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オープン収納を薦める理由

  • オープン収納を薦める理由
だいぶ前から、オープン収納を推奨している私ですが、ようやく世間的にも浸透してきたように思います。

ただ、私が推奨する一番の理由は、クローゼットの扉をなくすことで、洋服などの通気をよくして、水とりぞうさんや防虫剤が必要なくなり、空気を汚さずにすむということなのですが、最近のトレンドは、どちらかというと魅せる収納として採用するケースが多いように思えます。

いずれにしても、扉をつけるよりも、様々なメリットがあるオープン収納ですので、今後定着するようさらにご提案していきたいと思います。

特に、お子さんの部屋や寝室のクローゼットの扉は付けずに、オープンにした方がいいのではないでしょうか。

理由は色々とありますが、

〇 解放感が出て部屋が大きく見える

〇 自然に整理整頓が身に付く

〇 部屋のインテリアとして、洋服や小物を活用できる

〇 コストダウンにもなる(あまり収納パーツにこだわると高くなる場合もある)

〇 開閉音もなくなり、レールの掃除や建具の調整も必要なくなる。

〇 子どもが独立した場合の、お部屋のリノベーションが簡単に出来る。

〇 湿気がよりにくくなり、通気性を持たせることで、カビや衣類害虫の繁殖が抑えられ、防虫剤が必要なくなる。

ざっと挙げるとこんなところですが、偉そうなことを言っている私も、我が家の寝室や子供部屋には、しっかり扉がついており、たまにオープンにして、クロゼット内に通気させています(汗)

正直言って、オープン収納は、整理整頓が苦手なご家庭では、少々難点もありますが、中が気になる方は、ロールスクリーンなどでも、対応出来るので、今ではなくても良かったとプチ後悔している次第です。

外断熱の家では、個室に収納する洋服は、その季節に着る洋服だけにして、その他の季節の洋服は、小屋裏などに吊るしたり、カラーボックスに収納すると、衣替えも簡単に住んで部屋もスッキリ整理できるようになります。

何より、オープン収納にすると、湿気やカビの心配がなくなり、余計な日用品(防虫剤や防カビ剤)の出費もなくなり、アレルギーなどの発症も抑えられます。

ただ、どんな家でもそうなのかと言うと、そうではなく温度差もなく空気のきれいな外断熱の家だからこそ最適で、湿気や結露が発生したり、換気が悪い家では逆効果になる場合があるので注意が必要です。

環境省の調査によると、家庭から排出される化学物質の内、防虫剤に含まれているパラジクロベンゼンが、2番目に多い量だそうで、(1位・3位~5位は合成洗剤)知らず知らずの内に、私達の健康にも、環境にも様々影響を及ぼしています。






屋根裏の結露に注意

  • 屋根裏の結露に注意
築年数の経過した住宅の天井には、相当の割合でシミが出ています。

シミの原因のほとんどは雨漏りか小屋裏での結露なのですが、築年数の浅い、新築住宅でも同様の被害が生じています。

ただ、よほどの結露でなければ、被害に気付くのは、5.6年先というのが一般的で、なかなか早期に発見するのは難しいのです。

なぜならば、通常、内断熱の天井裏には、吸水性の高い断熱材が敷きこまれているので、たとえ結露しても断熱材が水分を吸収してしまい、なかなか被害に気付かないケースが多いのです。

そして、気付いた時には、木材はカビだらけで、屋根の下地は、腐れボロボロになっているのです。

小屋裏での結露を防止するには、室内の水蒸気が小屋裏に侵入しないように、天井部分の気密性を高めなければなりません。

もし、換気も不十分で、ファンヒーターで暖房し、2階で物干しをしたり、加湿器をつけたりしたら、湿度も高くなり、小屋裏での結露の危険性は益々高くなります。

そして、小屋裏の結露は、冬ばかりでなく、エアコンで部屋を冷やすことで生じる夏型結露も発生するので、エアコンの設定温度は、あまり低く出来ず注意が必要となります。

さらに、小屋裏の湿気を出来るだけ溜め込まない為の、換気や通気も必要になります。

何の対策もしない場合、天井断熱の小屋裏温度は、40℃を超えるケースが頻繁におとずれますので、逆転結露がいとも簡単に発生してしまうのです。

築10年以内の建物で、画像のように屋根裏の下地が、ボロボロになっている建物は、珍しくも何ともないという認識が必要で、防湿・気密を徹底しなければ、室内と小屋裏との温度差によって、非常に高い確率で、内部結露は発生しているのです。

そして、こうした被害が発生しても、雨漏りならいざ知らず、結露被害の場合には、欠陥にも瑕疵にも該当せずに、全て自己責任となってしまうのが、現状の法律です。

小屋裏での結露を防ぐには、屋根も外断熱にして、冬も夏も室内との温度差をなくすことが、最適で確実な方法なのです。






左の画像は、屋根外断熱の建物ですが、右側は屋根断熱といっても、垂木間断熱で結局は内断熱で、どうしても、熱橋の影響を受け結露が起きやすくなりますので、くれぐれもご注意ください。

最後に屋根裏の結露画像を紹介しますので、是非ご覧ください。雨漏りは10年間の瑕疵保証対象ですが、結露は保証対象外の事故となりますので、くれぐれもご注意ください。

通気性がもたらす性能向上

夏季の冷房負荷の低減と構造躯体の耐久性向上をもたらすソーラーサーキットの二重通気システムですが、有識者からも高い評価を受けておりますので一部紹介させていただきます。

ご紹介するのは、東京大学生産技術研究所の加藤信介教授のお話ですが、加藤教授は、壁体内通気住宅の性能向上に関する研究の中で、次のような評価をしています。

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「壁体内通気工法に関して」

断熱材の室内側の壁体内通気を取る建築工法は、床下の空気が室内の仕上げ面と断熱材の間の空気層を通るため、室内の仕上げ面の温度を床下空間の空気によりコントロールする事が可能になります。

床下は日射が当たりません。地盤の温度は一般にその場所の年の平均温度になると言われています。

すなわち、夏は外気温より低く冬は外気温より高くなります。床下の空気はこの地盤に夏は冷却され冬は加熱されます。

夏は外気より温度が低く、冬は外気より温度の高いこの床下の空気を、室内側の通気層に通してあげれば、それだけ夏の冷房のエネルギーや冬の暖房エネルギーを削減できます。

今回、解析した例は限られますが、夏場の冷房エネルギーを15%近く削減できる可能性が確認出来ました。

これは断熱材の室内側の壁体内通気を取る建築工法が地中熱を有効に利用できる可能性を示すもので、解析を担当したものとしても喜ばしいことと思っています。また、この壁体内通気をとる建築工法は、結露などにともなう壁体の腐朽防止にも極めて有効と考えられます。

壁体内に通気性をもたせたソーラーサーキットの家は、夏の省エネ性と構造躯体の耐久性向上という大きなメリットが生まれるということを是非ご理解いただきたいと思います。

クールビズが最適な大東の住まい

  • クールビズが最適な大東の住まい
環境省が推進するクールビズ運動も、10年が過ぎ、国民の認知度も90%を超えたようです。

導入時の担当課長さんが、何となく決めたというビックリポンの推奨温度が28℃ですが、28℃では暑いと感じる方が多いようで、去年から、推奨温度の引き下げが検討されていたようですが、結局見送られたようです。

28℃で、十分快適な、ソーラーサーキットの家づくりに取り組んでいる私達にとっては、引き下げられた方が、差別化につながるので、内心楽しみにしていたのですが、少しばかり残念な思いもします(笑)

人が感じる体感温度には、様々な要素が関係してきますが、一番影響するのが湿度というのはおわかりいただけると思います。



28℃でも湿度が80%を超えると、誰もが暑さを感じ不快な環境となりますが、これは、汗の蒸発(気化)が抑えられるのが一番の原因です。

そして、湿度同様に、体感温度に影響を及ぼすのが床や壁・天井などの表面の平均温度です。

まわりの表面温度が高いと、人間が発する熱を吸収することが出来ずに、逆に輻射熱を感じてしまい、どうしても体感温度は高くなります。





ビルやアスファルトに囲まれた28℃と公園や森林の中での28℃では、全く体感温度が違うのはこのせいです。

「壁面平均温度(床・壁・天井の平均温度)+室温÷2」 というのが体感温度の目安となります。

つまり、室内が28℃で、壁面の平均温度も28℃ならば、体感温度も28℃となり、湿度を50%から60%前半にキープすれは、薄着でのデスクワークであれば暑さを感じる事なく過ごせますし、暑がりの方でも、扇風機があれば十分快適です。

しかし、同じ28℃でも、床や壁・天井の温度が30℃を超えてくると、輻射熱によって、体感温度も上がり、湿度が80%を超えれば、高齢者の方は熱中症の危険を及ばずほどの暑さとなります。

エアコンに頼らずに暑い夏を快適に過ごすには、温度以上に、湿度や壁面平均温度を抑えて、汗を蒸発させるために風(扇風機やうちわ)を上手に取り入れる事がとても大事です。

壁面の表面温度が抑えられるソーラーサーキットの家は、気流を上手に取り入れると、28℃・60%の体感温度は、25℃~26℃位になりますので他の建物では得られない爽やかさが得られます。

こうした環境を、整えやすいのが、ソーラーサーキットの家で、完全な外断熱と二重通気の技術を組み合わせる事で、冬の寒さと夏の暑さにくわえ、日本独特の湿気を考え、開発された画期的な住まいなのです。

車のガラスの結露を見て思うこと

暑い日が続くと、車のエアコンの温度も低くなりがちではないでしょうか。

特に、日差しの強い日中は、ついつい低くしがちですが、設定温度を低くしたまま、夜や早朝に車を走らせると、画像のように、窓の外側に結露があっという間に発生します。

冬の結露は、窓の内側で発生するので、窓を拭いたり、デフで暖かくすれば消えますが、夏の結露は、結露位置が逆転し、外側となります。

フロントであればワイパーでとれますが、サイド側の窓はそうもいきません。

この時期の、窓の結露を見るといつも思うのですが、車を走らせて風にあたっていても、露点温度に達すると必ず結露は発生し、風でも乾かないということを改めて感じるのです。

こうした結露は、夜間や早朝の気温が低く、湿度が高い時に、発生するのですが、外が27℃で90%位の湿度であれば、窓ガラスの外側の表面温度が、25℃以下になれば、必ず結露が発生するというわけです。

車の窓の結露は、特に悪い影響を及ぼしませんが、こうした夏型の逆転結露は、エアコンで部屋を冷やしすぎると、床下や壁の中、小屋裏でも簡単に起きてしまう現象だということを理解する必要があります。

夏型の逆転結露は、目に見えない壁体内で発生するので、非常に厄介で、住む人と建物の健康に大きな影響を及ぼします。

この時期、30℃で80%になったりすると、室内を26℃以下に冷やすと、壁体内や内装材の裏側でも結露が発生する危険性が高まるのです。

特に、雨上がりの暑い日などは、注意が必要で、外の熱気と湿気は、外から、壁体内に浸入してしまい、これまで、冬が定番だった壁体内の結露が、夏でも、高い確率で発生しているということを理解しなければならないのです。

参考までに、室内を26℃にした場合の、結露が発生する壁体内の温湿度をいくつか紹介しておきます。

35℃・61%
34℃・65%
33℃・68%
32℃・72%
31℃・76%
30℃・80%
29℃・85%
28℃・90%

というのが、室内を26℃にした場合の、壁体内結露の危険領域となる壁の中の温湿度になります。

27℃~28℃の室温であれば、まず問題はありませんが、それ以上に冷やすのは、結露の危険性が高まりますので、くれぐれも冷やしすぎにはご注意ください。

夏型の逆転結露に関しては、ほとんど対策が図られていないのが現実で、お客様自身がエアコンの使い方や換気に気をつけないと、被害が年々拡大してしまうということもリアルに考えなければならないのです。