「ナナカマドの森北側」「七草の庭の看板付近」「ツツジの丘南西側」で見られます。本州~九州の日向の山野に生えるシダ植物です。栄養葉は羽状に裂けた複葉(下段写真参照)となります。これとは別に基部近くで分枝して立ち上がった“胞子葉”(上段写真参照)があり、これが房状で花のように見えることから、「冬の花蕨(ふゆのはなわらび)」の和名が付きました。秋に葉を出してそのまま冬を越し、初夏に地上部が枯れます。
ワラビの名がついていますが、ワラビの仲間ではなく、ハナヤスリ科の多年生草本です。ワラビのように食べられるかについて調べてみると、胞子葉の葉柄部分を茹でて食べることができるようです。また、姿が面白いため、栽培されて盆栽とされることもあります。漢方では「陰地蕨(いんちけつ)」と呼ばれ、全草を刈り取って干したものを煎じて腹痛や下痢の薬とします。
フユノハナワラビ Botrychium ternatum (Thunb.) SW. var. terenatum はハナヤスリ科に属するシダ植物の1つ。丸っこい羽状複葉の栄養葉と立ち上がる胞子葉を持ち、山野草の1つとして栽培されることもある。
特徴
冬緑性のシダ植物[1]。茎は直立し、葉は部分二形、つまり栄養葉の部分と胞子葉の部分が1つにまとまっており、共通の柄の先にこの2つが着いている。共通の柄は長さ1.8~3.1cm、最小と最大は1.5~4.5cm。栄養葉の部分は3回羽状複生から4回羽状深裂まで、全体としては広5角形から広3角形まで、長さは6~11cm(最小から最大は5~13cm)、幅は10~16cm(5~20cm)、長さと幅の比は0.6~0.8。葉質は草質から厚めの草質まで、色は緑色で先端は鋭く尖る。葉脈は二叉分枝して葉の縁に至る。側羽片は三角状広卵形から広披針形で柄があり、長さ5.1~8.2cm(3.2~11cm)、幅4.0~6.0cm(2.5~7.5cm)、先端は鈍く尖るか鋭く尖り、縁は不規則で先端が鈍く尖る鋸歯となっている。
胞子葉の部分は複穂状に分枝し、長さは6.3~11cm(3.0~15cm)、幅2.2~6.1cm(1.5~11cm)、柄の長さは15~22cm(6~24cm)、胞子の表面はやや細かな網の目状となっている。



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