電柱のステ看は違法行為

よく電柱に巻き付けられた捨て看板や、チラシを見かけると思いますが、こうした行為は、紛れもなく軽犯罪法違反であり、道路交通法や自治体が定める屋外広告物条例などに違反するほか、自治体によっては景観条例、迷惑防止条例などにも抵触し、処罰の対象となります。

また、捨て看板を設置する行為だけでなく、広告として書かれた内容自体も宅地建物取引業法に違反することがあり、「不動産の表示に関する公正競争規約」からは大きく逸脱し、必要な表示項目が満たされていることはありません。

また、捨て看板は、いつまでも放置されることも多く、街全体の美観を損ねたり近隣住民に迷惑をかけたりするなど、マナー面でも大きな問題があります。

どうして、違反だらけの捨て看板が減らないのでしょう。

それは、効率のよい集客手段だからで、安いコストで、より多くの問い合わせを得るために、不動産業者は、なりふり構わずにステ看を張るのです。

建売や中古のオープンハウスの誘導看板には、大体社名は伏せておりますが、中には、ありもしないおとりの格安物件を表示して、集客の手段として使われるケースも多く、その場合は、携帯の番号が書かれています。

駅近、リフォーム済、格安中古980万なんていうステ看を見て、電話をすると決まってしまったので、他にいい物件がありますのでというパターンがほとんどです。

そもそも、売約済の物件を広告していること自体が、おとり広告という通達が、不動産公正取引協議会から、通達されているということも頭に入れておいていただきたいと思います。

いずれにしても、こうした違法行為をしている業者の物件は、物件の中身はもちろん取引する際にも、十分な注意が必要となりますので、控えた方が賢明とも言えます。

2018.02.17:m-kuma:[熊谷 昌則/レポート集]