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健康な体をつくるのは、水と食物と空気

  • 健康な体をつくるのは、水と食物と空気
余命2ヶ月の宣告を受けた末期の肺ガンのご主人を食事によって、完治させた若杉のお婆ちゃんの本です。

末期ガンが食事療法によって、消えるというのには驚きですが、体内には、100人の医者がいると昔から言われているように、病を治すのは、薬や抗がん剤・外科手術よりも、自己の治癒力が何より大事だとナイチンゲールも言っています。

現代の医学では、解明できないもの凄い力を人間誰もが持っているそうです。

バランスの取れた食事と、適度な運動を心がけ、キレイな空気の中、寒さや暑さを感じずに、良質な睡眠をとれば、自己の治癒力は確実に上がるのではないでしょうか。

そして、免疫の低下に直結し、ガンや様々な病と密接な関わりがあるのが、体の冷えからくる体温の低下だと力説しており、体の内側から暖めるためにも、陽の食べ物をしっかり摂らないといけないそうです。

以外だったのが、体を暖めるためにも塩分は重要で、積極的に摂りなさいと言っていますが、
人工的に生成された塩ではなく、ミネラルがたっぷり含んだ自然塩とのことでした。

そして、体を冷やす大きな要因の一つが糖分とのことで、女性に冷え症が多いのも糖分の影響が大きいそうですので、甘い物の摂りすぎには気を付けていただければと思います。

※ カロリーゼロとかカロリーオフと称して、多用される人工甘味料はもっと悪いそうです。

実践するのは、なかなか大変ですが知っているのと知らないのでは大分違うと思います。

健康な体をつくるのも、病気になりやすい体をつくるのも水と食物と空気だそうです。

世の中には、健康に関する情報が蔓延していますが、中には間違った情報も氾濫しており、正しい知識に基づいた選択が必要な時代とも言われています。

そして、何を食べたから健康になるとか、何をしたから健康になるというわけではなく、食と運動と休養(睡眠)のバランスが、免疫を高める上でも非常に重要だと思います。

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現代の住宅に潜む矛盾を理解する

日本の昔の家屋は、湿気や暑さを避けるために、床を高くし、窓を大きく取り、木材を表しにした真壁にして、内壁も少なく、襖や障子で仕切り、深い軒や庇で雨や日射を遮り、徹底的に風通しを重視し、断熱材もない隙間だらけの家でした。

当然、冬は猛烈に寒かったのですが、通気性は良く、地震や台風・火事などの自然災害にさえ遭遇しなければ、家は長持ちし耐久性は優れていたのです。

近年、古民家再生が静かなブームですが、再生できるのは戦前建てられたこうした風通しのいい家で、その多くは吟味された木材を使い、構造がしっかりした家だけです。

しかし、オイルショック以降、続いているこの国の家づくりは、壁の中に断熱材を押し込み、アルミサッシを使い、中途半端な断熱化と気密化が進む中、家の通気性は損なわれ、冷暖房だけが普及してきたのです。

特に、冬の暖房は石油ファンヒーターを使うご家庭もまだ多く、冬に結露する家が、ごく普通にみられます。

さらに、エアコンも普及と温暖化の影響もあり、過度な冷房による夏の逆転結露が業界内でも問題視されるようになってきました。

また、昔から換気といえば、窓開けが一般的で、換気扇といえば浴室やキッチン・トイレなどの局所換気だけでの家も多く、ライフスタイルの変化もあり、日中不在がちな状況の中、絶対的な換気量が不足している家庭も多いのです。

シックハウス法の制定以降、24時間換気の設置が義務化にはなりましたが、使用するしないは個人の判断ということもあり、寒さや電気代を気にして消している方も少なくありません。

その結果、室内と室外・暖房室と非暖房室との温度差が生じ、湿気や結露が、室内のみならず壁体内にも発生し、カビや腐朽菌によって、木材が腐れたり、蟻害によって日本の住宅は築30年ももたない家になっているのですが、これは、間違った家のつくりと暮らし方のミスマッチによって、引き起こされているといっても過言ではありません。

現在の新築住宅も、残念ながらこの傾向は続いており、名ばかりの長寿命住宅が次々と建てられているのが現状です。

現在の長期優良住宅制度にある、劣化対策として用いられているのは、防腐材や防蟻剤の使用で、維持管理にしても、定期的な点検とメンテナンスがベースで、湿気や内部結露対策は、ユーザー側の責任として、ほとんど講じられていないのです。

一方で、さらなる省エネ化が叫ばれ、見た目の断熱性能の強化や省エネ設備や太陽光再エネ設備の導入ばかりが叫ばれているのです。

しかしながら、湿気や結露に対しての根本的な対策は不十分で、今後、家の耐久性がどうなるのか非常に危惧している次第です。

私達の暮らしは、冷暖房があたり前となり、生活スタイルも一変しました。

空気清浄機は大分普及してきましたが、肝心な換気については、まだ関心が薄く、局所暖房や家干しや冬季の加湿によって、益々、結露が発生しやすくなり、年中、高湿度の状態に置かれ、カビの発生やいやな臭いに悩まされているご家庭も多いのではないでしょうか。

昔の様に寒ければ寒いなりの、暑ければ暑いなりの生活をおくり、換気を徹底すれば、湿気や結露・カビなどの対処は、わりと簡単ですが、現実的には、防犯や花粉・PM2.5の侵入に加え、日中不在がちの生活では、到底無理な話です。

今、求められているのは、現代の暮らしに合わせた家のつくりであり、ユーザー自身も、これまでの暮らし方を見直し、それぞれの工夫や改善も必要なのです。

工夫や改善というと難しそうですが、家の中の空気を綺麗な状態に保つための換気を励行し、家の中の湿度と温度のバリアをなくすようにすればいいだけです。

そして、大事なのがこうした室内環境にするためのエネルギーを最小限に抑える断熱性能の高い家にしなければならないのです。

性能が低ければ、光熱費の負担は大きく、人間誰もが節約意識がはたらくために、戸を閉め切り、いる部屋だけの局所的な冷暖房や使う時だけの間欠の冷暖房になってしまい、不快な温度差ばかりか湿気や結露は解消しないのです。

基本的に、暖房も冷房も換気や除湿も部屋単位ではなく、家全体で考え、温度差や湿度差・清浄さのバリアをなくすことが、これらの問題を解決する唯一の手段だという認識を造り手も住まい手も持つ必要があるのです。

多くの人が勘違いしているのが、通気や通風・換気と家の隙間がもたらす漏気の違いです。

特に、通気と隙間がもたらす漏気(すきま風)に関しては、似て非なるものですが、多くの方々が混同しているのです。

今でも、通気という概念は、建築関係の方にも一般のユーザーにも、根強く残っており、気密はそこそこでいいとか中気密で十分といった話を真顔でいう方も多く、高気密という言葉に拒否反応を持たれている方は少なくありません。

弊社が、床下に換気口を設けたり、小屋裏に排気ファンを設けるのは、床下から小屋裏までの空気層をつくり、構造内の風通しをよくさせるためで、こうした働きを「通気」と言います。

※ もちろん、冬は、寒くなるので通気機能をオフにして、通気させるのは春から秋の間で、梅雨時期も、湿気の侵入を避けるために閉鎖が基本です。

そして、窓開けや機械換気によって、室内に空気の流れをつくるのが通風であり、新鮮な空気を取り入れ、湿気や汚れた空気を外へ排出することが換気なのです。

一方で、家の隙間によって、足元をスースーさせるのが、隙間風ですが、これは、暖められた空気が煙突現象によって、建物上部へ上昇し、隙間から漏れた分の空気を、建物の床下や壁から、引っ張り込んでしまう隙間換気という現象です。

つまり、隙間風は隙間からの漏気によってもたらされるのです。

そして、家の隙間は、冬ばかりでなく、暑い夏にも熱せられた壁の中や小屋裏からも、熱気や湿気の侵入の原因になるので厄介な存在でもあるのです。

家を高気密にするということは、隙間によって生じる、壁の中での空気や湿気の移動をなくすことにあります。

そして、適切な換気を機能させるためにも、外の空気を取り入れる給気と汚れた空気を排気する、空気の入り口と出口を明確にする必要があり、家中に隙間があると計画どうりに換気の機能を果たさないのです。

※ ストローにつまようじで穴を開けると、ジュースなどが上手く吸い込めなくなったり、掃除機のホースに隙間があると吸い込みが悪くなるのと同じ理屈です。

漏気による隙間換気は、隙間の大きさと室内外の温度差や風の大小によって、大きく変わります。

隙間が大きければ大きいほど、家を暖かくすればするほど、外が寒ければ寒いほど、その量は多くなり、風が強ければさらにその量は増加します。

そして、厄介なのが、外と室内や部屋間の温度差が大きくなる冬は、隙間換気がはたらくのですが、温度差の少ない時期は、いくら隙間があっても漏気による空気の動きは、風が強く吹かない限り、ほとんど働かなくなるのです。

※ 夏の暑い日に、窓を開けても風がなければ空気が動かないのと同じ理屈です。

隙間による漏気は、冬には隙間風がどんどん入り込み、せっかく暖房で温めた空気を外に逃してしまい、省エネ性や快適性に悪影響を及ぼし、春から秋には空気が動かずいくら隙間があっても、空気は換気されずに汚れて、湿度も高くなっていくのです。

高気密・高断熱とは名ばかりの住宅が、未だに多い中、冬は隙間風に悩まされ、換気を消したり、足元が冷える住宅も多く、梅雨や夏場は、逆に換気不足と思われる住宅が非常に多いのです。

要するに、風が吹き、寒い冬の外で、セーターを着ても暖かくないのと同じで、いくら断熱材を厚くしても、気密が悪ければ、計算値通りの性能を発揮することはなく、省エネで温度差のない暮らしを実現するのは難しいのです。

そして、このような家で、家全体を冷暖房しようとすると、多額の光熱費がかかるために、結局はいるところだけ・使う部屋だけ暖める局所的な冷暖房を強いられてしまい、家の中や壁の中では、結露が発生し、カビやダニも繁殖し、空気が汚れ、本来不要な消臭剤や芳香剤・防虫剤などの日用品によって、アレルギーの発症や悪化を招き、急激な温度差によるヒートショックを引き起こし、人の健康や命まで脅かしてしまうのです。

つまり、気密や断熱が疎かな家で、家を暖めたり冷やしたりする限りは、従来から続く、負の連鎖は、いつまでも解消されないばかりか、中途半端に、断熱性能を強化した現代の住宅では、湿気や結露により、家が腐朽する経年劣化のスピードは、これまで以上に速まる危険性すらあり、住宅ローンの払い終える前に、その価値を失ってしまう可能性も十分あり得るということをリアルに考えなければならないのです。

快適で健康な暮らしを送るためには、温度差のない・きれいな空気の中で暮らすことが何より重要ですが、こうした暮らしを少ないエネルギーで叶えるためには、気密と断熱が両輪であり、適切な冷暖房や換気も必要で、家を長持ちさせるには、構造の通気性も重要なポイントなのです。

こうした、気密性と通気性というある意味相反する性能を合わせ持っているのが、外断熱と二重通気の技術を組み合わせて誕生したソーラーサーキットの家で、換気によって、家の中の空気は常に新鮮に保ち、寒い冬には閉鎖し、春から秋には解放することによって、冬はもちろん、夏も省エネ性を高め、構造躯体にも、通気性をもたせることで、人と建物の健康をいつまでも守る日本の気候風土に適した理想の住いと言えるのです。






夏の湿気や暑さ対策を考慮した家づくりを

寒い冬に、家造りを検討すると、どうしても寒さ対策にばかり目が行ってしまいがちですが、四季がある日本においては、夏の暑さ対策も重要で、温暖化が進む中、省エネの観点からもしっかり検討しなければなりません。

そして、断熱性能を高めれば高めるほど、逆に夏は熱ごもりによって室温は高くなり、エアコンを常時稼働させなければ快適な暮らしは送れません。

ソーラーサーキットの家は人が季節によって衣替えするように、家も衣替えしましょうとのコンセプトから、誕生した建物ですので、年中オーバーを着込んだだけの高気密・高断熱の家とは違い、冬は断熱性・夏は通気性を重視した四季対応型の画期的な住まいです。

人が感じる体感温度には、様々な要素が関係してきますが、一番影響するのが湿度というのはおわかりいただけると思います。



28℃でも湿度が80%を超えると、誰もが暑さを感じ不快な環境となりますが、これは、汗の蒸発(気化)が抑えられるのが一番の原因で、体調の悪い時や高齢者の方は熱中症のリスクさえ高くなります。

そして、湿度同様に、体感温度に影響を及ぼすのが床や壁・天井などの表面の平均温度です。

まわりの表面温度が高いと、人間が発する熱を吸収することが出来ずに、逆に輻射熱を感じてしまい、どうしても体感温度は高くなります。





ビルやアスファルトに囲まれた28℃と公園や森林の中での28℃では、全く体感温度が違うのはこのせいです。

「壁面平均温度(床・壁・天井の平均温度)+室温÷2」 というのが体感温度の目安となります。

つまり、室内が28℃で、壁面の平均温度も28℃ならば、体感温度も28℃となり、湿度を60%以内にキープすれは、薄着でのデスクワークであれば暑さを感じる事なく過ごせますし、暑がりの方でも、扇風機があれば十分快適です。

しかし、同じ28℃でも、床や壁・天井の温度が30℃を超えてくると、輻射熱によって、体感温度も上がり、湿度が80%を超えれば、高齢者の方は熱中症の危険を及ばずほどの暑さとなります。

エアコンに頼らずに暑い夏を快適に過ごすには、温度以上に、湿度や壁面平均温度を抑えて、汗を蒸発させるために風(扇風機やうちわ)を上手に取り入れる事がとても大事です。

壁面の表面温度が抑えられるソーラーサーキットの家は、気流を上手に取り入れると、28℃・60%の体感温度は、25℃~26℃位になりますので他の建物では得られない爽やかさが得られます。

こうした環境を、整えやすいのが、ソーラーサーキットの家で、完全な外断熱と二重通気の技術を組み合わせる事で、冬の寒さと夏の暑さにくわえ、日本独特の湿気を考え、開発された画期的な住まいです。

それでは、ソーラーサーキットの家が、なぜ28℃でも快適に過ごせるか、今一度ご紹介させていただきたいと思います。

〇 ソーラーサーキットの家は、断熱材と外壁材の間に、通気層を設け、日射によって熱せられた外壁の裏側の空気を排熱します。

※ 日射熱の影響を受けた外壁の裏側の温度は、通常40℃から時には50℃に達しますので、外部通気層により、熱気を排出しています。

〇 構造の外側で、精度の高い断熱施工と気密施工を実施、構造内への日射熱と湿気の侵入を大幅に抑制します。

※ 熱は高い所から低い所へ移動し、水蒸気も空気に含まれる絶対湿度という1立米あたりの水蒸気量が多い所から少ない所へ移動するので、冬は室内から室外へと移動する力が働き、夏は、方向が逆転し、外から室内側へと移動する力が働きますが、構造の外側に施工する湿気の通しにくい断熱材と気密施工によって、しっかりブロックします。

〇 床下から壁内・小屋裏へと連続する内部通気層によって、壁内の熱気や湿気を小屋裏に設けた排気専用ファンによって、外部へ排出します。

※ 床下の地熱で冷やされた空気を壁内に取り入れることで、熱せられた空気は小屋裏から外部へ排出させ、壁の中の温度上昇を抑制。壁内や室内側の壁表面温度も室内と変わらず体感温度も抑えられます。

〇 断熱性能の高い玄関ドアに加え、窓の開口部にも、熱伝導率の低い樹脂製の窓枠と熱の侵入を抑えるダブルLOW-Eタイプのトリプルガラスを使用。空気層にも、アルゴンガスを注入した高性能な窓を採用しています。

※ 夏の日射熱は強烈です。室内の温度上昇を防ぐためにも、窓の性能は重要です。特に西側の日射の遮蔽を意識した暮らしを心がけて下さい。カーテンやブラインドも効果はありますが、窓の外側にシェードやすだれを設置すると、さらに効果的です。

〇 熱交換と普通換気を切り替えられる換気システムを採用し、日中は外の熱い空気を室内の温度に近づけた空気を導入し、夜間から早朝にかけては、涼しい空気をそのまま導入します。

※ 寝ている間に建物を冷まし、朝の目覚めた時の室内温度が低く抑えることで、室内の温度上昇するまで、時間がかかるためにエアコンの使用を抑えられます。

〇 換気システムに除湿ユニット「リフレア」を組み込むことで、各部屋に設置された換気の給気グリルから、40%台に除湿された空気を導入することで、家全体の湿度を50%台に保ちます。

※ 湿度50%台によって、室内干しも短時間で乾くので、いやな生乾きの臭いが残りません。

〇 全室LED照明を採用し、照明器具の発熱による室内の温度上昇を抑制します。

〇 屋根外断熱によって、屋根の構造躯体の熱橋の影響もなく、通常40℃~50℃になる小屋裏温度の上昇を抑え、小屋裏も活用できます。

※ 小屋裏の温度上昇を抑えることで、熱ごもりを解消、エアコンがなくてもぐっすり眠れます。

〇 基礎外断熱により、冷やされた地熱をそのまま床面に伝え、床面の表面温度は24℃~25℃になり、足元がひんやりしますので体感温度も低く抑えられます。

※ 床下断熱の家の床面は、室内温度と変わらず、床材の種類によっては、じめじめして不快な状態が夏の間ずっと続き、掃除を怠るとカビの発生にもつながります。

これらの機能によって、壁体内の温度も、室内の壁面の表面温度も低く、室内の温度上昇を抑え、外がよほど暑くならなければ、エアコンは必要なく、使用する場合でも28℃の温度設定でも、十分快適に過ごせるというわけです。

一般的に、高気密・高断熱の家は、冬暖かく・夏涼しいと言いますが、クーラーボックスに氷や保冷剤が必要なように、涼しさを得るにはエアコンが大前提となります。

また、先週も大分紹介させていただきましたので、省略させていただきますが、注意が必要なのが、温暖化とエアコンの普及によって、壁体内や床下で生じる夏の逆転結露となります。

いずれにしても、ソーラーサーキットの家は、出来るだけエアコンに頼らず、自然の力を活かして快適に過ごせるクールビズに最適な住まいです。



是非、夏の暑さ対策も考慮に入れた家づくりを進めていただければ幸いです。







空気清浄機と消臭剤で化学反応?

  • 空気清浄機と消臭剤で化学反応?
今や、一家に1台~2台は、必ずある空気清浄機ですが、空気清浄機から発生するオゾンと消臭剤の成分が化学反応を起こし、新たな有機酸などの汚染物質が生成されるということを知りました。

室内空気の見える化で健康被害を減らす

弊社の家に住まわれるお客様には、出来れば、消臭剤や芳香剤などは使わないようにとご案内をしておりますが、もし使われているようでしたら、空気清浄機と消臭剤などの併用は控えた方がいいようです。

そして、これもあまり関係のない話かもしれませんが、湿気や結露などの加水分解によって、ホルムアルデヒドが築年数を経過しても揮発し続け、揮発したホルムアルデヒドが、さらに酸化によって化学反応を起こし、二次的に汚染物質が生成されるようです。

また、その他にもカビやダニなどの微生物が由来するMVOCや無垢材からも揮発する天然のVOC・電化製品やOA機器などにも注意が必要です。

そして、燃焼系の暖房器具や調理器具によっても、空気中の酸素との化学反応によって窒素酸化物や硫黄酸化物といったいわゆるPM2.5が生成されます。

健常者の場合、過度な心配は必要ない部分もありますが、シックハウスが引き金になって、化学物質過敏症になる方が6割とも言われています。

空気の汚れは目に見えないものの、室内の空気は、東京のど真ん中の空気の10倍以上汚れているのは間違いありません。

シックハウスにしても、化学物質過敏症にしても、出来るだけ健康に悪影響を及ぼすものは使わないのが大切ですが、一番の対策は何といっても換気です。

まだ寒い時期ですが、換気のメンテナンスは大丈夫でしょうか。

換気は、2時間に1回の換気量をベースに設計しておりますが、メンテが不十分で、フィルターが詰まっていたりすると、正常に機能していない場合もあります。

中には、清掃ランプがついても、長期間そのままにしておられるケースもあるようなので、ご確認の上、適切なメンテナンスを心がける様お願い申し上げます。

家の燃費を考えた家づくりを

家電の消費電力や車の燃費比較は、比較して購入するのが当たり前の時代ですが、こと住宅の光熱費を比較する方は、まだまだ少ないのが現状です。

しかし、欧米では、エネルギーパスという制度によって、新築や中古の売買の際に、家の断熱性を評価し、冷暖房費を表示するのが、当たり前になっており、日本でもそうした動きが活発になってきており、家の資産価値を表す指標としても、今後、急速に普及していくと思います。



H23年度の総務省のデータによると、東北地方の平均的な4人家族一世帯あたりの光熱費は、年間で247,000となっております。その後のデータは公表されていませんが、電気も灯油もガスも値上がりしていることを考えれば、おそらく現在は、300,000円位になっているのではないでしょうか。

そして、今後もエネルギー価格の大幅な上昇が避けられない現状です。

昨年、国際エネルギー機関(IEA)は、原油価格は2017年の1バレル=52ドルから、 25年には、1バレル=88ドルと1.7倍になるというショッキングな数字を発表しました。

https://www.asahi.com/articles/ASLCF2QVJLCFUHBI00P.html?ref=newspicks

原油価格が、上昇すれば、電気もガスも灯油も値上がりするのは必然です。

日本においては、原油価格の高騰リスクにくわえ、年々上昇する再エネ賦課金や原発の廃炉費用の国民負担も考えなければならず、森林環境税に加え、水面下で議論されている炭素税の導入なども考慮しなければなりません。

つまり、光熱費は、生きている限り一生負担しなければならない生涯コストという考え方が必要で、出来るだけ光熱費のかからない住宅を選択しないと、知らない内に光熱費貧乏になる可能性が高いのです。

これから、家を建てる方は、断熱性能の高い家・そしてその性能が長い間維持できる家なのかの見極めが、何より重要で、いくら見た目がよくても、いくら価格が安くても、光熱費の負担が大きい家は、結果的に節約や我慢を強いられ、住む人と建物の健康までも阻害し、後々後悔する可能性が大きいのではないでしょうか。

そして、人間の身体も老化は避けられないのと同様に、家の性能も劣化していくのは必然です。

将来のこうした経年変化も考慮すると、家のQ値(熱損失係数)は、最低でも1.6・UA値(外皮熱貫流率)は0.46以下を一つの目安にし、C値(家の相当隙間面積)は、1.0以下の性能値が必須であり、24時間計画換気は、1種換気の熱交換タイプの採用をお薦めいたします。

家の断熱と気密・換気と冷暖房のバランスがよければ、家の面積㎡あたり800円前後の冷暖房費で、家中が24時間、温度差のない快適な暮らしが実現する家を造るのは、そう難しいことではありません。(120㎡で年間約96,000円)

家づくりは、家族の健康と幸福を叶えるための大事業であり、賃貸のように、住み替えや建替は、そう簡単には出来ないのです。

光熱費が負担になって、我慢や節約を強いられ、寒さや暑さが引き起こす病やヒートショックの悲しい事故・結露やカビに悩み、消臭剤や防虫剤・カビ取り剤などによってアレルギーになったりすることの無いよう、家の性能を重視した家づくりを進めていただきたいと思います。

どこのメーカーで建てようとも、今、求められているのは、少ないエネルギーで、快適に健康に暮らせて、地震にも強く・長持ちする本物の長寿命住宅だということを是非ご理解いただければ幸いです。