日本文化論②なまはげと黒獅子

  • 日本文化論②なまはげと黒獅子
 「ノアの方舟と同じような伝説が、世界各地に散在すると言われている。地球上で同じような伝説があり、伝統芸能があるはずだ。何故なら、それぞれの自然環境とともに生きてきた人々の暮らしの営みから生まれたのが伝統・民俗芸能であるからだ。」と言うのが、私の基本的な学究のスタートである。
 世界的規模の話題の前に、長井の“黒獅子”と“なまはげ”から見てみよう。「成田駅イベント情報」の「成田黒獅子祭り⑱恐怖の黒獅子その3」で述べたように、黒獅子祭りのポイントあるいは今日的な意義は、「怖い存在」と「守ってくれる存在」が身近にあることが重要である、と私は考えている。怖い存在とは、自然の厳しさであり、守ってくれる存在とは“家族や地域”であろう。この黒獅子と同じものが“なまはげ”にもあると私は感じている。
 “なまはげ”は「泣く子はいねが!。悪りい子はいねが!」と言って、家の中まで土足で入って来る。黒獅子よりも怖い存在である。子供が泣きじゃくり、父や祖父母の陰に隠れる。そこで守ってもらうのである。なまはげの装束は、越後の「御神乗太鼓」に似ているのは、日本海を北上して秋田に受け継がれたのではあるまいか、とも考えている。
 賢明な先輩諸氏のご意見を頂ければ幸いである。
2013.02.27:orada:[変な民族学5巻 日本民俗論]

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