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新耐震でも85%が倒壊の危険性

  • 新耐震でも85%が倒壊の危険性
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査によると、耐震診断を実施した、新耐震以降(1981年~2000年)建てられた多くの木造住宅が現行の耐震基準を満たしておらず、大地震(6強~7)の地震で84%の建物が倒壊の危険性があるとして、耐震化の必要性を訴えています。



日本の建築基準法は1981年と2000年に耐震基準の改正が実施され、1981年以降の建物を新耐震の建物とし、比較的耐震性が高いとしておりましたが、熊本地震では、新耐震の建物であっても多くの建物が倒壊しました。



※ 最終的には90棟以上の新耐震建物が倒壊しました。

一方、私達が経験した東日本大震災では、津波被害による倒壊が多く、地震の揺れによる倒壊は、そのほとんどが旧耐震(56年以前)の建物で、新耐震で建てられた建物で倒壊した多くは、結露や蟻害による構造の腐朽が進んでいたものや敷地の地盤が起因したものでした。

しかし、考えなければならないのは、M9のマグニチュードにもかかわらず、地震の揺れによる被害が少なかったのは、地震によって伝わる地震波の揺れの周期が、建物に甚大な被害をもたらす「キラーパルス」(1秒から2秒の短周期地震動)が阪神大震災の2割から5割にとどまったのが大きな要因というのが、地震研究者の方々から報告されています。

※ 熊本地震では、震源地の半径20キロ圏で、キラーパルスが多く発生したと言われています。

要するに、単純に震度6強とか7であるとか、マグニチュードの大きさや加速度を表すガルの数値だけでは、建物に与える被害の程度は図れないというのが現実なのです。

いずれにしても、あの震災で被害がなかったから大丈夫だというのは、いささか安易な考えであり、少なからず地震によるダメージもあることから、ご自身の住まいの耐震性を今一度見直すことも必要だと思います。

そして、これから新築を予定しているお客様は、耐震性の強化は当然必要ですが、その耐震性が長期にわたり発揮されるか否か、劣化対策がどのようになされているかをしっかり見極めた上での検討が重要ということをご理解いただければ幸いです。



換気のクレームが急増

  • 換気のクレームが急増
2003年に施行されたシックハウス対策法によって、換気設置が義務化となり、14年を経過しました。

上記の画像は、換気方式の導入割合を示したグラフですが、相変わらず第3種換気(自然給気・機械排気)のシェアが高くなっており、第1種の熱交換換気(機械給気・機械排気)の普及率は30%にも満たないというのが現状です。(全国の割合ですので、宮城ではもう少し高い普及率だと思います。)

3種換気の割合が高い最大の要因は、何といっても導入コストで、義務化になったからとりあえずつけるという造り手が、未だに多いのです。

※ ユーザー側も、換気といえば、これまでは、レンジやトイレ・浴室にしかなかったこともあり、室内空気の重要性や計画換気への理解が不十分なのも要因の一つで、言われるがままに何となく3種を採用しているケースが多いのです。一方で換気が正常ならば不要ともいえる、消臭剤や芳香剤をはじめ、加湿機や除湿機・空気清浄器などの空気関連の市場は拡大しているから不思議なものです。

3種換気を勧めるメーカーは、メンテナンスが大変とか、ダクトにカビが生えるだとか、電気代がかかるとか、費用が無駄だとか、あれこれ理由をつけて3種換気にしてしまうのが通例です。
(ローコスト住宅や建売ではほとんど3種換気で、ノンダクトも多く、1種の熱交換にして下さいと言えば必ず多額の追加費用が発生します)

※ ハウスメーカーのモデルハウスでは、1種換気を当然のように設置しておきながら、実際に販売する住宅は、3種換気を標準にして、1種の熱交換換気はオプションというメーカーが、多いのが現状です。(ユーザーの換気に対しての考え方や予算に合わせて、勧める換気を変えているケースもあります。)



そうして、勧められるがままに3種換気を採用したユーザーのほとんどは、上記のように、寒さで大きな不満を抱くようになります。

※ 3種換気は、吸気口のために壁に穴を開けるため、冷たい空気も熱い空気も湿気の多い空気も、そのまま室内に導入するので、温度差のある冬や夏場は、室内への影響が大きいものになります。

その結果、給気口を閉じたり、排気側の電源をオフにしたりして、空気が汚れ、臭いがこもったり、結露の発生など様々な問題が生じてしまうのです。

さらに、場合によっては、寒さを解消するために、燃焼ガスと湿気を発生させる石油ファンヒーターを使う方もいるようで、益々空気が汚れ、結露も発生しやすくなるという悪循環を招いてしまうのです。

※ 3種換気を標準にしているメーカーの多くは、気密や断熱が不十分でエアコンではなかなか暖まらず、吹き出し口からの風が不快に感じ光熱費も嵩みます。

ご存知のように、結露は、日々の掃除も大変で、カビやダニの温床になりやすく、健康を害したり、臭いを消すために、消臭剤や芳香剤が必要となり、アレルギーやシックハウスの原因にもなります。

※ 弊社のお客様で、消臭剤や芳香剤を多用している方はいらっしゃらず、拙宅でもファブリーズはありますが、飲み会などで、タバコや焼き肉などの臭いのついた洋服に使用するために、あるだけで、トイレにすら芳香剤は置いていません。

特に最近では、洗濯物を家干しする方も多く、香りの強い柔軟剤を使う方が増えていますが、柔軟剤に含まれる有害物質によってご家族や周囲の人にも影響を与え、香害として、大きな社会問題にもなってきており、建材の化学物質より、これら室内に充満する化学物質によって、シックハウスを引き起こし、やがては化学物質過敏症を発症させるとの話も良く聞かれます。

実際、弊社では法規制前より、換気システムは標準採用しており、ソーラーサーキットにも、3種換気は用意され、20年ほど前までは、1種換気と併用して採用していた時期がありましたが、お客様からの不満も多く、APなどの物件を除き、一種換気に全て切り替えました。

3種換気は、関東以南の地域であれば、さほど問題にはなりませんが、宮城のような寒冷地では、後々、寒さによって様々な問題が発生するのは間違いなく、熱交換機能のついた1種換気が必需なのです。

掃除が面倒という方も中にはおりますが、月1,000円程度の電気料で、大事な空気の守り役としての役目を果たし、綺麗な空気の中で健康に暮らす為には必要な作業となります。汚れの程度にもよりますが、3、4ヵ月に1回、僅かな時間で作業が済みますのでよろしくお願いいたします。



※ 人間が摂取する物質の中の重量比を比較すると、室内の空気の比重が一番大きく、一人があたりの必要な空気量は、二酸化炭素の濃度が基準にし、、健康に害を及ぼさないとされる濃度1000PPM以内にするには、1時間あたり約30立米の換気量が必要とされ、室内の空気が2時間に1回の換気量が求められています。



※ モデルハウスでは、換気が正常に働いているかの確認も兼ね、二酸化炭素の濃度計も設置しております。

また、最近では、コストを抑え、寒さのクレームを解消するために、1種換気のノンダクト式換気を勧めるメーカーもありますが、そうしたメーカーは、結局は、導入コストや工期・施工の面倒さを敬遠するために、穴を開けて配線するだけで済むノンダクトを勧めるだけであって、メンテナンスを考えれば、何台も設置しなければならず逆に面倒といえますし、1台で時間当たり50立米もの負荷がかかることで、音や換気効率からいっても、後々問題が生じ、オフにしたり、弱運転にしなければならないことを理解しなければなりません。(同時給排も出来ず、熱交換率の高さも弱運転の場合となっています。)

そして、あえて付け加えさせていただければ、こうしたメーカーの多くは、室内空気には基本的に無頓着で、換気を正常に働かす為の気密の重要性すら、ほとんど認識していないのも現実です。



※ 上記のグラフの通り、気密が1.0を超えると、漏気量が一気に増加し、換気を作動しても、周囲の隙間から空気を呼び込みます。つまり外の空気を引っ張って、また外に排出する形になるので、家の空気は換気されにくいのです。

おそらくは、使わない部屋は、消して光熱費も抑えられますと勧めてくると思いますが、消したりつけたりでは、必要な換気量が確保できず24時間換気の意味がなくなってしまい、消したままの状態が続けば、空気が滞留し、換気内部にカビも発生するので、カビの胞子をまき散らすことにもなり、アベコベの話になってしまうのです。

※ 弊社では、換気が義務化となる前から、1種換気を標準にし、これまで1000棟以上に1種換気を設置しておりますが、皆さんが空気環境の良さに満足され、ダクト内のカビなどの問題は発生しておらず、未だに交換したケースもありません。(ノンダクトであれ、ダクト式であれ24時間換気はその名のとおり、連続運転が基本となり、空気が常に動いていればカビなどの心配はありません。



そして、一番問題なのが換気を壁に設置するのは、よほどオープンな1LDKや2LDKの家でなければ効果は発揮するのは難しく、居室数や間仕切りの多い家に、3.4台設置した位では、換気のショートカット(経路の乱れ)を引き起こし、建物の隅々まで換気するのは、非常に困難となり、はっきり言って、換気が悪いうえに、臭いのこもる家になるのが必然なのです。
(廊下やウォークイン・階段室・家事室・書斎・玄関収納など)



そもそも、1種のノンダクトの換気が、計画どうりの換気性能を発揮するには、気密性能を0.5以下にしなければなりませんが、私の知る限り、3種換気やノンダクトを採用しているメーカーで、全棟気密検査を実施し、C値0.5以下の気密施工するメーカーはないと思います。

※ 気密が悪いということは、穴の開いたストローで、なかなか上手く吸えないのと同じです。

弊社でも、天井に無垢の梁を表しにしたいとか、コストを抑えて天井高を2700にするためや、小屋裏や地下室部分の局所換気として、ノンダクト換気を採用するケースも多少ございます。


※ ダクト式の換気は配管用に天井裏にダクトスペースが必要ですので、天井の梁表しにするとダクトスペースがとれません。

もちろん、弊社の家は、平均0.5というC値ですので問題は少ないのですが、空気の淀みをなくし家の隅々まで換気するには、換気経路を考慮したプランニングも必要になります。





ノンダクトを製造・販売しているメーカーとしても、商品構成の最上位に位置しているのは1種のダクト式の熱交換換気です。あくまでノンダクトは、一昔に流行したロスナイ換気の延長で、コストを抑えて熱交換機を導入したい場合や、リフォーム用の換気として販売しているということをご理解下さい。

※ 適切な換気設計にもとづき、高い気密性能と確実な断熱工事を実施し、メンテナンスを行えば、冒頭に紹介したご不満のほとんどは解消いたします。







モデルハウスを見学するには?

  • モデルハウスを見学するには?
モデルハウスといえば、斬新なデザインや豪華なキッチン・お洒落なインテリアや自然素材をふんだんに使った内装によって、お客様の購買意欲をかき立てる、いわば魅せるための展示場がほとんどです。

そして、家の決定に大きな影響を及ぼす奥様方を意識した演出や工夫が随所にちりばめられており、洗練された接客スタイルも含め、いつも感心させられるばかりです。

しかし、考えなければならないのは、モデルハウスの雰囲気や営業マンの対応の良さだけで、家造りは成功しないということです。

なぜならば、住み心地の良し悪しを左右する、冬の暖かさや、夏の涼しさについては、相変わらず過剰な空調によって、演出しているモデルハウスが非常に多いのです。

よくモデルハウスの裏側を見れば家の性能がわかると言いますが、建物の裏側にはエアコンの室外機が所狭しに置いてあり、省エネとは名ばかりのモデルハウスをよく見受けられます。(最近はできるだけ見えない様にしているメーカーも多い)



弊社では、名取のジアスと利府ハウジングギャラリーに、モデルハウスがございますが、私達のモデルハウスは、こうした魅せるためのモデルハウスではなく、住んでからの住み心地を体感していただくための体感モデルハウスとなっております。

体感という名のとおり、ソーラーサーキットの最大の特徴である外断熱と二重通気の仕組みとそのメリットを、実際にご覧いただき、手で触れて、肌で感じ取っていただくことが、最大の目的です。

すでに、ご来場いただいたお客様は、お解りかと思いますが、体感モデルハウスは床下や小屋裏・壁の中といった、完成してからでは見ることの出来ない部分を出来るだけオープンにしております。また、そうした部分を収納や趣味の部屋として有効に利用する提案もさせていただいております。

冷暖房に関しても、実際の生活に近い形での計画となっており、自然の力も有効に利用しつつ、できるだけエネルギー消費の少ない暮らしが実現できるようなご提案もさせていただいております。

こうした体感型のモデルハウスは、全国でも珍しく、弊社の体感展示場には全国から、同業者の方々の見学も非常に多く、全てオープンにして公開させていただいております。

見た目の豪華さやお洒落さという点では、見劣りする部分もあるかも知れませんが、私達が目指しているのは、「いつまでも強く・いつまでも快適に」 家族と住まいの健康をいつまでも守り、50年後も価値ある家造りです。

見た目の雰囲気で選んでいただくのではなく、住み心地の良さで選んでいただきたいのです。そして、こうした想いを共感していただけるお客様との家造りこそが、私達の願いでもあります。

ご来場いただくお客様には、こうした私達の想いを少しだけ心の片隅において、ご見学いただければ幸いでございます。

春や秋の気候の穏やかな時期は、どこのモデルハウスもそう違いはありません。本当にご来場いただきたいのは、寒い冬や梅雨時、そして暑い夏です。気候の厳しい時こそ展示場めぐりは最適で、各社の性能の違いがハッキリと表れます。

エアコンが何台動いているか?部屋間の温度差や床と天井の温度差はどうか?部屋の隅に冷たい気流が感じないか?窓枠やガラスの表面温度・空気の淀みや湿気・床下の臭いなど、注意深く観察すれば、必ず見えてくるものがあるはずで、はっきりと家の良しあしが理解していただけると思います。

杜信さんの社内報に掲載

  • 杜信さんの社内報に掲載
この度、杜の都信用金庫様の行員さん向けの社内報に、弊社の家づくりについての紹介記事を掲載いただき、わざわざ星理事長様に届けていただきました。



お話の中で、ソーラーサーキットの特徴を改めてご説明させていただきましたが、非常に関心を持って聞いていただき、「今度、行員にも詳しく説明して欲しい」とのご依頼を頂戴いたしました。

「住まい塾」 IN 杜の都信用金庫様が実現しそうです。

星理事長様、誠にありがとうございました。

結露は欠陥ではない?

築年数の経過した住宅のみならず、新築住宅においても、結露に悩んでいるお客様は非常に多く、残念でなりません。

そして、依頼先に連絡を入れても、基礎や木材からの水分蒸発や、室内の洗濯物や加湿器、換気や暖房方法などの原因にされ、根本的な解決のないまま、放置されているケースが多いようです。

しかし、新築当初、結露が表面化するのは、文字どうり目に見えるガラスやサッシ枠・玄関ドアの表面部分で、表面結露が発生しているということは、壁体内においても、内部結露が発生している可能性が十分に考えられるということです。

そして、内部結露による住宅被害が、表面化するのは先のことだということを正しく認識し、注意しなければなりません。

住宅瑕疵担保履行法の制定により、建築業者には10年の瑕疵担保の責任があり、保険加入も義務化となりました。

しかし、雨漏りならいざ知らず、結露による住宅被害は、基本的に保険対象外となるので十分に注意しなければなりません。

結露被害は、冷暖房の方法や換気・加湿など、ユーザーの住まい方とも関連性がある為に、なかなか造り手側の瑕疵・すなわち欠陥住宅とはならないのが現実で、結局泣きを見るのは消費者となるのが現実なのです。

長期優良住宅制度による住宅性能表示でも、気密や断熱・換気など、防露に関する基準は地域ごとに設けられてはおりますが、内部結露を防ぐために重要となる気密については、測定の義務もなく、基準がないに等しいのが現状で、あたかも結露はある意味防ぎようがないかのごとく、構造の劣化対策として薬剤処理された防腐木材を使用することで、劣化対策等級は、最高等級となっています。

つまり、多くの建築業者は、たとえ内部結露が発生しても腐りにくい家づくりを、推進しているといっても過言ではなく、薬剤によって、どの程度の結露なら被害が生じないのか、防腐効果がいつまで保たれるのか、健康への影響はないのか、効果がなくなった場合はどうするのか、実際は、あいまいで、誰もわからないと言えるのです。

表向きは、住宅の耐久性が向上したということで、木造でも長期の住宅ローンの借り入れが可能となり、多くのお客様が35年の住宅ローンを利用し、マイホームを取得するわけですが、ローンの完済前に家が結露によって腐れるというような悲劇は、決してあってはならないのです。

住む人と建物の健康を守るためには、まずもって結露の発生しない住まいが、一番重要なのです。