中庭の残雪は、今はすっかり消えてしまいましたが、この冬はとりわけ寒い、雪の多い年となりました。山形気象台の記録では、この冬の山形市の最高積雪は、2月4日の97㎝でした。これは昭和56年1月8日の113㎝以来、31年ぶりの記録となりました。
このような厳しい冬のために当中庭で春一番を告げるフクジュソウの開花は3月30日となり、前年より8日遅く、当中庭での平年よりも2週間程度遅くなりました。とはいえ、厳しい越冬の後も着実に芽を出し花をつけることを繰り返す自然の営にはいつも感心させられます。
緑 の葉をつけたまま冬越ししたショウジョウバカマには既にしっかりした花芽が見られます。フクジュソウの開花と同じ日に、タンチョウソウとヒトリシズカ の小さな芽が地面に出ているのを見つけました。この後4月はカタクリ、エンレイソウ、マイヅルソウ、スズラン、ヤマシャクヤク等も次々と地面に芽出しし、 花をつけます。以上、足下を注意深く見ないと見逃してしまうくらいの小さな命-春の妖精たちの動向を紹介しました。
4月末頃~5月上旬に 入ると足下の山野草に加えて落葉広葉樹の葉が開き、中庭が緑で包まれるようになります。オオサカヅキ、アオダモ、メグスリノキ、ガ マズミ、オトコヨウゾメ、サワフタギ、クロモジ……。この中でもアオダモは23本の株立ちで樹高7m、樹冠8mと大きく、若葉が出てきたのを見上げるとあ たかも緑のシャワーのような感じになり、とても爽やかな雰囲気を醸し出してくれます。
まだ紹介しきれていない植物もありますが、中庭を見ていただく中で発見してみてください。自然界も青春を謳歌する季節となりました。
駒谷修二 記