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外よりも室内が爽やかな大東の家

  • 外よりも室内が爽やかな大東の家
まだ本格的な梅雨は先ですが、外の湿度と室内湿度の関係について紹介したいと思います。

よくお客様から、大東さんの家は、外が暑い時は涼しく、寒い時は暖かく、湿気っぽい時はカラットと感じる不思議な家ですね~と言われます。

画像は、梅雨寒の一日となった、昨日の我が家の朝の外の温湿計ですが、16.8℃で80%になっています。

上の表を見て頂きたいのですが、17℃の場合に含むことのできる水蒸気の量(飽和水蒸気量)は、空気1立米あたり14.5グラムとなっています。

つまり、1立米(1m×1m×1mの立方体)の空気中に、14.5グラムの水蒸気が含まれると、相対湿度は100%になりますので、湿度が80%ということは、14.5×0.8=11.6グラムの水蒸気を含んだ空気ということになります。



一方で、室内の温湿度は、21℃で50%台となっており、寒さも湿気も感じず快適な環境です。(もちろんエアコンは不使用です)

表をみると21℃の場合の飽和水蒸気量は、18.3グラムとなっています。

表をみていただければ分かるように、温度が高くなるにつれて、空気中に含むことの出来る水蒸気量も大きくなり、湿度は、おのずと下がってくるのです。

それでは、室内の空気中に、実際含んでいる水蒸気の量(絶対湿度)を計算してみましょう。

温湿計の値がまちまちなので、21℃の55%で計算すると、飽和水蒸気が、18.3グラムですので、湿度が55%の場合の室内の水蒸気量は、18.3×0.55=10.07グラムとなります。

つまり、外の水蒸気量が11.6グラムですが、室内が10.07グラムとなっており、室内の方が水蒸気量は少ないというわけです。

ご理解いただきたいのが、本来は外の空気を換気で取り入れ、かつ炊事や洗濯・人の呼吸や汗により水蒸気も発生するので、おのずと外の空気中よりも、室内の方が水蒸気量が多くなるのが、一般的で、同じ室温だとしても湿度は70%を超えると思います。

しかし、弊社の外断熱の家は、計画換気によって、2時間に1回の割合で、室内で発生する水蒸気とともに、外部へ排出されます。

さらに床や壁・天井などの内装材や構造材にも、多少吸湿されるので、逆に少なくなるのです。

寒さや暑さもさることながら、梅雨のじめじめ感がないのが、外断熱の家の大きなメリットでもあるのですが、家の湿度を、60%前後に心掛けると、カビやダニの繁殖は大分抑えられます。

もう少し、じめじめするようになりましたら、換気にくわえ、適度な除湿を心がけていただき、これからの季節を健やかにお過ごし下さい。

※ 温・湿度計は、結構誤差がありますので、ご購入の際は、何個か並べて真ん中位の数値のをお買い求めください。

水捨て不要の便利な除湿器「カライエ」

  • 水捨て不要の便利な除湿器「カライエ」
空調機器メーカー大手のダイキン工業がの新型の水捨て不要の除湿機を紹介いたします。

弊社でも、以前から地下室やランドリールームなどに、旧モデルのルームドライを採用しておりましたが、売れ行きが思わしくないのか?いつしか製造中止となり、何度か販売再開を打診したりもしましたが、今年2月に、いよいよ「カライエ」という新モデルが、販売されました。

おそらくは、室内干しが一般化し、湿気やカビの問題から、手軽に除湿したいというニーズが高まってきたのではないでしょうか。

エアコンの除湿も効果的ではありますが、除湿量を増やすには温度を下げなければならず、時期によっては寒さを感じたりします。

最近の上位機種には、再熱除湿といって、いったん下げた室内空気を温めて送風する機能もついていますが、電気代が上昇したりして上手に活用出来ている方はあまり多くありません。

かといって、ポータブルの除湿機は、除湿量もさほど多くはなく、時間もかかったり、設置スペースの問題や水を捨てる手間暇が何気に面倒です。

我が家でも、浴室の隣にある脱衣室に旧モデルを設置していますが、除湿機の性質上、多少室温が上昇するものの、1日あたり最大10リットル位の除湿量があり、以前はお客様にお薦めしておりました。

今回、新発売されましたので、カライエの用途や特徴を簡単に紹介したいと思います。

除湿機が特に活躍するのは、湿度が高くなる6月~9月位の時期です。

※ 普通の家では、ファンヒーターや家干しによる、冬場の結露対策にも除湿機が必要ですが、必然的に乾燥気味になる高断熱・高気密の家では、冬場の物干しは、乾燥対策にも有効で、除湿はほとんど必要ありません。部屋も暖かいので、短時間で乾くので、生乾きのニオイも気にならず、通常換気で十分です。

通常の除湿機は、タンクが一杯になると水を捨てる必要がありますが、カライエは必要ありません。

相対湿度が60%を超えると自動運転し、下回ると停止します。(ターボ運転は50%まで運転)

壁付けなので、場所もとらずに100ボルトの電源工事でOKです。

定格の消費電力は、1時間あたり320Wで、省エネですので、夜間だけ運転すれば1時間あたり4円弱の電気代となります。

弊社の外断熱の家で、最適な設置場所は、洗濯物を干すスペースかリビングあるいは床下空間となります。

外断熱の家は、建物の外側で気密・断熱工事するので、外気側からの湿気の侵入は、ドアや窓の開閉と24時間換気の給気によるもので、一般的な充填断熱の家と比較しても、室内の湿度は大分抑えられますが、除湿をしないと70%を超える場合が生じてきます。

また、物干しをしたり、炊事や洗濯・人の汗や呼吸によっても、室内の湿度は上昇するので、換気によって排出はするものの60%以内の湿度を常時、維持するのは難しいのも現実です。

※ 5キロの洗濯物を室内に干すと、最低でも3リットルの水蒸気が発生します。

ソーラーサーキットの家には、換気に組み込んだ全館除湿システム「リフレア」が搭載できますので、問題はないのですが、予算の関係もあり、残念ながら標準仕様ではありません。

また、ウイン工法ではリフレアは搭載できないので、除湿対策にあれこれ悩む方も少なくありません。

床下の夏場の湿度を抑えるにも、室内の湿度のコントロールが重要で、室内の湿度が高いままにしていると、温度の低い床下の湿度は、室内以上に高くなるのが自然なので、室内の除湿を疎かにして、75%を超えると、床下の湿度も10%位は上昇するので、さすがの外断熱の家でも、カビの心配も出てくるというわけです。

※ 床下断熱+基礎パッキンの家の夏場の床下湿度は、40日から50日間は、90%~100%になっており、カビどころか床下に結露している家がほとんどです。

こうした問題を解消するために、力を発揮するのが、このカライエで、例えば床下に設置すると、室内の湿度を気にすることなく、常時50%台を維持することが可能となり、室内の湿度も抑えてくれると思います。

※ 普通の床下断熱の家では、常時床下に湿気が侵入するのでほとんど意味はありません。

気になる価格ですが、電源や取り付け工事も含めると新築で7万円前後で、後付けだと8万円位だと思いますが、ご興味のある方はご相談ください。

室内の高湿度は、ダンプネスと言われており、人と家の健康を阻害する最大の要因です。

ダンプネスによって、本来不要なはずの、消臭剤や芳香剤・防虫剤や殺虫剤・防カビ剤やカビ取り剤・香の強い合成洗剤や柔軟剤を多用し、アレルギーを発症したりするのも、室内のダンプネスがもたらす二次的な被害とも言えます。

空気のバリアフリーは、清浄さと温度差とともに湿度のコントロールも重要ですので、よろしくお願いいたします。

湿度のコントロールで健康に暮らす

  • 湿度のコントロールで健康に暮らす
いよいよ梅雨入りとなったようです。

日本人は、昔から湿気に対して、ある程度、順応性はあるものの、梅雨から夏の時期は、気象病に見舞われ体調を崩す方も多いと思います。

空気には、冷たい空気・熱い空気・乾燥した空気など色々ですが、一番厄介で対処が難しいのが湿った空気つまり湿気です。

湿度が70%を越えるようになると、微生物の活動も活発になり、カビも発生しやすく、カビを餌にするダニが繁殖してしまいます。

こうしたカビやダニが、人の健康にも悪影響を与えてしまうのですが、カビはもとより、特にダニの死骸やフンは、アレルギーの一番の原因になるので、出来るだけ繁殖を抑え、日々の清掃を心掛けることが重要です。

また、室温や湿度が高くなることで、室内の建材や家具・カーテンに含まれるVOC(揮発性有機化合物)や壁や床・ソファーなどの布製品に染み付いた臭い成分や有機物なども、揮発されやすくなるのということも理解しなければなりません。

酸化のスピードが速まり、果物や野菜などが早く傷みますが、酸化は、室温や湿度・光の影響も大きいのです。

人は、呼吸や汗によっても、1時間に起きてる場合は、約100グラム・寝ている間でも50グラムの水蒸気を発していると言われています。

そして、汗もまた皮膚表面の常在菌によって分解されたり、酸化による化学反応によって、人が由来する有機化合物を発生させているのです。

こうして、これからの季節の室内空気は、知らず知らずのうちに、様々な汚染物質で蔓延されてしまうわけですが、昨今のシックハウスは、カビや細菌といった微生物が由来する揮発性有機化合物「MVOC」によって引き起こされ、喘息やアトピーなどのアレルギーの発症したり、悪化をもたらすことが明らかになっています。

しかし、病を発症しても、様々な要因が重なり、原因の特定は困難なことから、薬によって症状を抑えることしか出来ないのが現状で、医療ジプシーと呼ばれる病院を何か所も変える患者が多いのも、アレルギー疾患の厄介なところでもあります。。

結局は、もとの原因と思われる要因を一つ一つ取り去ることが、重要で、住環境や生活スタイルを見直し、室内の空気質そのものを、改善しなければ、なかなか完治することは難しいのです。

今日の住宅は、生活スタイルの変化や換気不足もあって、戸建て・マンションとも、非常にダンプネス(室内の高湿度環境)住宅は増加しています。

ダンプネスをもたらす原因としてあげられるのが

〇 高温多湿という日本独特の気候風土
〇 室内外の温度差による結露(冬と夏の壁体内結露も含む)
〇 石油ファンヒーターや過度な冷暖房
〇 換気不足や清掃の不備
〇 大量の洗濯物の室内干し
〇 加湿器や観葉植物

その他にも、水はけが悪かったり、風通しが悪い立地や、雨漏り・配管などの漏水などが挙げられますが、家の性能と暮らし方を変えるだけで、ダンプネスの状態は、ほとんど解消することか可能です。

問題なのは、家の中の湿度が高くなりすぎると、家の中は、汚染物質の揮発とカビ臭で、臭いがこもり、消臭剤や芳香剤を多用したり、衣類害虫や蚊・ハエなどを駆除するための防虫剤・殺虫剤や汗を抑えるための制汗剤や香水なども必要となります。また洗濯物の乾きも悪くなり、生渇きの嫌な臭いを抑えるために、必要以上の合成洗剤や柔軟剤を使うようになってしまうのです。

最近、香害が社会問題になりつつありますが、こうした日用品によって、シックハウスを引き起こし、さらに、化学物質過敏症という大変な病に発展するケースも多く大きな社会問題になりつつあります。

このように、家のダンプネスは、負の連鎖による悪循環を引き起こすわけですが、さらに、湿気や結露によって、木材の腐朽菌やシロアリの蟻害を誘発してしまい、家そのものの耐久性も著しく低下してしまうという認識も必要です。

冬の乾燥時期には、インフルエンザの予防や肌荒れ・喉の乾燥を防ぐための加湿対策が、とかく叫ばれますが、ダンプネスがもたらす健康被害や環境破壊・建物の劣化も含めた経済的損失は、遥かに大きいのです。

家の中を湿らせない・床下や壁の中・小屋裏を湿らせないということが、住む人と建物の健康をいつまでも守るのです。

気密と断熱性能を高め、過度な冷暖房を控えつつ、家の中の温度差をなくし、換気や除湿を心がけ、冬期間でも40%前後・夏場でも60%前後に湿度をコントロールすることで、湿気や結露によるダンプネスは解消するということをご理解いただきたいと思います。

そして、湿度のコントロールも含め、空気のバリアフリー化を容易に可能とするのが、弊社の外断熱の家であり、ソーラーサーキットの住まいなのです。


ナイチンゲール「看護覚え書」

  • ナイチンゲール「看護覚え書」
先週、東京出張があり、新幹線の行き帰りの道中で、ナイチンゲールの著者「看護覚え書」を改めて読んでみました。

この本は、150年以上前の本にも関わらず、未だに看護のバイブルとして全世界の看護を目指す方に、読まれている本で、この本で真っ先に取り上げられている「換気と保温」は、私たちの家づくりの基本でもあります。

ナイチンゲールは、この本は看護師のために書いた本ではなく、子どもや家族の看護に携わる全ての人に読んでもらい適切な看護のあり方を身につけて欲しいとの願いで書いたそうです。

また、第2章にある「健康な住居」は、住まいの環境が健康に与える影響について、詳細に書かれており、空気が淀んでいる家は、病気の保証付であると断言しています。

この本には、食事や清掃はもちろん、病人への接し方や対応など、患者の自然治癒力を高めるための要素が詰まっており、誰もが読んでおいて損はない必読書です。

付録にある「赤ん坊の世話」も、ハッとするような内容が書かれており、下手な育児書よりも勉強になると思います。

新書だと1700円しますが、アマゾンで中古でも購入できますので、機会があれば是非読んでみてください(^^)

医学の父「ヒポクラテス」の格言

  • 医学の父「ヒポクラテス」の格言
人間は誰でも体内に100人の名医を持っているという名言を残した医学の父ヒポクラテスの格言です。

100人の名医というのは、何度も聞いたことがありますが、ヒポクラテスは、紀元前のお医者様だったと初めて知りました。

西洋医学の進歩は、目覚ましいものがありますが、薬剤の副作用が別の病気を生み出す弊害も考慮しなければなりません。

格言の中には、 自然の力や自己の治癒力をベースにしたものだと思いますが、現代の医療にも通じる健康に生きるための大切な要素が、網羅されていると思います。

このヒポクラテスの格言を、先週、FBにも投稿したのですが、アレルギーやシックハウス・化学物質過敏症の臨床研究の第一人者でもある角田和彦先生から、コメントを頂戴したので紹介させていただきます。


角田先生 この言葉たちは、医療の基本そのものです。今の医療はこれを忘れて、薬にばかり頼りすぎています。

高橋 一夫  角田先生コメントありがとうございます。忘れているというよりも否定しているお医者様もいらっしゃるようですし、患者さんもニコニコして薬を出してくれる先生がいいお医者さんだと勘違いしている人が多いので、病人も医療費も増える一方ですね。

角田 和彦  ヒポクラテスの言葉は、今みたいにいい薬がない時代、どのように治すかを経験から考え抜いた言葉だと思います。私も薬は使いますがあくまで補助。なるべく副作用が少ないものをなるべく少なく使います。基本は哺乳動物としての人が自分の持っている力をうまく引き出しながら、環境や食事の影響を受けながらそれをどううまく制御し、うまく利用し、健康状態を作り出せるかです。

高橋 一夫  お医者さんも、薬を処方しないと経営が成り立たない部分もあり、悩ましい問題ですが、角田先生のようなお医者さんを主治医に持つ方は幸せですね(^^)

どんな病も、基本的には治すのは自己の治癒力が大事だと思います。

病は気なりという言葉がありますが、紀元前の中国最古の医学書の中にも

「百病は気に生ず」とあり、気のエネルギーを体中に巡らせることで病気にならない身体になると説いています。

そして、気を高めるための源は、キレイな空気を深呼吸して体内に巡らせることです。

家の中で、深呼吸したくなるような室内環境を心がけ健やかに暮らしましょう。