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無垢材で造る外断熱の家

  • 無垢材で造る外断熱の家
構造材には、LVLや集成材を採用しておりますが、ヒノキの無垢材で建てた外断熱の家に住みたいというお客様のリクエストに応えるべく、人口乾燥材と天然乾燥材(4面背割れ)との比較検討をしてみました。

改めて両者を比較すると、同じヒノキでも天然乾燥と人口乾燥材とは、香りも美しさも強度も大分違うようです。

特に香りや肌触りなどは、天然には敵わないようで、お客様には、天然乾燥材でご提案してみたいと思います。

また、今月宮城県産の杉を使用した外断熱の家が、2棟着工します。

断熱性能や気密性能はそのままに、造らせていただきますのでご興味のある方は、建築中の現場を是非ご覧ください。


壁の中が真っ黒なのは?

  • 壁の中が真っ黒なのは?
リフォームや建替工事の解体で、壁を剥がすと壁の中は真っ黒で、断熱材が自重によって垂れ下がっている光景をよく見ます。

こうした現象がなぜ起きるのかと言えば、湿気や内部結露によって、断熱材が水分を吸収したり、カビが発生するのが主な要因です。

そして、気密性も悪いために、屋外や室内の埃やPM2.5を含む大量の粉じんが、壁の中に入り込み、湿った断熱材にこびり付いて、カビと汚れが交じり合って真っ黒になってしまっているのです。

先日、新建ハウジングのサイトで、壁の中の有害物質の調査についての記事が掲載されていました。

この調査はヒノキヤグループが、宮城学院大学に調査研究を依頼したものですが、図らずも私が常々話している内容が実証されています。

https://www.s-housing.jp/archives/170897

ヒノキヤさんは、現場発泡によるウレタン断熱ですので、内断熱に多く使われているグラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材の危険性を明らかにするための調査依頼だと思います。

現代も、程度の差はあるものの、内部結露の危険性を孕んでいる延長線上で、家づくりが進んでいると言っても過言ではありません。

記事の中にも、気密性の低さが原因となっていますが、内部結露は、気密ばかりでなく、断熱や換気・冷暖房や家干しも含めた生活の工夫や改善も必要です。

空気中の化学反応にご注意を

今や、一家に1台~2台は、必ずある空気清浄機ですが、空気清浄機から発生するオゾンと消臭剤の成分が化学反応を起こし、新たな有機酸などの汚染物質が生成されるという東京工大の鍵准教授のレポートを目にしてました。

室内空気の見える化で健康被害を減らす

弊社のお客様には、日頃から、極力、消臭剤や芳香剤・防虫剤などは使わないようご案内をしておりますが、もし使われているようでしたら、空気清浄機と消臭剤などの併用は控えた方が賢明のようです。

昨今、香りによる新しい公害として、「香害」が社会問題になっています。

強い香りも問題ですが、特に香り付きの合成洗剤や柔軟剤などの香成分を包み込むマイクロカプセルの原料であるイソシアネートの毒性が各方面で指摘されています。

カプセルのまま空気中に浮遊し、空気清浄機や換気のフィルターやに付着して、香りを発生させたりもしますが、破けた後の残渣は、PM2.5よりも小さく呼吸や飲食によって、いとも簡単に体内に侵入し健康を害す危険性が高まります。

そして、シックハウスと言えばホルムアルデヒドが有名ですが、これまでは年数が経過することで、室内濃度は軽減されるとされていました。

しかし、築年数を経過した住宅でも、湿気や結露による加水分解や加熱によって揮発し続け、酸化によって化学反応を起こし、二次的な汚染物質が生成されるようです。

その他にもカビやダニなどの微生物が由来するMVOCや無垢材からも揮発する天然のVOC・電化製品やOA機器などからも有害物質は発生しています。

そして、燃焼系の暖房器具や調理器具によっても、空気中の酸素との化学反応によって窒素酸化物や硫黄酸化物といったいわゆるPM2.5が生成されます。

健常者の場合、過度な心配は必要ない部分もありますが、シックハウスが引き金になって、化学物質過敏症になる方が6割とも言われています。

空気の汚れは目に見えないものの、室内は2000もの化学物質の影響を受けており、空気中では常に化学反応も起きているのです。都会の空気の10倍以上汚れていると厚労省でも注意喚起しています。

シックハウスにしても、化学物質過敏症にしても、出来るだけ健康に悪影響を及ぼすものは使わないのが大切ですが、何といっても一番の対策は換気です。

梅雨寒が続いていますが、換気のメンテナンスは大丈夫でしょうか。

換気は、2時間に1回の換気量をベースに設計しておりますが、メンテが不十分で、フィルターが詰まっていたりすると、正常に機能していない場合もあります。

特に、この時期は湿度が高くフイルターの目詰まりが起きやすくなっています。

中には、清掃ランプがついても、長期間そのままにしておられるケースもあるようなので、ご確認の上、適切なメンテナンスを心がける様お願い申し上げます。

外断熱の家のデメリット

時折、ソーラーサーキットの家にデメリットはないのですか?というご質問を頂戴します。

住宅のみならず、この世に流通する商品やサービスには、必ずメリットとデメリットがあり、出来るだけデメリットは伏せて、メリットを強調し、ユーザーに訴求するのが一般的です。

しかし、ソーラーサーキットの家のデメリットといえば、防音性の高さによる室内の音の響きやすさや、家の暖かさによる果物や野菜の傷みの速さくらいで、デメリットといえるようなデメリットはありませんという答えになってしまうのが正直なところです。

もちろん、こうした答えで納得していただけるお客様はいないので、いつもお答えしているのは、目に見えない気密や・断熱・換気にくわえ、通気性を確保するための資材や工事費用を要するために、一般的に流通するローコスト系の住宅と比較した場合、当初の建築コストはやや割高に感じるということです。

なぜ割高に感じるのか詳しく知りたい方は下記の外断熱は高い?の記事をご覧ください。

http://daitojyutaku.co.jp/log/?l=404665

そしてもう一つは、外断熱の性能を100%生かし、最高の住み心地を得るには、家の仕組みや快適さの理由を正しく理解し、それぞれの家庭にあった暮らし方の工夫も必要になるということです。

こんな話をすると面倒と感じる方もおりますが、建てただけで省エネで快適で健康で長持ちするような魔法の家は、いくらお金をかけても不可能です。

その点、外断熱や二重通気の仕組みさえ分かってしまえば、どんな家よりも、空気の清浄さや温度と湿度のコントロールが、容易なのもソーラーサーキットの家なのです。

「いつまでも強く・いつまでも快適に」

住む人と建物の健康をいつまでも守り、50年後も次の世代に引き継げる価値ある住まいを実現するのが、外断熱の家ですが、これは住まい手としての正しい理解と適切な暮らし方によって実現するのです。

大事な部分を、知らないまま・知らされないままに家を建てたばかりに、後々、様々なストレスや後悔を余儀なくされるケースが多く、やり直しや住み替えが簡単に出来ないのが住宅の怖いところです。

それ故に、このブログを通して、空気環境や温熱環境を中心に、その重要性について、様々な問題を投げかけ、地元のお客様がどこのメーカーで建てるにしても、後悔しない様に、情報を発信し続けているということをご理解いただきたいと思います。

毎回、難しい話ばかりで、大変恐縮ではございますが、弊社のオーナー様にくわえ、真剣にいい家を建てたいと、勉強をしている多くのユーザーから「本当にタメになる話で毎日楽しみにしています。」といったような激励のお言葉も大分頂戴しており、そうした声を励みに日々投稿させていただいる次第でございます。

これからもどうぞお付き合い下さいます様よろしくお願い申し上げます。

住み心地の良さは伝えにくい?

よく、お客様から「大東さんの家の良さは、住んでみて初めてわかりますね~。」と言われます。

そして、この快適さに、気付かされるのは、友人や実家・旅行に行った時で、ホテルや旅館より快適だというのは、本当だったとよくわかりました。との有難いお言葉をたくさん頂戴します。

しかし、残念なのが、この快適さをなかなか人に伝えるのが難しいのよね~。と多くのお客様にいわれることです。

今年の梅雨も、低温続きで体調を崩している方も多いと思いますが、ご近所や職場で、よく話題になる今朝は寒かったね~。昨日は暑くて寝苦しかったね~。雨や風の音がうるさくて寝不足。洗濯物が乾かなくて大変。といった世間話が交わされます。

初めのうちは、何気なく、うちはこうですよ~と言うらしいのですが、大体、周りの方は、怪訝な表情をされるようで、いつしかそうでしたね~と相槌を打つしかなくなるというのです。

こうした想いは、妻や義母も日頃から感じているようで、出来るだけ家の話には、触れないようにしているようです。

私自身もお客様には強く言えても、知人や友人・そして社員にさえなかなかストレートに言えず私なりに遠慮しながらいつも話しています。(笑)

この辺にも、まともな高気密・高断熱住宅の普及が進まない大きな要因かもしれないと最近よく感じます。

私達の造る外断熱の家は、開放的な暮らしと暖房の連続運転によって、朝の最低気温が5℃でも0℃でも―5℃でも、室温はどこの部屋も18℃~20℃になっており、起きるのがつらいといったことはなくなり、朝の作業がとてもスムーズになり、新聞を取りにいくのもゴミだしはもちろん、たまの雪かきさえ、あまり苦痛になれずに出来るのです。

子どもを起こすのに、何回も騒いだり、起きて暖房にべったり居座ることもなくなり、朝からイライラしたり、血圧が上がる心配もなくなるのです。

もちろん、光熱費の負担も少なく年間の冷暖房費は、7万円~8万円で冬も夏も快適に暮らしていただけます。

というわけで、弊社のお客様に限らず、省エネで快適に健康に暮らせる住み心地のいい家に住んでいる方は、声を大にして、その快適さを多くの方々に伝えていただきたいと強く願う今日この頃です。