「山形鉄道の駅の中でレトロな鉄道遺産となっている場所は?」と訊いたら、ここ羽前成田駅と西大塚との答えでした。今日は快晴! 2駅とも列車で行きます。(船橋市より)
10月19日
西大塚の次はココ!! 昔の窓口のまま残っているのが激アツでした! 国鉄時代の荷物扱い、A寝台、B寝台の表記。素晴らしかったです。(鉄クラ@ゆっくり実況者)
【おらだの会】 山形鉄道においでの方は、羽前成田駅と西大塚駅を楽しんでくれているようです。両駅の見所は次のブログをご覧いただければと思います。
→ 駅舎探検(成田VS西大塚):おらだの会 (2020.09.08~11.28)
写真はあちこちで見かける看板ですが、インバウンドが叫ばれる現代にも通じる物語があるようです。
→ 成田駅の宝物(18) 国土美化のホーロー看板:おらだの会 (2021.01.22)














