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隙間風の原因を正しく知ろう

ブログをご覧いただいている方から、隙間風を止める方法はないですか?というご質問を頂戴しました。

何とも悩ましい質問ですが・・・。

実は、隙間風を止める簡単な方法があるんです。

それは、部屋を暖めずに出来るだけ外気温に近い状態にすれば、よほど風が強くなければ隙間風は入ってこなくなります。

そんなことしたら、寒くていられないと怒られそうですが・・・。

お客様には、いつもご説明しておりますが、隙間風の原因は、もちろん家の隙間があるのが、要因ではあるのですが、部屋を暖めることによって生じる外気温との温度差や部屋間の温度差が原因なのです。

隙間があっても、春から秋の日中穏やかな日は隙間風はなく、隙間風を感じるのは朝晩の冷え込んだ時だけです。夏の熱中夜などには、多少外が涼しくなっても風がなければ、窓を全開にしても風すら感じないのはこのためです。

要するに隙間風の原因は温度差が引き起こす自然の換気現象というわけです。

暖められた空気は、自然の摂理である上昇気流によって上部へ移動して、家の隙間から外へ逃げていきます。そうすると必然的に、暖めた部屋は負圧がかかり、(空気が少なくなる)
逃げた分の空気を家の隙間から引っ張り込むのです。



そして、温度差があればあるほど空気が逃げていく量は大きくなりますので、隙間風も多くなります。(漏気ともいう)

これは、部屋間においても同じ現象が働きます。リビングだけ暖めてドアを閉めていると、スース―と隙間風が入り、お子さんがトイレにいくのにドアを開けっ放しにでもしたら、寒い廊下などから冷たい風が入ってくるのです。



上記は、家の隙間と温度差による換気量のグラフです。家の隙間によって、これだけの量の空気の出入りが常時行われているということなのです。

※ 詳しい説明は住まい塾へどうぞ

隙間による温度差換気は、単に不快なばかりか、暖房費の上昇や結露の発生に加え、季節によっては、全く機能しないために、換気不足となりアレルギーなどの症状をも引き起こす、非常に厄介な存在なのです。

よく、冗談半分にうちは隙間だらけだから、自然換気で十分という方もいらっしゃいますが、自然換気が働くのは、冬場や温度差のある時だけで、1年の半分は換気の作用が働かないのです。

さらに、新築住宅でも、C値が5.0位の低気密住宅では、計画換気が計算どうりに働かず、寒い冬は換気過多となり、その他の季節は、換気不足になってしまいます。



特に、昨今の中途半端な高断熱・高気密住宅では、構造躯体の中で生じる内部結露によって、構造の腐朽や蟻害によって家の寿命まで短命にしてしまい住宅ローンが終わる前にその価値を失ってしまう危険性が高まるのです。

なぜかと言えば、現代の住宅は、耐震性を高めるために柱の外側に構造用の面材を張り付ける工法が主流ですが、これまでの住宅であれば、面材は張らずに断熱材の外側に透湿シートを張ることで、例え結露しても水分は外部へ排出されていたのですが、現在は、面材で水蒸気がせき止められ結露するケースが非常に多く、断熱材を濡らし性能が低下するばかりか、面材そのもの耐久性を失ってしまい、どれほど持つものなのか非常に危惧するところです。

換気が義務化となって、10年以上経過しますが、新築住宅で、換気のトラブルが多発しているのもこうした背景があるということをご理解下さい。



私がいつも、どこで家を建てるにしても、最低でもC値(隙間面積)は1.0以下・換気は熱交換の1種換気と言い続けているのはこうした理由なのです。

※ 築年数の経過した住宅で、隙間風を少しでも抑えたいという方には、サッシなどに隙間テープを張ると、結構効果があります。但し、サッシからの隙間風を抑えるだけで、逃げた分の空気は別の隙間から必ず入ってきますので悪しからず。







加湿はほどほどに

  • 加湿はほどほどに
風邪やインフルエンザの予防や肌・喉の乾燥を防ぐために、加湿器を使用する方も多いと思いますが、室温20℃前後に湿度40%~50%を目安にした暮らし方が必要です。

この時期になると、よくテレビやラジオで室内の湿度を60%以上に保つようにという無責任なアナウンスも流れますが、確かにウイルス対策には有効かもしれませんが、宮城のような寒冷地の場合、結露やカビ・ダニの繁殖には逆効果だということを理解しなければなりません。

薄着でも暖かいと感じる温度は22℃~23℃ですが、23℃で湿度70%にしたら露点温度は17.2℃となり、外気温が5℃以下になれば、アルミサッシのペアガラスでも結露が発生してしまいます。

つまり、湿度60%以上というようなアナウンスを鵜呑みにして、加湿器などを必要以上に運転させてしまうことで、家中結露だらけという方が結構多いのも事実で注意が必要です。

風邪やインフルエンザのウイルスは空気感染はしません。(飛沫感染はします)

手洗いとうがいを励行し、規則正しい生活習慣を心がければ、あまり湿度に神経質になる必要はないのです。

乾燥が気になる方は、肌には保湿クリーム・喉には、のど飴をなめたり適度な水分補給を心がければOKだと思います。

特に寝室で、加湿器を使用する方も多いようですが、上の露点温度の表の通り、あまり湿度が高くなると露点温度も高くなり、益々結露が発生しやすくなります。

就寝中の喉の乾燥が気になる方は、マスクが有効で風邪の予防にもなります。

私は、どうしても口呼吸してしまうので、喉がガラガラになりますが、枕元に水を置いて喉が渇いた時は飲んでいます。

加えて、就寝中でも、呼吸や汗によって、1人1時間当たり50グラム前後の水蒸気を発生させるということも頭にいれなければなりません。

※ 起きているときは1人1時間あたり約100gの水蒸気を発生していると言われています。

特にサッシの枠やガラスの性能が低かったり、暖房を消すと室温が朝方に10℃以下に低下するような住まいの場合、就寝時の室温が18℃・50%でも、朝方には窓に結露がどうしても発生しています。

窓のカーテンは、熱損失を少なくするためには有効ですが、カーテンと窓の間の空気が冷えた状態で滞留し、カーテンの生地をすり抜けて、室内の水蒸気が侵入することで、益々結露が発生しやすくなりますので、結露しやすいお宅では、カーテンもある程度の隙間を開けてみて下さい。

寝室に限らず、リビングなどでも、夜は結露がないのに朝になって結露する方も多いと思いますが、暖房を消して室温が低下することによって、必然的に露点温度も低くなるために起きる現象です。

例えば20℃・60%の露点温度は12.3℃ですが、夜間に15℃に室温が低下すると換気が不十分な住宅の場合、湿度は80%以上になります。

そうすると露点温度は11.6℃となり、結露が発生しやすくなってしまいます。

特に寝室の場合は、人の発生する水蒸気によって湿度はもっと上がるので益々露点温度があがり結露しやすくなるという訳です。

つまり、結露を防ぐには、夜暖房を消しても、早朝でも15℃以下にならないような断熱性能の家にするか、家中の室温が、常時15℃以下にならないように、暖房するしかないのです。

水蒸気の粒子は目に見えませんが、寒い所へ移動する性質があり、一番結露が顕著に表れるのが、窓ガラスやサッシの枠となり、家中の窓が結露だらけという新築の家も少なくありません。

結露対策は、簡単なようで実は難しいのですが、

〇 出来るだけ室温と湿度を抑える。18℃~20℃・40%~50%
〇 家の中の温度差を最低でも5℃以内にする。
〇 ファンヒーターなど水蒸気の発生する暖房は使わない。
〇 家干しも含め、出来るだけ水蒸気を発生させない。
〇 家干しの場合は、換気や除湿をしっかり行う。
〇 水蒸気が滞留する空気の淀みをつくらないように換気する。
〇 室内の湿度が60%を越さない様に心がける

というのが、基本となりますが、既存の住宅ではなかなか対応が難しいのも現実です。

ホームセンターなどでは、様々な結露対策グッズが売られておりますが、窓ガラスにフイルムをはったり、スプレーやワックスを塗ることで、窓の結露は多少防げますが、室内の水蒸気は、押入れやクローゼット・寒い部屋の壁などに移動してしまいます。

そうした箇所では、知らないうちに結露が発生してしまい、室内のホコリが付着し、カビの温床になってしまうのでやっかいなのです。(窓の結露は目立ちますが壁の結露はわかりにくい)

漆喰や珪藻土などには、普通、カビは生えにくいのですが、断熱性能の低い住宅では、室内の水蒸気を吸湿し、条件によっては結露も発生しますので、室内に浮遊するハウスダストが付着して、カビが生えるケースがあるのでご注意ください。(表面におうとつのある仕上げには特に注意してください)

さらに、断熱性能が低い住宅では、表面結露にくわえ、壁の中や小屋裏・床下などでも、内部結露を発生している可能性が高く、カビばかりでなく、腐朽菌によって家を腐らせ、蟻害の危険性も高まり、住宅の耐震性や耐久性にも大きく影響を及ばしてしまうのです。

まだまだ、建築業界でもたかが結露という考え方が多いのですが、結露は言ってみれば体内に潜むがん細胞みたいなもので、住む人と家そのものの健康を徐々に脅かす、家の一番の病気だということを理解しなければならないのです。
















IAQ(室内空気質)の向上こそが真のバリアフリー

  • IAQ(室内空気質)の向上こそが真のバリアフリー
IAQ(Indoor Air Quality)とは、健康に影響を及ぼす可能性のある環境因子を含めた建物内の空気の質のことを指している略語です。

このIAQを高めるために、必要な要素が温度・湿度・換気・気流となります。

一般的に、バリアフリー住宅とは、住宅内の段差を無くすことによって、高齢者や身障者の方々が、日常の生活に支障なく暮らせるよう配慮した住宅のことをいいますが、単に室内の段差を無くし、廊下や出入口の幅を広くし、手すりなどを設ければバリアフリー住宅と言えるのでしょうか。

もちろん、段差にも配慮は必要ですが、段差以上に怖いのが部屋間の温度差や湿気や結露であり、それらによって繁殖するカビやダニ、その他の化学物質や汚染物質で蔓延する室内の空気です。

部屋間の温度差もなく、湿度のコントロールが出来て、きれいな空気に満たされた室内環境の中で暮らすことによって、アレルギー・風邪やインフルエンザ・ヒートショックを防ぎ、健康で長生きできるのです。

またこうした環境であれば、将来万が一介護を余儀なくされた場合、介護を受ける側の方にとっても、介護する側の方にとっても、介護に適した環境となり、介護で生じる様々な負担やストレスをも軽減してくれるのです。

段差のないバリアフリーに加え、温度・湿度・空気の清浄や換気によって、室内空気質のバリアのない住まいが、真のバリアフリ―住宅といえるのです。

IAQの良質な真のバリアフリー住宅がご家族とご自身の健康と大事な命を守るのです。

そして、ソーラーサーキットの家こそが、IAQのファイブスターということをご理解いただければ幸いです。

自動車の燃費表示が変わる

  • 自動車の燃費表示が変わる
自動車の燃費表示に疑問を持っていた方も多いと思いますが、もともと日本の燃費表示は、日本独自の燃費表示基準で、カタログに載っている燃費は、「一定の速度(60km/h)で平地走行したした燃費を表示していました。

それでは、市街地を走ると燃費消費が大きくなり、実態とかけ離れているとの声が大きくなってきたことから、2018年10月より、「WLTPモード」という国際基準の表示が義務化となりました。

「WLTP方式」は、国連で取りまとめられている国際基準で、燃費値を「低速」~「超高速」の4段階の速度域に分けて計測し表示していますが、日本では、超高速を除く3段階となるようです。

「市街地」「郊外」「高速道路」などの走行条件に合わせて表示されるため、より実態に即した燃費表示となります。

つまり、市街地走行では○km/L、郊外では○km/L、高速道路では○km/Lそして、平均値は○km/Lというような形で表示されるようになります。

いずれにしても、こうした基準は消費者にとって非常にわかりやすくありがたいことだと思います。

住宅の燃費もこのような基準が出来ると嬉しいのですが、抵抗勢力があまりに大きく変わらないのが現実です。

住宅の場合は、CMやカタログの言葉を鵜呑みにすることなく、正しい知識と確かな目を養い、間違いのない選択をしなければならないのです。

ZAH(ザッチ)ーゼロ・アレルギー・ハウスーの商標登録

  • ZAH(ザッチ)ーゼロ・アレルギー・ハウスーの商標登録
環境の時代となり、国が推進するZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)という住宅の在り方は、大分浸透してきました。

しかしながら、省エネ設備や創エネ設備に頼った住宅だけで、良質な住環境を実現するのは難しいのも現実です。

弊社では、ZEHとともに、人の健康との両立を図るべく、ゼロ・アレルギー・ハウスを目指した家づくりに取り組んでおります。

そして、ゼロ・4アレルギー・ハウスの正しい理解と普及を図るために、この度、特許庁にZAH(ザッチ)の商標登録を申請し受理されました。



ZAH(ザッチ)とは、ゼロ・アレルギー・ハウスのそれぞれの頭文字をつなげた略語となります。

喘息やアトピー・花粉症やシックハウス・化学物質過敏症の患者が急増し、今や国民の3人に1人がなんらかのアレルギーをもっているといわれており、家の中の空気環境を改善することが、病を予防、改善し、医療費の削減を可能にします。

世の中には、まだまだ高気密・高断熱や計画換気を否定し、さも無垢や自然素材・自然換気で健康に暮らせるという時代遅れの造り手も多いのですが、素材もさることながら、断熱や遮熱・通気や換気の性能にくわえ、冷暖房も含めた正しい暮らし方も重要で、これらのバランスのとれた住まいが、本当の意味での省エネ・健康住宅ではないでしょうか。

多くのユーザーの方々に、ZAHの正しい理解が広がるように、取り組んで参りますのでご協力のほどお願い申し上げます。