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外断熱でなくても大丈夫?

先日、家づくりの初めの一歩についての投稿をさせていただきましたが、外断熱でなくてもいいの?といったような問合せを数件頂戴いたしました。

ご理解いただきたいのは、家の断熱は、内断熱だからダメで外断熱だから良いという単純なものではないということです。

「外断熱が家族を守る」の書籍でも、紹介しておりますが、様々な問題を抱える内断熱ではありますが、いい内断熱も当然あります。一方で、単に外断熱が売りやすいということで、安易に取り組むと、内断熱以上の悪影響を及ぼす外断熱も当然あるのです。

つまり、どちらの断熱であっても、基本となるのは、断熱・気密・換気・冷暖房の性能であり、この4つの性能のバランスがしっかりとれているかということです。

この国の悪しき習慣や住宅関連の様々な業界の思惑もあって、大手ハウスメーカーを筆頭に内断熱が主流の住宅業界では、その強固な既得権益によって、外断熱の急速な普及は正直困難です。

もちろん、正しい外断熱がシェアを伸ばしていくことこそが、日本の家づくりには必要不可欠だと、常々考えておりますが、私達がいくら声高に叫ぼうとも、オイルショック以降、長年続く断熱への考え方は、そうそう簡単には転換出来ないのは、周知の事実です。

先日の投稿は、そうした現状を踏まえながらも、地元ユーザーの皆様の一生一大の家造りが、後悔することの無いように最低限の条件をお伝えしたつもりです。

そのポイントさえ、満たした家造りであれば、内断熱てあっても、レベルの差はあるものの、現在、発生している様々な問題は、大分解消するということは、断言できます。

私は、様々な団体の職にもついており、一般の消費者からも多くの相談を受けます。

〇暖かく・涼しいと言ってたのに寒くて暑い

〇部屋間の温度差が10℃以上もある

〇換気の音がうるさい

〇換気をつけると寒い

〇換気をつけても臭いがこもる

〇省エネと言われたが、光熱費が高い

〇結露がひどい

〇カビに悩まされる

〇子どものアトピーやアレルギーがひどくなった

〇喘息や鼻炎がひどくなった

ご相談の多くは、家の寒さや熱さ・換気や結露・アレルギーやシックハウスなどの問題が大半です。そして、これらの問題のほとんどが、気密や断熱が起因しており、建てた後では、ほとんど改善出来ない問題ばかりです。

かといって、いくら問題か深刻だったにしても、結果的に、瑕疵とか欠陥にはならないのが、悲しいかなこの国の制度で、結局はユーザーの自己責任となってしまい泣き寝入りとなってしまうのです。

私は、地元に生かされている住宅会社の代表として、出来るだけこのような悲劇を生まない様にしなければとの想いから、このブログも投稿を続けている次第でございます。

そして、こうした問題を出来るだけ解消するための条件が、先日のチェックポイントということをご理解いただきたいと思います。

また、生意気なようで恐縮ではございますが、業者はもたろんのこと、ユーザー側の皆様も、この4つのポイントがなぜ重要なのかを正しく理解しなけらばならず、間違った暮らし方をしないことも非常に大事なことです。

ご相談いただく中にも、間違った暮らし方によって問題が発生しているケースも少なからずあり、いつも話している通り、家だけ建てて省エネ・快適・健康!地震にも強く、長持ちする住宅にはなりません。

現代の住まいにあった、お客様自身の暮らし方の見直しや工夫も、住み心地を良くするためには必要となりますので、よろしくお願いいたします。

何も難しいことはありません。騙されたと思って

「外断熱が家族を守る」を一度じっくりお読みになっていただきたいと思います。

それこそがマイホーム成功への一歩だと思います。

エアコンと乾燥についての誤解 VOL2

まだ乾燥注意報の出る時期ではありませんが、冬場に出される乾燥注意報の条件はご存知でしょうか。

地域によっても違いますが、仙台管区気象台では、最小湿度45%・実効湿度65%で風速7m/s以上かまたは最小湿度35%・実効湿度60%以下になると乾燥注意報が発令されます。

案外、勘違いされている方もいらっしゃるようですが、乾燥注意報は、木材などが乾燥することで、火災の発生や延焼の危険を注意喚起を目的に出される注意報であって、インフルエンザやスキンケアのための注意報ではありません。

私達が、日常の生活において湿度と呼んでいるのは、空気が水蒸気を含むことのできる量に対し、その時点で含んでいる水蒸気の量の割合を示したものですが、温度が高ければ高いほど含むことのできる水蒸気の量が大きくなります。



上記は温度による飽和水蒸気量を表したグラフですが、見ての通り、20℃の空気には1立法あたり、17グラムの水蒸気を含む事が出来ますが、5℃の空気には6.8グラムほどの空気しか含むことができません。

つまり、温度は5℃で、乾燥注意報が発令される湿度が60%という場合、(6.8g×0.6=4.08)となり、1立法あたり、約4.1gの水蒸気を含んでいるということになります。

おそらく、湿度60%と聞いても、乾燥していると感じる人は少ないと思いますが、ラジオやテレビで、乾燥注意報が発令されました。空気が乾燥してますので、インフルエンザにはご注意ください。火の元にもご注意ください。なんていうアナウンスを聞くと「乾燥」という二文字が、頭にインプットされてしまい、室内の湿度計なんかみたら、あら大変~となる訳です。

仮の話で恐縮ですが、外気温5℃で湿度60%の空気を、そのまま一気に、室温20℃の家の中の空気と交換したら湿度はどうなるでしょう。

先ほど、20℃の空気1立法の中には、17グラムの水蒸気を含むことが出来ると説明しましたが、5℃で湿度60%の空気は、(6.8×0.6)で約4.1グラムの水蒸気が含まれていることになります。つまり、17グラムの空気を含むことの出来る20℃の空気と入れ替えると、4.1÷17=0.241となり、室内の湿度は、一気に24%となるわけです。

実際には、一度に空気が入れ替わるわけではなく、計画換気によって2時間に一回の割合で空気が入れ替わりますし、生活の中で発生する(炊事や洗濯・人の呼吸や汗・植物や食べ物)水蒸気によって、多少湿度は上がるわけですが、それでも40%にはなかなか達しません。

つまり、水蒸気の発生する石油ファンヒーターとは違い、水蒸気の発生しないエアコンなどで暖房する高断熱の家では、湿度計も30%前後になりがちで、どうしても乾燥している感じがするものです。

要するに、5℃の60%の水蒸気の量も、20℃で25%の水蒸気の量も水蒸気の量自体は、同じということで、室温が上がることで、湿度が下がるのを、乾燥していると錯覚して、乾燥していると感じてしまう側面も少なからずあるのです。

そして、ここからが、大事なポイントですが、

「高断熱の家は乾燥すると聞くのですが~?」

という質問を受けることがあります。24時間換気によって新鮮な外気を常時室内に取り入れ、かつ水蒸気を発生しない暖房機を使用する高断熱の家では、レベルが高ければ高いほど乾燥気味に感じるのは、ある意味必然なことだという事です。

多くの方は、ある程度の乾燥は、慣れて快適に過ごせるようになり、良質な空気環境によって、カビやダニの発生を抑え、空気中に漂うハウスダストや化学物質を常時、排気することで、アトピーやアレルギー・喘息などの症状が、飛躍的に改善したという話も数多くいただきます。

もちろん、喉の弱い方やインフルエンザの予防を図るためにも、ある程度の湿度はキープしたいというのも当然の話ですので、室温20℃・湿度40%を一つの目安として心がけていただきたいと思います。

最近は大分お洒落な加湿器がいろいろ売られているようです。

健康で快適に暮らす為に、冬季間は上手な加湿器の利用をおすすめいたします。

その他、洗濯物の室内干しや濡れたタオルをかけたり、観葉植物に多めに水をやったりとお客様の暮らしに合わせいろいろ工夫してみてはいかがでしょうか!

また、内装に塗り壁やエコカラットなどを採用しているお客様は、壁に霧吹きで水分を含ませたりするのも効果がございます。私の家では玄関や和室前の土間部分に水を撒いたりもしています。

いろいろな工夫をしながら、その家なりの暮らし方を楽しむのも、外断熱の家に住む楽しみのひとつでもあります。外断熱の家の暮らしの達人!目指してチャレンジしてみて下さい。

※ よくテレビなどで、インフルエンザの予防のために、湿度60%が望ましいというようなことをいう方がおりますが、かなりピントがはずれた話ですので間に受けると大変なことになるのでご注意ください。乾燥が激しい冬期間において、高断熱の家で60%の湿度をキープするには、何台もの加湿器を常時運転させなければならず非現実的です。

そして、あえて申せば、乾燥より怖いのは結露やカビの問題です。室温20℃で湿度60%にしたとすると、露点温度は12.3℃になり非暖房室や目に見えない壁体内の12.3℃以下の部分では必ず結露が発生するのです。

弊社の外断熱の家では、その程度では結露しませんが、断熱性能が低い住宅の場合、結露だらけになってしまいインフルエンザの予防どころではなくなってしまいます。

※ 結露は、含むことの出来なくなった水蒸気が水に変わる現象で、簡単にいえば湿度100%ということです。室温や湿度を上げれば上げるほど結露の発生する露点温度も高くなりますのでご注意ください。

インフルエンザのウイルスは空気感染しません。手洗いやうがいを励行して、空気の綺麗な温度差のない家で暮らせば、自然と免疫力も高まり、そうそうインフルエンザには感染しないのです。

一応付け加えさせていただきますが、湿度が低いと同じ温度でも、体感的に寒く感じるために、ついつい設定温度も上がり気味になるので省エネという観点からも目安として20℃・40%を心がけて下さい。

※ 参考までに露点温度のグラフを添付しましたので、ご自宅の室温や湿度をグラフにて確認してみて下さい。いかなる場合でも、露点温度以下の箇所では、家中どこでも結露は発生するということをご理解下さい。家の中の温度差をなくすのは、単に快適さを求めるだけではなく、人と建物の健康を損ね悪の根源となる結露を解消するのが最大の目的です。



エアコンと乾燥についての誤解 VOL1

先日、お客様との打ち合わせ時に、エアコン使用時の乾燥について色々とご質問がありました。

多分、皆さんのエアコンに対してのイメージは、普段利用する家や車のエアコンを想像してしまい、「風量が強い=乾燥する」というイメージが強い方が多いと思います。

車であれ、家であれ、寒いからエアコンはつけるのですが、暖まるまでの立ち上がり時は、早く暖めたいとの意識もはたらき、温度設定が高くなりがちで風量も強くなってしまいます。

そもそもエアコンは、冷房時には温度差があまりないので、(家の場合)能力もさほど必要ありませんが、温度差のある冬場に暖房として使用する場合は、結構なパワーが必要となり、断熱性能が低い住宅の場合、長時間にわたり強い風量が伴うのも仕方がありません。

しかし、断熱性能の高い住宅の場合は、暖まるまでの時間も短く、一度暖まれば風はあまり感じることはないので、従来のイメージは大分払しょくされると思います。

特に、弊社では、冬期間にはエアコンの連続運転をおススメしており、ほとんど気流を感じず快適に暮らしていただけるようになります。

つまり、エアコン=乾燥というのは、これまでの経験からくる誤解によって、感じてしまう側面があり、基本的にエアコンによって空気が乾燥する訳ではありません。

エアコンの風があたることで、濡れているものは、乾きは早くなりますが、空気中の水蒸気は、風によって乾燥する訳ではないのです。

車の窓ガラスついた結露を解消するために、エアコンのフロント運転をしますが、風で結露を乾燥させているわけではなく、単にガラス面の温度を上げて結露を解消しているだけなのです。(理屈は後ほど説明します)

もちろん、身体に風があたれば乾燥感は感じますが、基本的に湿度が下がるのは、単純に室温が上がることで、湿度が下がるからなのです。

外断熱の家では、建物そのもの(柱や基礎)が、蓄熱体となり、熱を蓄えることで、外断熱ならではの輻射熱効果が発揮されるので、温度設定をあまり高くする必要もないので、エアコンの風量はほとんど感じないのです。

つまり、気流で感じるイメージ的な乾燥感も大分薄れると思います。

気になる光熱費も、従来の1部屋から2部屋分の光熱費となり、120㎡位の建物ですと、ワンシーズン6万円以内で連続運転が可能となります。



逆に、つけたり、消したりする間欠暖房の場合、部屋間や時間帯によっては、温度差が生じ、折角建てた外断熱のメリットが生かされないばかりか、どうしても気流が気になり、乾燥感も助長され、不快に感じる場合も生じますので、ご注意ください。

※ 暖房費もほとんど変わらず、逆に上がる場合の方が多くなります。

まだまだ続きそうなので、今日はこの辺で終わりにしますが、続きは明日紹介させていただきますのでよろしくお願いいたします。

家づくりのスタート!まず初めの一歩は?

前回の投稿で、住み心地の良し悪しは、実際に、その家に住んでみないとわからない。ということをお伝えしましたが、家の耐久性も同様で、住み始めて10年も20年も経過しなければわかりません。

耐震性にしても、新築時に耐震等級3の設計で住宅を建てたとしても、評価機関の発行する性能評価書に記載されている通り、あくまでそれは、設計時点の評価であって、将来の耐震性を保証するものではなく、実際に地震に遭遇しなければ家の強度はわからないのです。

お客様の価値観もそれぞれで、住まいに求められる要素は多々ありますが、現代の家づくりにおいて、何より重視しなければならないのが、住み心地であり、いつまでも省エネで快適に暮らせて健康を維持・増進できる住まいだと、日々痛感しています。

そして、地震などの自然災害時においても、シェルターとしての役目を果たし、避難所へ行かなくとも家族全員が安心して過ごせる家ではないでしょうか。

それでは、このような家にするためには、どうしたらいいのでしょう。

普通、家を建てようと考えると、価格やメーカー・外観デザインや間取り・設備や内装などを検討するのが、一般的です。

しかし、ここからスタートするから、本当に大事なものが見えなくなり多くの方々が後々後悔するのです。

30年保証だから大丈夫・瑕疵担保保険がついているから安心ではありません。

〇 暖かく・涼しいと言ってたのに寒くて暑い〇 エアコンでは全然暖まらない

〇 部屋間の温度差が10℃以上もある〇 換気をつけると寒い

〇 省エネと言われたが、光熱費が高い〇 結露やカビに悩まされる

〇 子どものアトピーやアレルギーがひどくなった〇 喘息や鼻炎がひどくなった

〇 家の臭いがこもる  〇ファンヒーターをつける 〇シックハウスを発症した

建売住宅であれ、注文住宅であれ、こうした問題は非常に多く発生しており、聞くたびに本当に残念になります。しかし、こうした問題は、ほとんど表面化することはなく、瑕疵や欠陥として認定されにくいために、瑕疵保険や保証では殆ど解決できず、その多くは泣き寝入りになってしまっているという現実を消費者の側も理解しなければならないのです。

今日は、保証や保険よりも安心できる家づくりの急所をユーザーの皆様にご紹介させていただきますので、是非ご理解いただければ幸いです。

その急所とは、検討先のハウスメーカーや工務店に、次に挙げる4つのポイントを確認し、このポイントを最優先にした家づくりを進めてもらうことこそが、後悔しない家づくりの一番の近道となります。

そのポイントとなる性能とは、ズバリ、断熱・気密・換気・冷暖房といった、住宅の温熱環境と空気環境を大きく左右する4つの性能となります。

※ 価格を検討するのは、この先の話で基礎や構造・内装や外装材などもその次です。

どこのメーカーで建てるにしても、この4つの性能をバランスよく満たした住宅を建てることが最も重要で、ここを疎かにすると、例え長期優良住宅の最高等級であっても、住み心地や光熱費の上昇をまねき、内部結露によって、家の腐朽や蟻害などが生じてしまい、耐震性も低下し、住宅ローンの完済する前に、家の資産価値まで失う危険性があるのです。

そして、業者のみならず、住まい手となるユーザー自身もその重要性を理解し、適切な暮らし方とメンテナンスを実践することで、「いつまでも強く・いつまでも快適に」 住む人と家の健康をいつまでも守り、50年後も次の世代に引き継げる価値ある家になります。

※ 建てただけで100点満点になる魔法の家は、いくらお金をかけてもこの世には存在しません。

私は、常々、ユーザーばかりでなく、業界にも行政にも、強くこのことは発信しており、この4つの性能の重要性を理解せず、勧められるままに建ててしまうと、いくらデザインが良くても、設備が豪華でも、無垢材や自然素材に囲まれた家でも、住み心地のいい家には決してならず、健康にも悪影響を及ぼし、後々後悔する危険性が非常に大きくなります。

何も、面倒でも、難しいことでもありません。下記のチェックポイントを提示し、確実に実施してもらうだけでいいのです。

☆ Q値(熱損失係数)・UA値(外皮熱貫流率)の確認をして、 最低でもQ値1.6UA値0.46w/㎡・k(ZEH基準の20%UP) で、設計してもらって下さい

☆ 数値はあくまで計算値です。断熱の施工精度の確認をするために、 断熱施工完了時に目視とサーモカメラにて確認してください。(断熱欠損や施工ムラがないかがわかります)

☆ 開口部の種類と性能値確認 樹脂トリプル(LOW-E+アルゴン)もしくはU値1.3W以下 のサッシを使用してもらってください。(1.2年後にはどこのメーカーでも標準になります)

☆ C値(隙間面積)を測定するために、気密検査の実施(気密工事完了時・竣工時)してもらってください。 (寒冷地の基準は2.0ですが、経年変化を考慮し1.0・出来れば0.7㎝/㎡以下の気密性能が必要です)

☆ 換気システムの種別を確認してください。まだ仙台圏では、コストの関係で1種よりも3種換気の比率が高いのですが、数多くのクレームが発生しており、 第1種熱交換換気システムが必須です。

☆冷暖房の種類・容量と配置計画を示してもらってください。(家電チェーンの方が安いのでそちらでどうぞというのは親切で言っているのではありません。)

☆ 冷暖房の連続運転時の部屋別の室温予測 と月別光熱費のシュミレーションを提示してもらってください。(家族構成・生活スタイル・体感温度の違うので・・とかいうのは×です)

これらが、全て確実に履行されると、最低でも、冒頭に紹介した問題は、大分解消されることは間違いなく、必然的に、構造も材料もいい加減な対応は出来なくなり、様々ある工種の施工精度もグンと向上します。

※ 太陽光を設置する場合でも、無駄な太陽光は必要なく、床面積㎡あたり0.4kW~0.5kWの設置でも、十分ゼロエネ住宅になります。

自社の仕様や基準と違う場合には、もっともらしい理由をつけて、受け入れを拒否されるかもしれませんが、ハッキリ言って、そうした造り手を大事な家づくりのパートナーとして選択すると、お客様自身が後悔するのは間違いありません。どんなに人柄の良い営業マンであっても、候補から外した方が賢明です。(対応の可能な造り手はたくさんいます)

上記に挙げたチェックポイントは、2020年に向けて、スタンダードになっていく基準ではありますが、ビックリするほどのレベルではなく、省エネ住宅や高断熱住宅というからには、最低限クリアしなければならない基準ということを理解していただきたいのです。

そして、これらの基準を満たした上で、次のステップとなる資金計画や構造・間取りや外観・インテリアなどの計画にと進んでいけば、お客様の家づくりの成功確率はかなり高いものになるのは、間違いありません。







住み心地の良さを伝えるのは難しい

住み心地の良し悪しは、実際に、その家に住んでみないとわからないもので、しかも季節のいい春や秋は、あまり感じないのも現実です。

しかし、家によって住み心地の差は大きく、季節の変わり目や寒い冬・梅雨や真夏の時期や大雨や台風・地震時の室内環境を比べれば、ハッキリとその差は表れてきます。

よく、お客様から大東さんの家の良さは、住んでみて初めてわかりますねと言われます。

そして、日頃、あたり前と感じていた、寒さや暑さ・湿気を感じず、温度差のないキレイな空気の中で暮らす何とも言えない快適さに、気付かされるのは、友人や実家に行った時で、ホテルや旅館より快適だというのがよくわかりましたとの有難いお言葉をたくさん頂戴します。

しかし、少々、残念なのが、この快適さをなかなか人に伝えるのが難しいのよね~と多くのお客様によくいわれることです。

ご近所や職場で、よく話題になる今朝は寒かったね~。昨日は暑くて寝苦しかったね~。雨や風の音がうるさくて寝不足。洗濯物が乾かなくて大変。といった世間話に、何気なく、うちはこうですよ~というと、大体が怪訝な表情をされ、何か自慢と受けとられてしまうようで、いつしかそうでしたね~と相槌を打つしかなくなるというのです。

こうした想いは、家内や同居する義母も日頃から感じているようで、出来るだけ家の話には、触れないようにしているらしく、私自身もお客様には強く言えても、知人や友人・そして社員にさえなかなかストレートに言えず私なりに遠慮しながらいつも話しています。(笑)

この辺にも、高気密・高断熱がベースの本物の省エネ住宅・健康住宅・長寿命住宅が普及があまり進まない大きな要因かもしれないと最近よく感じます。

というわけで、弊社のお客様に限らず、省エネで快適に健康に暮らせる住み心地のいい家に住んでいる方は、声を大にして、その快適さを多くの方々に伝えていただきたいと強く願う次第です。

さて、先日、㈱カネカソーラーサーキットのお家の営業担当のM君と打ち合わせをしていた際の雑談の中での話です。

M君は、以前は結構有名なハウスメーカーの営業マンで、3年ほど前に転職したのですが、4年ほど前に、そのハウスメーカーで埼玉に家を建てて暮らしています。

残念ながら、高気密・高断熱とは名ばかりの家だったようで、寒くて温度差もあり、多額の光熱費と家中の結露がひどいそうで、ハウスダストが原因と思われるアレルギー性鼻炎に夫婦揃って悩まされているそうです。

ソーラーサーキットの家に入社し、自宅とのあまりの差に愕然し、心底後悔しているようで、住み替えも検討したそうですが、査定が低く、売却してもローンも返済できないので断念したそうです。

これから、歳をとってもこの家に一生住まなければならないのかと思うと、本当に湯鬱になるといつもこぼしています。

そんなM君に、そんな家は、30年もたないから一生は住めないよと何気に言ってしまい後から後悔している私です(汗)

と、ここまでは、よく聞く話なのですが、

社内での世間話で、自宅をソーラーサーキットで建てた同僚(年下)が、あまりにソーラーサーキットの家の自慢をするらしく、初めはそうでもなかったらしいのですが、最近では、話を聞くたびにむかつくとポロリ本音を漏らしておりました(笑)

その話を聞いて、なるほど~!もしかして、うちの会社にもこうした想いを感じている社員がいるかも~と改めて気づかされたのです。

弊社にも、確かソーラーサーキットの家の住人が5名・外断熱WIN工法の住人が3名おりますが、ブログをはじめ、あまり人前で積極的にPRしたり、発信できないのもこうした理由があるかもしれません。

私は、会社のPRも兼ねて、あまり得意ではない、フェースブックやツイッターなどのSNSにも取り組んでおりますが、食べ物や酒・何気ない話題にはたくさんの「いいね」がつきますが、たまには真面目な話題も投稿しなきゃと思い、住宅の様々な問題やいい家にする為の条件などの投稿をするのですが、自慢ととられてしまうのかどうかは?として、そうした話題には、「いいね」が極端に少なくなります。

以前は、家の今朝の温度や湿度はこうですよ~とか、湿気やカビも生えませんよ~といった家の話もよく投稿していたのですが、最近は不思議にブレーキがかかり、なかなか投稿できなくなり、自慢にとられないように差し障りのない範囲の中で、あれこれ悩みながら投稿しているのです。

※ 友達の中には、業界の方々もたくさんいるので結構気をつかうのです。

そんな中、このブログだけは、言わば私のホームグランドですので、本音を正直に投稿させていただいております。

それでも、多少はこうした想いを持ちながら読んでいる方もいらっしゃるとは思うのですが、私の話はオーバーでも何でもなく全て真実です。

※ 人格を疑われるので、極力他のメーカーの批判は抑えているつもりですが・・・。

そして、我が家の話題もたまに投稿させていただきますが、決して自慢で紹介している訳ではなく、弊社の家だけが素晴らしいと言っている訳でもありません。

大手であれ、地場であれ、ローコストであれ、内断熱であれレベルの高い住宅をつくるメーカーや工務店もいますし、お客様が正しい知識をもってリクエストすれば、本物の高気密・高断熱を造る技術を持った造り手も少なからずおります。

しかし、お客様が誰からも知らされない為に、日本の住宅性能は、欧米と比べ何十年も遅れ、進化しているのは、設備だけといったアベコベな家造りが今でも進行しており、本来は最も重視しなければならない、住み心地はいつまでたっても改善されないということを理解しなければなりません。

そして、あえて言わせていただければ、お客様がリクエストしても、あれこれもっともらしい理由をつけて、造ろうとしない・造れないという、単に売り上げや利益を考えている造り手は、神聖な家づくりという仕事には携わってはいけないとも思うのです。

いい家に住みたいという想いは、家を求める全ての方々が願う共通の想いであり、家は大事な家族の命と健康を守るべき大事な器で、その想いに応える責任を全ての造り手が持たねばなりません。

これからの時代、住宅業界全体が本物の健康・長寿の家づくりに取り組まなければ、いつまでたっても、住まいの性能が原因と思われる様々な問題は解消されないのです。

私は、あくまで、地元の住宅会社の代表として、新築を検討している宮城のユーザーの皆さんが、たとえどこで建てられるにしても、絶対に後悔しないために、最低限の情報と知識を紹介していくことで、微力ではありますが、日本の家づくりを変えていきたいと心から願い、夜な夜な投稿させていただいているということをご理解いただきたいと思います。

本当は、住み心地を左右するのは?という投稿をするつもりで、書き始めたのですが、どういう訳か途中から変わってしまいましたので、題名も変更させていただきましたのでご容赦下さい。

※ M君、ブログを書いてたら、頭に浮かんできたので紹介させてもらいました。気に障ったらゴメンナサイ。今度はおいしいカレーをごちそうします~(笑)