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照明も室内の発熱源

  • 照明も室内の発熱源
夜になっても暑いのは、湿気の影響や、壁や天井裏の熱ごもりが、大きな要因ですが、照明器具の発熱の影響も少なからずあります。



他にも、テレビやPC・冷蔵庫などの電化製品はもちろん、人体からも1時間あたり100W位の発熱があります。

新築住宅では、LED照明は標準ですが、まだ蛍光灯をお使いの皆さんは、蛍光灯の生産もこの春に生産終了となりましたので、思い切ってLED照明への交換をご検討ください。.

最高等級でも将来の保証はない



画像は、長期優良住宅の認定を受けるため、第3者の評価機関より発行される設計評価書と建設評価書の表紙です。

小さな但し書きにご注目下さい。



〇 この評価書は、時間経過による変化がないことを保証するものではありません。

つまり、長期優良住宅の認定を受け、最高等級の建物でも、あくまでも、設計時や完成時の評価で、将来の性能を保証するものではないのです。

人間の身体も老化が進むように、どんな建物であれ、経年による劣化は必然ですが、出来るだけ新築時の性能を保持できる建物でなければなりません。

屋根や外壁・設備機器は、劣化により修繕や交換は簡単ですが、目に見えない部分の気密や断熱性能については、スケルトンにしなければ、簡単に補修や交換は出来ないのが現実で、この両輪とも言える性能が、劣化しないことが真の長寿命住宅には必要です。

この二つの性能が劣化すると、湿気や結露によって、住み心地はもちろん、耐久性も著しく劣化するのは、何度もご説明させていただいたので、ご理解いただけると思います。

しかしながら、日本の悪しき習慣により、根本的な湿気対策や結露対策は、残念ながら不十分であり、湿気や結露しても腐らないかのごとく、薬剤に頼った対策が大前提となっており、薬剤の効果が、どれほど持続するのか、健康への影響はないのかなどは、実質わからないのが実状です。

木材は言うまでもなく湿気や水に弱いのが最大の欠点です。



湿気に強い断熱材を基礎や柱・屋根躯体といった構造部分の外側に断熱施工するのが、外断熱です。

つまり、従来は外部環境の影響を受けていた、壁体内も室内同様の温度・湿度を保ち、結露の心配もなく、木材も常に空気に触れた状態となります。



ソーラーサーキットの家は、完全な外断熱と二重通気によって、高い気密性と断熱性が長期にわたり保持され、構造が常に空気に触れることで、木材の耐久性も飛躍的に向上し、薬剤に頼らず、新築時の性能がいつまでも保持できる本物の長寿命住宅です。

大事なのは、設計時点の数値でもなく、完成時の性能評価でもなく、将来の性能なのです。

「いつまでも強く・いつまでも快適に」

住む人と建物の健康をいつまでも守り、50年後も価値ある資産として次の世代に引き継げる住まいこそが、本物の長寿命住宅であり、長期優良住宅だということをご理解いただけると幸いです。

夏場の床下結露にご注意を

  • 夏場の床下結露にご注意を
画像は、8時現在のアメダスです。すでに30℃になろうとしています。

囲みの欄には23℃の場合の湿度が表示されていますが、湿度が103%になっています。

23℃というと地熱の影響を受けた床下の温度に近い状態ですが、100%を超えているということは、結露が発生しているということです。

断熱と結露の関係について、正しく理解している方々にとっては、ある意味常識とも言えるのが、梅雨から夏場にかけて発生する床下に発生する結露となり、業界誌でも頻繁に注意喚起がなされています。

特に、床下に断熱材を施工し、基礎パッキンや基礎換気口のある内断熱(充填断熱)の家では、立地条件やその年の気候条件によっても、まちまちですが、概ね年間30日~40日間くらいは、床下の断熱材や土台、基礎の耐圧コンクリート面に結露が発生していると言われています。

床下の結露事例

結露が発生する原因は、至って単純です。

温度が高く湿った空気が、基礎パッキンや基礎の換気口から、地熱で冷やされた床下に侵入し、床下の部材が、露点温度以下になることで、含むことの出来なくなった水蒸気が、結露になるというわけです。

県内の7月から8月にかけての床断熱の床下温度は、概ね20℃~25℃位になっていると思いますが、下の露点温度のグラフをみてわかるように、実に多くの条件下で、床下が露点温度に達してしまうことがお分かりいただけると思います。

※ 露点温度とは、わかりやすくいうと湿度が100%になり、空気中に含みきれなくなった水蒸気が結露として、表れてくる温度ということです。



夏の時期に、よくありがちな日中28℃で70%の空気でも、夜になって23℃とか24℃位に低下すると、湿度は90%を超えてしまい、冷やされて湿った空気が、床下から侵入し、夜間から早朝にかけ、床下に結露が発生しているケースも多々あるのです。

床下断熱の床下温度は、外気温と地熱の影響によって、変動が激しいのですが、夜間から早朝にかけては、温度も低下し、夜露や朝露のように、いとも簡単に結露が発生するというわけで、早朝に、植物の葉や雑草・車のフロントガラスやボデイーが濡れるのは、よく見る光景ですが、床下の結露もこうした現象と同じです。

外の場合は、陽が上がり温度も上昇する8時にもなると、完全に乾くのですが、床下の温度は、外気温が上昇しても、あまり変わらないために、なかなか乾かないのです。

運よく、風が吹き、日中乾いた空気が床下に通気され、結露が渇くケースもありますが、ほとんどの場合、常時結露が発生しており、家の建つ場所によっては、べた基礎の表面に、配管の漏水のような水たまりが、出来てしまう家も少なくないのが現実です。



特に、新築当初は基礎の水分が抜けきれずに、湿度は常に高めになっているため画像のような事態を招いてしまうのです。

特に、結露が発生しやすいのが、一番温度が低く、通気が一番損なわれる基礎の中央部分や基礎の立ち上がりが小さく区切られている水回りなどの部分となります。

それが故に、床下の断熱材は、湿気や水に強い発泡系の断熱材が主流となり、防腐や防蟻剤の注入された土台を初めとする床組部材や鋼製の束やプラ系の束が使われているのです。

こうした現象は、新築であっても、豪華なモデルハウスでも、必ず起こりえる現象だという認識が必要で、建てる前に、検討している依頼先の建物の床下や小屋裏を確認して下さいと言っているのはこうした理由です。

勇気のある方は、蒸し暑い日に、ご自身のお宅の床下を点検していただければ、かなり高い確率で結露が発生しているのがわかると思います。

一方で、基礎を外断熱にして、しっかり気密を確保すると、外部の温度変化の影響は少なく、常時、床下の温度は22℃~25℃に安定するので、この時期は、外気の侵入を遮断すれば、こうした床下の結露は解消されるというわけです。

しかし、基礎外断熱であっても、高湿になりやすいのが床下であり、床下の湿気対策を図る上でも、躯体内の通気や室内での湿度調整が必要になるというわけです。

こうした背景もあり、最近、床下断熱から、基礎断熱を採用する住宅会社が増加してきたのですが、単に床下断熱のデメリットを回避するために、安易に基礎断熱にすると、今度は、床下の温度は一年を通して一定になる反面、結露よりコワ~いシロアリ被害の危険性が高くなってしまうのが、家づくりの難しさであり、湿気や結露対策に加え、シロアリ対策も非常に重要な要素となってくるのです。

弊社のモデルハウスでは、地下スペースを設け、常時、床下の状態をオープンにしておりますが、床下断熱で、常時、床下を見せている内断熱の建物は、見た事も聞いたこともありません。

最近では、床下点検口として、必須の床下収納庫すら、あえて設置しないモデルハウスが多いようですがなぜでしょう?

家はどこから腐れるのか?シロアリはどこから侵入して食い荒らすのか?ということを考えれば、床下の環境は、非常に大事で、家の耐久性はもちろん、住み心地や健康にまで影響を及ぼすということをご理解下さい。



おかしなエアコンの節約術

  • おかしなエアコンの節約術
エアコンの節約術と称して、18℃と20℃の光熱費の比較をしていたテレビを見てビックリしました。

番組を制作した担当者の家が、よほど暑いのかもしれませんが、冷房の設定温度を18℃とか20℃にしないと冷えない家は、無断熱に近い昭和の住まいではないでしょうか。

私の友人でも、暖房と冷房の設定温度が変わらないとか、冷房と暖房が、逆転しているというやつも、少なくありませんが、性能の高い家は、冷房は28℃・暖房は20℃の設定温度で家中が快適となります。

気になる光熱費も、冬と夏の概ね半年の間、エアコンを一日中連続運転しても、年間の冷暖房費は7万~8万から、多くても10万円以内で、十分収まります。

車の選択には燃費を重要視する方がほとんどですが、車の燃費同様、家の燃費も、家計のみならず環境にとっても重要な時代です。

設定温度が、1℃違うと10%位光熱費が変わるとも言われていますので、夏は28℃・冬は20℃で快適に過ごせる住まいを選びましょう。


エアコンでも涼しくならないのは?

この時期、エアコンをつけても冷えないとか、適温になって消すとすぐ暑くなるという声を良く聞きますが、原因の多くは、壁や小屋裏の熱ごもりによる輻射熱の影響によるものです。



日射熱の影響を受けやすい内断熱の壁の中や小屋裏・構造材の温度を想像して頂きたいのです。

太陽の日射熱を受けた外壁材や屋根材の裏側は、ゆうに50℃を超えてしまい、その熱が柱や断熱材に伝わり室内へ移動し、熱も自ずと蓄えられてしまい、壁面の表面温度も上がることで、体感温度も高くなるというわけです。





ソーラーサーキットの家では、構造の外側で断熱と気密工事を実施するので、構造材も熱橋にはならず、壁や小屋裏の温度上昇を大幅に抑制します。

しかし、多少の温度上昇は必然ですので、インナーサーキット(内部通気層)の働きと暖かい空気の上昇気流により、小屋裏へ集め、専用の排気ファンによって、外部へ排出させます。

そうすると、壁体内に負圧が生じて、床下の24℃~25℃という涼しい空気を引っぱる作用が生まれるのです。

ようするに、外断熱でしっかり遮熱し、内部の通気層によって、壁の中の温度上昇を抑え、室内への熱の侵入も防ぎ、地熱による冷やされた空気の力で排熱し、建物そのものを冷ましてくれるという効果も生れるのです。

その結果、内壁や天井面の表面温度も、室内同様の温度となり、冷房の設定温度も27℃~28℃で十分になり、省エネ性も発揮するのです。



よく木は生き物といわれますが、ご自身が木になったつもりで考えていただきたいのです。

真夏日に40℃~50℃にもなり、周りに断熱材に囲まれた木と、28℃~30℃と一定の温度を保ち断熱材もなく、通気された木であれば、どちらを選ぶでしょう?

住まいにとっても、住む人にとっても、熱ごもりを解消することが、省エネで快適に健康に暮らすための重要なポイントなのです。