観光農業のカリスマ 工藤順一

観光カリスマに選定されて以降の４年の間、講演したところで必ず聞かれることがあります。「地域興し・地域振興の成功の秘訣は何か？」と...
私は「人財（あえて人材ではなく）」とお答えしてきました。地域興しの素材、人材は必ずいます。意欲のある人、地域興しに共鳴する人はいますが、その人を支え楯になってくれる人がいるかどうか。うわべだけ、帳尻合わせが上手な人はいますが、いざとなると尻込みをして思案にくれる。それを取り除かなければ何もできません。これが現実です。
もちろんこの間、やる気のある人（民間でも行政でも）にお会いしています。「この人がいれば何とかなる」と確信に近い手応えを感じたことも１つや２つではありません。ただ、共鳴し共感して少しずつ動き出し始め、周囲もそれに突き動かされるように少し歩みが見え始めた途端に担当者が異動したり、施策が変更されたりと足踏みが続き、一歩も進まなくなって振り出しに戻ってしまう例を数多く見て参りました。
「あ〜、もったいないな。もう少し、あと１年担当させれば形が見えてくるのに」と、言葉にしたい気持でいっぱいになります。そして「これでは、いつまでたっても地域興しはできないな」とため息も出てきます。