2021年度 理事長所信

公益社団法人 長井青年会議所
2021年度理事長
齋藤 憲幸

はじめに

 青年会議所は、第二次世界大戦後の傷跡が残る荒廃した東京にて、48名の青年達が「新日本の再建は我々青年の仕事である。」と立ち上がり設立されました。そして1966年に33名の情熱溢れる青年経済人が立ち上がり「長井青年会議所」が設立され、“個人の修練、社会への奉仕、世界との友情”の三信条のもと“明るい豊かな社会”の実現のため様々な運動を展開して参りました。これまで55年の歴史の中には様々な困難もあった事と思います。しかし、先輩諸氏は青年としての英知と勇気と情熱をもって果敢に挑戦し今日までの歴史を積み重ねてきたからこそ、今の私達があるのです。

 私達が運動を展開する長井市、白鷹町、飯豊町、小国町は雄大な自然と美しい田園風景、古典桜や全市町にある花に関するお祭り、そしてけん玉や紅花といった日本一を誇る産業もある魅力豊かな地域です。そんな地域で運動を展開する私達には 自然と人々の暮らしが融和し生み出されてきた歴史や文化を守り、未来を担う次世代の子ども達に残して行く責任があります。なぜならそれが地域のアイデンティティーであり郷土愛を生み出すものだからです。

 昨今は新たな働き方やワークライフバランスへの関心が高まりICTを活用した リモートワークやオンライン会議、等々の取り組みが少しずつ増えて来ておりました。その動きは新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりにより急速に進む事になり、教育においてもオンライン授業の導入等々、今までから大きく変化したものが数多くありました。私達の生活スタイルすべてが転換期を迎えていると言えるのではないでしょうか。そんな中大切なのは残すべき古き良きものと変えるべきものを見極め変革して行くことだと思います 。世の中が大きく変わる時こそ様々なチャンスが眠っているのは間違いありません。そんな今だからこそ我々青年が立ち上がらなければならないのです。 青年会議所の創始の想いに戻り青年らしく挑戦して行きましょう

 

困難を克服するまちづくり

 困難はいつ起こるかわかりません。地震や水害はもとより、これからは新型ウイルス感染症等の備えも必要になります。しかし、これまでのように行政に任せきりで良いのでしょうか。私達青年だからこそ出来ることがあるはずです。企業それぞれの強みを生かした物資の確保、人員や技能、車両や機械、等々まずは自分達に何が出来るのか考え、そしてその取り組みを地域に広げ、災害の際に最も困っている人々に支援が出来るように災害の際に最も困っている人々に支援が出来るように行政や社会福祉協議会とパートナーシップを組み有事の際へ備えます。

 都市部への一極集中のリスクが叫ばれるようになってから数年、それでも一極集中の流れは変わっておりません。しかし、田舎に移住を希望する人が少しずつ増えているという統計データがあります。リモートワークやワークライフバランスを考える中で生活環境の良い田舎の注目度が高まっているのだと思います。そんな中で選ばれる地域とは、魅力に溢れているだけではありません。その地域に住む人々がその魅力を知っていて、それを伝える力がしっかりしているのです。郷土愛溢れる 人々が一人でも増えるような事業を行います。

 

変化に対応するひとづくり

 多様性が求められる現在において子ども達それぞれに得意な分野、興味のあるものに特化して個性を伸ばす教育が必要とされております。それは、多様性がもたらす新たなアイディアが新たな価値を創造し、社会的な変革を生むからなのです。グローバルな世界で活躍するこれからの子ども達にはそれが求められているのです。昨今はICTを活用したオンライン上での授業への注目が急速に増え 全国各地の講師から授業を受けることも容易になって来ております。しかし、インターネット上ではSNS等での誹謗中傷による自殺や、フェイクニュースやデマ情報の拡散等が社会問題にもなっています。正しい使い方を大人も子どもも共に理解することが 大切なのです。ITリテラシーについて理解を深めると共に、その中で我々が子ども達に提供出来ることは無いのか、今までとは違う手法を用いて事業を構築することで私達も共に学びながら、地域の宝である子ども達のため運動を展開します。

 従来のオンライン上ではないコミュニケーションも大切なのは変わりません。今年で30回目を迎えるJC杯中学野球大会では、人と人が直接触れ合い、声を掛け合いながら、互いを思いやる心を育むことも大切だということも再確認しながら子ども達の健全育成にも努めて行きます。

 

成長の機会

 人と人との出会いは成長の力です。一つひとつ出会いが、自らの経験と知識となり、繋いだ絆は大きな力となります。青年会議所は20歳から40歳という限られた時間の中で活動しており、その中には多くの成長の機会があります。一年で役職が変わる仕組みの中で様々な役職で事業を企画立案し実施することで、関わる協力者から得る経験や知識、反省や失敗から学ぶことが多くあります。自ら果敢に挑戦することが最も成長に繋がるのです。また、組織である以上自ら望む役職ではなく、組織に求められその役職をしなければならい場合もあると思います。そんな時、指導してくれる先輩、一緒に悩んでくれる仲間、支えてくれる部下との出会いもあります。そんな人と人の絆も自らを成長させてくれるのです。

 青年会議所には出向という成長も機会もあります。日本青年会議所、東北地区協議会、山形ブロック協議会、望めば世界まで行く事が出来ます。各地の志を同じくするメンバーとの出会いは自らに新たな価値観や知識をもたらし、互いに切磋琢磨し成長する良い機会になり、更には出来た絆は途切れることなく一生の仲間を得ることが出来ます。自ら進んで成長の機会を掴み取りましょう。

 

進化する長井青年会議所

 長井青年会議所は“明るい豊かな社会”の実現のため運動を展開しております。その志を同じくするものが一人でも多くなるということは、地域のため自ら率先して行動する人財が増えるということであり、人財が多ければ多いほど困難に直面した時、それを乗り越える力になるということです。会員拡大は組織の維持のためだけではなく、地域の困難を克服する力を強くするために行うのです。我々の運動がより地域にインパクトを与え、より良い地域に変革して行くためメンバー一丸となって取り組みましょう。

 また、長井青年会議所らしさを守りながら組織としてより良い運動を展開するために何が必要なのか、どういった体制が望ましいのか、法人格移行の是非も含め問題意識をメンバー同士で共有し解決し全員とコミュニケーションを図りながら一致団結して、問題解決の為の流れをしっかりと形成します。

 

結びに

 私が長井青年会議所に入会したのは2012年1月でした。前年は東日本大震災があり世の中は先行きの分らない不安に包まれているように感じておりました。そんな中声を掛けていただいたのが長井青年会議所でした。そして入会を決心したのは2012年11月に開催された講演会に参加し、当時の横山理事長の挨拶で震災の復興支援での炊き出しの話を聞き、また活き活きと活動している先輩方の姿を見て、地域のために何かしたいと考えていただけで何も出来ていなかった自分を変えたい、先輩方のようになりたいと思ったのが切っ掛けでした。入会してからは先輩方にお世話になりながら、様々な出向で県内各地に仲間を作り経験を積み、地域のために自分は何が出来るのだろうと真剣に考え活動を続ける中で、いつしか自分がリーダーとなって先輩方のように格好の良い背中を後輩に見せなければならないという想いを持つようになって行きました。

 これまで55年間の歴史と先輩諸氏の熱い想いの詰まった長井青年会議所を引っ張り“明るい豊かな社会”の実現を目指し先頭に立って行動して行きます!私達は常に成長を求め努力を続けましょう!それが地域のため、子ども達のためになると信じて。

 

  自分 が変われば世界も変わる
   自分を信じて、自分を変えて行こう‼

2021.01.29:[理事長所信]

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