naomiの写メール日記〜ブログ版〜

帰国の朝、ギターを手持ちにする為に前が広くなっている席を確保するべく、がんばって早起きして空港へ行きました。その為に空港の近くに泊まったのです。楽器とは繊細なのでフライトは本当に怖いです。もちろん今日は、余裕で飛行機に間に合い、早めに飛行機に乗り込み席に座りました。

あー、これで一安心!と思った瞬間…「あのー、日本人の方ですか?」
見るとまだ首の座っていない赤ん坊を抱っこした日本人の母親が隣に座っていました。
「夫と席が離れてしまったんです。夫と席を代わってください」
と言うのです。私は楽器があると言うと、夫が持つからとにかく代わってくれという事でした。もちろん楽器を他人に持たせる訳にはいきません。
せっかくここに座る為にすべてプランを組んだのに…その為に飛行機代と同じくらいのホテルに泊まったのに…と本当にがっかりしました。でも産まれて日が浅い赤ちゃんを見ると、こんな長いフライトがかわいそうでたまりません。
楽器とは、私にとって神聖な大切なものです。でも、何の為に音楽を奏でるかというと音楽を聴いてくれる誰かの為なのです。音楽では人の命は救えないのです。
短い時間でしたが、葛藤しながらも気付くと彼女の夫と席を代わっていました。

その赤ちゃんの両親は得にお礼も言わず、普通に私を夫の席に案内しました。私の楽器に対する想いなど知るわけもないのですから。「BYE!」と夫に言われ、本当に悲しくなりましたが、やっぱり赤ちゃんの命は神聖です。

ギターどうしよう…と悩んでいると、オランダ人のキャビンアテンダントが見ていて、私の所へやって来て言いました。
「君の希望の席に代わってくれる人を探したけど、みんなNOって言うんだ。でも君のギターは必ず成田まできちんと安全に届けるよ。」とウインクしてくれました。

そうこうしているうちに成田へ到着しました。
早速、ギターを受け取りにオランダ人のアテンダントの元へ急ぎました。そして、私の大事なギターはなんとビジネスクラスのシートに置かれていました。私はエコノミー、ギターはビジネス。大事にしてくれてありがとう!とお礼を言いました。
こうして無事日本にたどり着きました!
まだうまく日本語が出てこなかったり、時差ぼけがあったりするけど、そんなのすぐ治ります。では、おやすみなさーい!
写真はドイツの店先のドア。プレッツェル!
2006.01.09:naomina:[メモ/旅行]


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