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インフルエンザの予防にも大事な空気環境

そろそろインフルエンザに注意が必要な季節となりました。

インフルエンザのウイルスが、好む低温と乾燥が大きな要因とされています。

ウイルスの生存時間は2時間~8時間とされており、長時間生存するのは、15℃・湿度30%以下で、温度や湿度が低ければ低いほど、長く生きていると言われていますが、空気中においては増殖することはなく、人の細胞内に入り、初めて増殖します。

ウイルスは、飛沫や接触により、鼻や喉の粘膜にとりつき、細胞内に侵入し、増殖することで感染・発症します。

※ 学校や病院・家庭に患者がいる場合、空気感染する場合もあります。

冬期間は、私達の水分補給も不十分で、空気の乾燥により粘膜も乾きがちで、ウイルスの侵入を防御する線毛の働きも弱いために、ウイルスなどの異物も体外に排出しにくくなり、細胞内に侵入しやすいと言われております。

一般的にウイルスが細胞内に取り込まれる時間は20分ということで、私は喉が乾燥しない様に飴をなめたり、20分に1回、少量の水を飲み、ウイルスがいるかどうかは?ですが、胃の中へ落とし込みウイルスを胃酸で撃退しています(笑)

しかし、細胞内に侵入しても、全ての人が感染・発症する訳ではありません。

発症する人と発症しない人の違いは何かといえば、免疫力の違いなのです。

以前、冬バテにも注意という記事をアップしましたが、覚えていらっしゃいますでしょうか?

冬バテとは、冬の寒さによって、心身ともにストレスがかかり、常に交感神経が活性化し、リラックスを促す副交感神経が働かず、常に緊張状態になり、自律神経が乱れ疲労感や倦怠感・肩こりや神経痛など、様々な症状に見舞われる症状で、知らず知らずの内に多くの方が冬バテしているそうです。

人間が、健康を保つには交感神経と副交感神経のバランスが非常に大事で、このバランスが崩れると自律神経が大きく乱れてくるそうです。

就寝中に、尿意を催して何度も目が覚めませんか?

多くの方が、こうした夜間頻尿により、睡眠も妨げられており、自律神経が乱れ、知らず知らずの内に、睡眠不足に陥っている方が非常に多いのもこの時期で、寝室の寒さと寝床内の環境も、起因していると言われています。

また寒さによって、血管も収縮することで、血流や白血球の働きもにぶり、体温も下がり気味となるために、睡眠不足と相まって、自ずと免疫力が低下しているのです。

つまり、交感神経に偏りが出て、免疫力が低下していることで、必然的にウイルスに感染しやすくなってしまっているのです。

体温が1℃下がると、免疫が30%低下し、逆に体温が1℃上がると免疫は5倍~6倍になると言われております。

私達の体内では、毎日5000個ものがん細胞が発生していると言われており、免疫はこのがん細胞を攻撃して死滅させてくれる働きも持っており、日々免疫は戦っていますが、暖房や給湯で石油やガスを燃焼させ、交通量の多いこの時期は、空気が一番汚れており、免疫が戦う相手も多いのです。

そのためにも温度差のない暖かい家で体温を下げずに、酸素たっぷりの綺麗な空気の中で、ぐっすり眠ることが重要で、予防接種や手洗いやうがい・マスクの着用も大事ですが、それ以上にに、換気や室温など住まいの環境を整えることがとても大事なのです。

その上で、適度な運動と、バランスのとれた栄養を取りさえすれば、免疫力が高まり、そうそうインフルエンザにはかからないと思います。

私は、これまで予防接種を一回だけ受けましたが、油断したのかその年だけインフルエンザにかかってしまいました。それ以来、予防接種は受けていませんが、一度も感染したことはありません。

また、お子さんや家族が、インフルエンザを発症した場合、どうしても薬に頼りたくなりますが、自然の治癒力を上げることが何よりも大事なことで、身体を暖めて換気を徹底し、栄養と睡眠が早期回復の一番の早道となります。

くれぐれも、部屋を閉め切って、換気もせずにファンヒーターなどで暖房だけすることの無いようにご注意ください。

看護の母、ナイチンゲールは、著書「看護覚え書」の中で、病気の治療には、何をさておいても、換気と保温が重要だと説いています。

そして、寝ている時の、換気と保温が満たされないことで、病気の半分は引き起こされるとも言っており、健康な人にとっても換気と保温は重要で、病気を予防するためにも、健康を維持するためにも、身体を冷やさずに綺麗な空気の中で、ぐっすり眠ることがとても重要だと説いているのです。

室内の空気環境に注意して、これからの季節を風邪やインフルエンザにかからず健やかに過ごしましょう。

寝室の空気環境が健康には重要

最近、睡眠負債の問題が取り上げられるようになりましたが、睡眠時間はもとより、質の悪い睡眠は、免疫力の低下から、ガンや糖尿病・高血圧・うつ病や認知症など様々な病を引き起こし、寝不足から交通事故などの二次的な危険も高くなるので十分に注意が必要です。

人間は、生まれてから亡くなるまで、人生の3分の1は寝室にいる計算となり、男性の平均寿命から、すると何と27年間も寝ていることになります。

ぐっすり眠れるためには、『光』と『音』と『温熱』『空気の清浄さ』といった4つの環境を整えることが、重要になります。

光と音については文字通り、明るくなく、静かな状態ということになり、比較的環境は整えやすいのですが、こと温熱や空気質となると、家の断熱・気密・換気性能がだいぶ影響されることになります。

※ 防音性の高い外断熱の家では、台風や大雨でうるさくて寝れないということもなくなります。
但し、室内の音も外へ逃げにくいので、生活音には配慮が必要です。

一般的に、夏は室温26~28℃、湿度60%前後の寝室の温湿環境が好ましいとされ、冬は室温は16℃~20℃、湿度は40%~50%の状態が好ましいとされますが、こうした環境を保つためには、通常の住宅では、冷暖房に頼らなければならないのが現状ではないでしょうか。

しかし、冷暖房の運転で発生する『風』や『音』によって、目が覚め、睡眠が妨げられたり、エアコンをつけっぱなしで寝たら逆に体調をこわしたといったような話はよく聞かれます。

つまり、睡眠中はできるだけ冷暖房がなくても、ぐっすり眠れる環境づくりが大切なのです。

そして、空気の清浄さも非常に大事です。

人が呼吸する空気を一番多く取り入れているのは、室内の空気ですが、その中でも長時間眠る寝室の空気の量が一番多く、一番空気が汚れているのも寝室というのが一般的です。



ドアを締めきって、眠る方も多いと思いますが、人は呼吸によって酸素を取り入れ二酸化炭素を吐き出し、徐々に酸素濃度は減り、二酸化炭素の濃度は上昇し、夫婦二人が休む寝室では、1000PPM以内とされる室内の二酸化炭素濃度が5000PPMを超えている住まいもあるのです。



つまり、朝の目覚めが悪いのも、頭がぼーとしたり、偏頭痛がひどいのは、こうした空気の汚れが影響しているとも言えるのです。

冬の乾燥時期に、喉がイガイガする方も多いと思いますが、空気がキレイであれば喉は乾くものの、ハウスダストや細菌が、喉の粘膜に付着しにくくなるので、喘息の方にも大変喜んでいただいております。

また、人は就寝中にも、呼吸や汗により、1時間当たり50グラム程の水分を発生させており、室温の低下や換気不足・水蒸気の発生など、悪い条件が重なり、結露が発生しやすいのも寝室となります。

さらに、寝具には多くのハウスダストやダニが潜んであり、寝具に消臭剤やクローゼットの衣服には、防虫剤を使用しているご家庭も多く、知らず知らずの内に有害な化学物質を体内に取り込んでしまい、アレルギーを悪化させたり、シックハウスや化学物質過敏症を発症してしまうケースも多いのです。

空気清浄機を設置しているご家庭も、多いのですが、清浄機は空気中の汚れや臭いの成分をフィルターに吸着させ、ろ過しているだけで、換気機能はなく、あくまで換気のサポートという認識が必要です。

つまり、就寝中こそ、きれいな外気を導入し、汚れた空気を排出させる計画的な換気が、とても重要になってくるのです。

うちは、隙間風があるから大丈夫という方もいらっしゃいますが、いつも言うように、隙間換気は外との温度差の大きい冬に作用する空気の対流現象です。温度差のある冬は、隙間換気が、機能しますが、春から秋は、よほど風が強くなければ、家の隙間程度では、換気が働かなくなりますので、少し窓を開けて寝るとか、朝の窓開けよりも、寝る前にしっかり窓を開け、換気してからお休みになると大分、寝室の空気環境は改善するのでお試しください。

私の家の寝室にも、一応エアコンは、ありますが、ソーラーサーキットの家に住んで8年間、暖房としては、一度も使用したことがなく、冷房をつけたのも数えるほどしかありません。

熱帯夜の夏でも、窓を開けずとも、扇風機を1時間タイマーで弱運転にするだけで、朝までぐっすり眠りにつけるのです。

一方、冬でも、外断熱の保温性の高さを発揮して、2階ホールの8畳用のエアコンを18℃設定にして、自動運転していれば、寝室の温度も18℃から20℃を朝まで保ってくれるので、羽毛布団一枚と短パンとシャツ一枚で、ぐっすり眠れ、寒くて布団から出たくないということもないのです。

もちろん、冬も夏も寝室のドアは、基本的にオープンにしており、換気を妨げることなくきれいな空気の中で、熟睡できるのです。



※ 我が家の寝室には、今話題のダイソンの羽根なしの空気清浄機もつけていますが、計画換気+空気清浄の相乗効果で、喘息もちの家内も絶賛するほど、快適な寝室の空気環境になっていると思います。

http://daitojyutaku.co.jp/log/?l=447436

まだ、日本では、家の断熱性や光熱費の問題もあり、寝室を常時暖めるという習慣も少なく、寝る前に多少暖めても、寝る時には暖房を消して、朝の寝室温度が5℃~10℃以下という家が大半です。

そうすると、布団を何枚もかけたり、厚いパジャマによって、寝返りの頻度も多くなり、布団がずれたり、ベッドから落ちて、寒さで目が覚めたりして、トイレも近くなり、夜間頻尿やヒートショックのリスクも自ずと高まるのです。



何気に怖いのが、暖かい布団の中で、冷たい空気を何時間も吸い込むことで、呼吸器や肺機能にも負担がかかるばかりでなく、肺や内臓までも冷え、深部体温も低くなり、免疫力も低下してしまうということです。

就寝中に、心不全などの突然死を引き起こすのも、寝室の寒さや暑さによる血圧の変動や心筋梗塞・汗をかき水分不足による動脈硬化や急激な身体の冷えの影響が、大きいとされています。

そして、体重比で大人の倍以上、空気を取り込み、免疫はもちろん、抵抗力も体温の調整機能も未発達の乳幼児や小さいお子さんなどは、寝ている間に病を発症するケースが多く、大人以上に寝室の空気環境はとても重要なのです。

そして、免疫が低下する高齢者の方にとって、就寝中は出来るだけ免疫が戦う相手を少なくすることが、健康長寿の秘訣ともなります。

健康の源は、何といっても質の高い睡眠です。

キレイな空気の中で、寒さや暑さを感じることなく「ぐっすり眠れる家」 は家族の健康にとって、一番重要だということをご理解下さい。

人気のハンドクリームをモデルハウスでどうぞ

  • 人気のハンドクリームをモデルハウスでどうぞ
利府のモデルハウスでは、健康や環境にこだわる方に、人気のパックスのアンテナショップにもなっています。

何気に人気があるのが、ハンドクリームだそうで、ベストコスメとかにもなっていて、東急ハンズでも人気だとか。

合成界面活性剤や合成防腐剤を使用していない無香料・無着色のクリームで、全然べとつかないそうです。



奥さまに是非ということで、モデルハウスの猪狩さんに勧められ、妻と娘に二人分買わされてしまいました。

娘は2人なので、どうしようかと思いましたが、長女は嫁に出したのでやめました~(笑)

パックスの製品は、ネットやどこでも基本的に、値引きはしておりませんが、ソーラーサーキット倶楽部にご入会いただけると全品10%OFFにて、ご購入いただけます。

使って肌にやさしく・使ったあとも環境にやさしい石けんやハンドソープ・シャンプーやリンス・台所用洗剤・なども扱っておりますので、是非モデルハウスにお越しください。


一番重要な気密を曖昧にする業界の罪

高気密・高断熱住宅が誕生したのは、今から35年以上も前に遡ります。

オイルショック以降、住宅にも断熱化が叫ばれ、欧米の断熱技術を取り入れ、寒い北海道で導入されたのが始まりです。

当時はまだ、家の断熱化といえば、断熱材とサッシの性能がメインで、気密や防湿という考え方は、重要視されず、壁や床・天井にグラスウールを大量に詰め込んだだけのものでした。

しかしながら、断熱材をいくら厚くしても、あまり効果がないばかりか、数年後、予想もしなかった大変な問題が発生したのです。

その事件とは、北海道で起きた「ナミダタケ事件」で、1980年頃、新築3~4年目の住宅の床下に大量のナミダタケが発生し、床が腐り落ちるという事件が頻発したのです。







画像は北海道住宅新聞社のHPから引用

こうした悲惨な被害は道内に拡がり、実に何万棟もの住宅が被害を受け、マスコミでも取り上げられ大きな社会問題にもなりました。

原因は、壁内や床下での結露水が、グラスウールに吸収され、木材を濡らし、腐朽が進んだことで、発生したものと解り、単に断熱材を厚くするだけでは、暖かくならないばかりか、室内の水蒸気が躯体内に侵入し、内部結露によって構造材を腐らし、重大な被害を及ぼすということが明らかとなったのです。

この事件を契機に、断熱化には、内部結露を防ぐ防湿気密が必需とされ、高気密・高断熱がセットされた技術が確立されていったのです。

そして、1999年、次世代省エネ基準が創設され、断熱性能を表すQ値と気密性能を表すC値が、各地域に合わせて明記されました。



しかしながら、その基準は、次世代とは名ばかりの不十分な数値で、Q値・C値とも最低限のレベルというものでした。

特に、C値に関しては、温暖地で5.0以下、寒冷地でも2.0以下という大変ゆるい基準で、測定の義務もなく非常にあいまいなもので、この宮城県でさえ温暖地の扱いだったのです。

こうして、次世代省エネ基準をベースにした家づくりの普及が進んではきたのですが、計算上のQ値さえクリアすれば、住宅性能表示制度や長期優良住宅制度では、温熱等級が最高ランクとなるために、C値はいつしか置き去りになり、本州で、気密性能の重要性はなかなか理解されず、本物の高気密・高断熱はなかなか普及せず、未だにこうした状況が続いているのです。

こうした背景には、通気性や風通しを長年重視してきた日本の家づくりの考え方が大きな要因でもありますが、結露被害の深刻さや気密の重要性への認識が非常に乏しく、高気密化という、名前からくる偏見や誤解・拒否反応を示す方も多く、風通しが悪そう。息苦しくなりそう。シックハウスになりそう。中には、快適すぎると子供の抵抗力が低下して、ひ弱に育つといった誤った考え方が、消費者ばかりでなく、つくり手にも、根強く残っているのです。

大手のハウスメーカーやローコストのパワービルダーが、中心の住宅業界にあって、目にみえない気密工事を実施することは、コストや職人さんへの教育・現場管理にいたるまで、多くの時間と費用を要すことから、全棟C値2.0以下という、最低限の気密性能すら、確保することは困難なのです。

こうして、ほとんどのハウスメーカーでは、出来るだけ高気密という表現を避けて、ユーザーの質問に対しても、気密はそこそこでも大丈夫ですよ。中気密でちょうどいいです。あまり気密を良くすると風通しが悪くシックハウスになりますよ。といった無知で無責任とも言える話が、あちこちで聞かれるようになり、省エネ性や快適性・耐久性を阻害し、内部結露を助長する中途半端な建物が、次々と建てられ、今日の空き家の増加やアレルギー患者の急増という皮肉な結果を生み出しているのです。

さすがに、ナミダダケ事件以降、床下の断熱材は、吸湿性の高いグラスウールから発泡系断熱材に変わり、床が抜けおちるとういう建物はなくなりました。

木材にも、防腐や防蟻薬剤によって、腐朽や蟻害を抑えているのですが、単に、薬剤によって、湿気や結露しても腐りにくい住宅が、劣化対策でも最高等級というのが、この国の基準なのです。

しかし、四季があり、高雨多湿という日本の気候風土や冷暖房があたり前の現代の暮らしの中で、湿気や結露により、劣悪な環境に置かれやすい床下や壁・小屋裏の断熱や構造部分の劣化を薬剤で抑えきれるものかは、実際の所、誰もわからないというのが現実なのです。

そしてあろうことに、25年4月1日より施行された改正省エネ基準では、防露性能を確保する旨の明記はあるものの、気密の基準や文字はすっぽりと削除されてしまったのです。

この基準が2年後に義務化されるこの国の新しい省エネ基準なのです。

役所が、気密基準を削除した理由として挙げているのが

「一定程度の気密性が確保される状況にあること、また住宅性能表示制度における特別評価方法認定の蓄積により、多様な方法による気密性の確保が可能であることが明らかになってきたことなどから気密住宅に関わる定量的基準(相当隙間面積の基準)は除外されました。」

ということなのです。

しかし、削除された一番の原因は、大手ハウスメーカーやパワービルダーを初め、住宅を取り巻く様々な関連業界の力がはたらき、除外されたというのが、業界の一般的な認識でもあります。

気密性能を疎かにした省エネ住宅は、絵に描いた餅と同じで、いくら計算上の断熱性能を強化しても、その性能を十分に発揮することはなく、省エネにも快適性の向上にもつながらず、そればかりか内部結露によって徐々に住まいと人の健康を蝕み、短命な住宅になる危険性が非常に高いということを是非ご理解いただきたいのです。

こうして、省エネ基準から除外された気密性能ですが、

「住宅の改正省エネルギー基準の建築主の判断基準と設計・施工の解説」 というテキストには、 気密性能を確保しなければならない4つの理由は、しっかりと明記されています。

1.漏気負荷を減らし省エネルギー化と室内温度環境の快適性向上を図る

2、壁内通気を抑制し断熱性能の低下を防止する

3.壁内結露を防止する

4.計画換気の性能を保持する。

公的機関が、建築のプロ向けに解説したテキストなので、表現が固くわかりづらいと思いますが、簡単にいうと

1.隙間をなくして、光熱費をおさえ住み心地をよくするため

2.壁の中への、空気と湿気の侵入による断熱性能の低下を防止するため

3.文字どうり壁内の結露を抑えて、腐朽や蟻害を防止し、家を長持ちさせるため

4.換気を、計画どうりに機能させ、室内の空気環境をよくして健康を維持するため

簡単に言えば気密性能を確保しなければ

暖房や冷房が効かず不快な上に、冷暖房費が年々かさむようになり、壁の中はカビだらけとなり、空気が淀み、建物も住む人も病気になりますよ。

ということで、基準や義務化は求めてはいないものの造り手の責任として確実に実施して下さい。

と明記されているのです。

昨年10月、環境省の高断熱・高気密住宅の推進を図るための「省エネ住宅大使」として、タレントの壇蜜さんが起用されました。

高断熱の断と高気密の密をもじっての壇蜜さんの起用ですが、国でも、省エネで健康な住宅にするには、断熱と気密は両輪だということは十分に理解し、消費者にも伝えているのです。



15年位前には、高気密・高断熱住宅は、ユーザーにも大分認知されるようになり、高気・高断とか高高住宅という名称で呼ばれ、広がりを見せていたのですが、名ばかりで性能が追いつかない会社によるトラブルも多く、住宅業界では、高気密という名称は、造るのも売るのにも面倒で、何かとトラブルも多いことから、高気密という表現は避ける様になり、いつしか高性能住宅とか省エネ住宅と呼ぶようになり、最近ではZEH(ゼロエネルギーハウス)という表現が一般的となり、私達のような気密の重要性を唱える造り手は、少数派になり、時代は20年前に遡った感さえしています。

経済が優先される資本主義の中、住宅に限らず、全ての商品・サービスには、メリットもあれば、デメリットもあり、表の部分と裏に隠された真実があるのです。

つまり、消費者は、正しい情報や知識をもった消費行動をすることが大事で、誤った考えによってもたらされる被害や事故は、結果的に自己責任という認識も必要なのです。

雨漏りはともかく、結露によって、家が腐れ、白蟻にやられても、手抜きや欠陥工事とはならず、何の保証も瑕疵保険すら適用除外となっているのです。

結露で、カビやダニが繁殖し、消臭剤や防虫剤・柔軟剤を多用し、アレルギーやシックハウス・化学物質過敏症を発症しても、苦しむのはご自身であり、大事な家族なのです。

気密がいいからこそ換気が正しく機能し、空気がキレイになり、熱や水蒸気の出入りを抑え、省エネで快適に暮らせるので、気密が悪い家(中途半端)な住宅こそ、空気が淀み、冷暖房効率も悪くなり、光熱費が嵩み、水蒸気が悪さをして、年中内部結露の危険性が高まり、人の健康ばかりか家が腐れ、耐久性まで失われてしまうのです。



どこで建てようとも、気密と断熱の重要性を理解し、依頼するメーカーに間違いのない施工をしてもらい、ご家族の健康と幸せを叶える家づくりを実現していただきたいと切に願います。



隙間テープがバカ売れの摩訶不思議

  • 隙間テープがバカ売れの摩訶不思議
光熱費が高騰し、省エネを図るために、室内ドアの隙間にテープを張る住宅が、非常に多いようです。

特に、建売など購入したユーザーは、ドアになぜ隙間があるのか、分からない方も多いようですが、2003年に施行されたシックハウス法により、換気設備が義務化になって以来、建材メーカーの室内ドアは、下部に1センチほどの隙間があり、ほとんどがアンダーカットになっています。



アンダーカットされているのは、ドアを閉めていても、居室の汚れた空気が廊下や水回りにある排気ゾーンにスムーズに流れ、排気されるように、ドアの下部に1センチ程度の隙間を設けているのです。

つまり、2003年以降建てられた住宅は、基本的に、引き戸でなければ、アンダーカットのドアが必ずついているということになります。

※ 引き戸は、通常レールもあり、少し開けておけば通気が、機能するという考え方で、アンダーカットは必要ありません。

しかし、家の性能と間違った暮らし方によっては、このアンダーカットのドアにもいろいろと問題が生じるので注意が必要です。

隙間を設け、室内間の温度差があると、空気の対流が起きて、寒い部屋の冷たい空気が入ってきます。

本来は、居室の汚れた空気を排気ゾーンまで送るための隙間ですが、断熱性能が低かったり、局所暖房によって家の中に温度差があると、寒い廊下などから、冷たい空気ばかりかホコリまで、侵入し、何かと不快な状態を招いてしまうのです。

こうした住宅にお住まいの方は、ドアのすき間に、悩まされているケースが多く、不満対象グッズとして、ホームセンターでは、ドアのすき間を埋めるテープが、たくさん売られているというわけです。

隙間テープ画像

ドアのアンダーカットは、換気によって、室内の酸素と二酸化炭素のバランスを整えたり、シックハウスやアレルギーを防止するために、厚労省の室内空気指針をベースにして、建築基準法で決められている措置です。

本来、空気環境を良くするための隙間によって、冷たい隙間風やホコリが入り、それを防ぐためにテープで塞いでしまうと、換気が益々悪くなり、居室の空気を汚すばかりか、湿気や結露によるカビやダニが季節を問わず増殖してしまうのです。

その結果、臭いを解消するために、消臭剤や芳香剤・柔軟剤の需要が伸び、防カビ剤や防虫剤・殺虫剤も必要にもなり、これらの化学物質によって、新たなシックハウスとも言えるアレルギー症状を多発させているのが実状で、非常にちぐはぐな世の中になったと感じる今日この頃です。

隙間テープは、冷気を防ぎ、暖房費を節約するという部分では有効かもしれませんが、素材によっては、ホコりやカビがついたり、ドアの開閉にも支障がでたり、床材に傷がついたりするなどするということも頭にいれなければなりません。

弊社では、もともとドアがあるから閉めてしまうという考えもあり、出来るだけオープンな間取りにして、少ないエネルギーで家中温度差の無い暮らしを提案しております。

気になる暖房費も、真冬に1Fと2Fのエアコンを24時間連続運転させても、月平均15,000以内で十分収まり、外断熱の輻射熱効果によって、家中の温度差は2℃~3℃以内となり、結露どころか湿気っぽい場所はなくなり、消臭剤や芳香剤なども基本的には必要ありません。

もちろん、換気も熱交換タイプで、寒さが気になり止めてしまう必要などはなく、室内はいつもきれいな空気に満たされた空間となります。

冬本番の季節を迎えますが、寝室や子供部屋など、居室が集まる2階部分も、ホールなどに、8畳用位のエアコンを1台設置して、18℃~20℃前後の設定にして常時運転していただければ、各居室は万遍なく暖まるので、エアコンは必要なく、一日中快適に過ごしていただけます。

特に、長時間お休みになる就寝中の空気は重要です。

キレイな空気と体を冷やさない環境の中で、熟睡するからこそ、疲れを癒し、免疫力を高まるのです。

寝室も、出来るだけ開放的な暮らし方を推奨しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

外と家との隙間は、出来るだけなくすことが重要で、気密性を高めなければなりませんが、室内の隙間は、換気や通気性を確保するためにも、塞いではいけないということをご理解いただければ幸いです。