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耐震診断のすすめ

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査によると、耐震診断を実施した、新耐震以降(1981年~2000年)建てられた多くの木造住宅が現行の耐震基準を満たしておらず、大地震(6強~7)の地震で84%の建物が倒壊の危険性があるとして、耐震化の必要性を訴えています。

※ 昭和55年以前の建物では、実に98%が倒壊の危険性があるという調査結果です。



日本の建築基準法は1981年と2000年に耐震基準の改正が実施され、1981年以降の建物を新耐震の建物とし、比較的耐震性が高いとしておりましたが、熊本地震では、新耐震の建物であっても多くの建物が倒壊しました。

一方、私達が経験した東日本大震災では、津波被害による倒壊が多く、地震の揺れによる倒壊は、そのほとんどが旧耐震(56年以前)の建物で、新耐震で建てられた建物で被害の大きかった建物の多くは、結露や蟻害による構造の腐朽が進んでいたものや液状化や軟弱な地盤の補強が不十分だったことが大きな原因でした。

しかし、考えなければならないのは、M9のマグニチュードにもかかわらず、地震の揺れによる被害が比較的少なかったのは、地震によって伝わる地震波の揺れの周期が、建物に甚大な被害をもたらす「キラーパルス」(1秒から2秒の短周期地震動)が阪神大震災の2割から5割にとどまったのが大きな要因というのが、地震研究者の方々から報告されています。



※ 熊本地震では、震源地の半径20キロ圏で、キラーパルスが多く発生したと言われています。

要するに、単純に震度6強とか7であるとか、マグニチュードの大きさや加速度を表すガルの数値だけでは、建物に与える被害の程度は図れないというのが現実なのです。

いずれにしても、あの震災で被害がなかったから大丈夫だというのは、少々、安易な考えであり、少なからず地震によるダメージもあることから、ご自身の住まいの耐震性を今一度見直すことも必要です。

国も既存住宅の耐震化を積極的に推進しており、耐震診断の費用や耐震化の工事についても、補助金の交付も受けられますので、まずは、早めの耐震診断をお薦めいたします。

そして、これから新築を予定しているお客様は、耐震性の強化は当然必要ですが、その耐震性が長期にわたり発揮されるか否か、劣化対策がどのようになされているかをしっかり見極めた上での検討が重要ということをご理解いただければ幸いです。


外断熱の家のデメリットは?

ソーラーサーキットの家にデメリットはないのですか?というご質問をたまに頂戴します。

世の中に流通する商品やサービスには、必ずメリットとデメリットがあり、売る側の立場からすればデメリットは出来るだけ伏せて、メリットを強調するのが一般的です。

それでもあえて言わせていただければ、ソーラーサーキットの家にはデメリットというデメリットはありませんという答えになってしまうのが正直なところです。

もちろん、そんな答えで納得していただけるお客様はいないので、いつもお答えしているのは、目に見えない気密や・断熱・換気にくわえ、通気性を確保する工事や外断熱のメリットを最大限生かすための工事費用がかかるために、当初の建築コストはやや割高に感じるということです。

なぜ費用がかかるのか詳しく知りたい方は外断熱は高い?の記事をご覧ください。

そしてもう一つは、家を建てただけで快適に過ごせるといわけではないということです。

外断熱の性能を100%生かし、最高の住み心地を得るには、家の仕組みや快適さの理由を正しく理解し、それぞれの家庭にあった暮らし方の工夫も必要になるということです。

こんな話をすると面倒とおっしゃる方も少なからずおりますが、こういう方は残念ながら、どこのハウスメーカーで、いくらお金をかけたとしても、本当にいい家にはめぐり合う事は難しく、将来後悔する可能性が高いと思います。

「いつまでも強く・いつまでも快適に」

住む人と建物の健康をいつまでも守り、50年後も価値ある住まいを実現するのが、外断熱の家ですが、これは住まい手としての正しい理解なくしてその実現はありません。

そして、最高の住み心地を得るには、それぞれのライフスタイルに合った工夫も必要となるのです。

大事な部分を、知らないまま・知らされないままに家を建てたばかりに、後々後悔を余儀なくされるのが、住宅であり、やり直しや住み替えが簡単に出来ないのが住宅の怖いところです。

それが故に、このブログを通して、空気や温熱を中心に、その重要性について、様々な問題を投げかけ、地元のお客様がどこのメーカーで建てるにしても、後悔しない様に、情報を発信し続けているということをご理解いただきたいと思います。

毎回、難しい話ばかりで、大変恐縮ではございますが、数多くの皆様に、「本当に参考になる話で毎回楽しみにしています。」といったような激励のお言葉を大分頂戴しており、そうした声を励みに投稿させていただいる次第でございます。

これからもどうぞお付き合い下さいます様よろしくお願い申し上げます。

ナイチンゲール「看護覚え害」に学ぶ①

先日、ご紹介したナイチンゲールが150年以上も前に書いた著書「看護覚え書」には、私が読んでも、非常にためになる内容がビッシリ詰まっており、看護関係者のみならず全ての国民に読んでもらいたいと思うくらいの本です。

なぜなら、病気は本人はもとより、誰にでもおきることであり、子どもや伴侶・両親や友人が病気した場合の適切な看護に必要な最低限の知識は誰もが持つ必要があり、間違った知識によって、病が悪化したり、場合によっては死においやってしまうようなことは決してあってはならないと思うのです。

看護覚え書には、副題があります。

-看護であること・看護でないこと-

本には、看護の原理原則ともいえる内容が、こと細かに紹介されていますが、病院の看護師であれ、家庭で看護する者であれ、看護を構成する基本的な要素がほとんど理解されておらず間違った知識によって、看護でないことをしていると書いています。そして、病気にかからないような健康上の知識や病気から快復できるような状態に身体を整えるための看護の知識は、誰もが身につけておくべきであると説いているのです。

私が、偉大なるナイチンゲールの著書について、紹介するのは、おこがましい感もございますが、看護覚え書の中で、特に印象に残った部分を少しづつ紹介させていただきますので、よろしければお付き合い下さい。

14P 「病気につきものと思われている苦痛の原因は、必ずしもその病気によるものではない」から

病気というものを注意して見つめているとき、それが個人の家であっても公共の病院であっても、経験豊かな観察者を強くひきつけることがある。

それは、病気につきもので避けられないと一般に考えられている症状や苦痛などが、実はその病気の症状などではなく、全く別のことからくる症状ーすなわち、新鮮な空気とか陽光・暖かさ・静けさ・清潔さ・食事の規則正しさと食事の世話などのうちのどれか、または全部が欠けていることから生じる症状であることが非常に多いということである。

そしてこれは、病院看護においても家庭看護においても、まったく同様によく見られることである。

自然がつくり出し、われわれが病気と呼んでいるこの回復過程は、こういったことひとつひとつまたは、全部に対する知識の不足か、あるいは注意が足りないために妨害されてきて、その結果、痛みや苦しみやあるいは回復過程そのものの中断が起こるのである。

患者が冷え込んでいるとか、熱があるとか、ぐったりしているとか、食後に吐き気があるとか、じゅくそうができるとかするのは、大抵の場合、病気のせいではなくて看護のせいなのである。

モデルハウスに地下室がある理由

  • モデルハウスに地下室がある理由
ご存知のように、弊社のモデルハウスには、地下室を設けています。

表向きの目的は、基礎外断熱だから出来る、床下の有効活用の提案であり、これまでも約25件ほどの地下室付きの家を建てさせていただいています。

手前味噌となりますが、おそらく、一般住宅において地下室の施工実績は、宮城県ならずとも全国でもトップクラスではないかと思います。

地下室の工事は、断熱はもちろん、地盤や地下水・結露対策など、クリアしなければならない問題と施工技術の蓄積と数多くのノウハウが必要であり、全てのお客様にお薦め出来ない部分もございますが、条件さえ整えば、10畳(5坪)ほどの広さであれば、250万から300万の費用で設置が可能となります。





採用いただいたお客様の多くは、収納として活用したり、セカンドリビングやシアタールームなどに活用し、皆様に大変喜んでいただいております。

しかしながら、地下室は、床下の有効利用とは別に本来の目的があって設置しています。

一般的に、床下は、じめじめして湿気っぽいとか、カビ臭いイメージがあろうかとおもいますが、モデルハウスの床下環境は、一年を通して快適な空間となります。

こうした床下の状況をお客様にご確認いただくことで、なぜ私達の造る外断熱の家が、住む人と建物の健康をいつまでも守るのかということをご理解いただくためのスペースでもあるのです。

ソーラーサーキットの家は、基礎を外断熱にする事で、地熱の効果を生かし、さらに季節やその日の温度・湿度によってダンパーを開閉する事によって、一年を通して15℃前後(真冬)から24~25℃(真夏)の一定した温度を保つ事が可能となり、夏も冬も快適で省エネな室内環境を実現します。

そして、通気性を確保する事で、床下の結露やカビ・腐朽菌・シロアリの発生を抑え、良好な床下環境を実現する事も可能となるのです。

しかし、こればかりはいくら口でご説明しても、なかなかご理解していただくのは難しいために実際に地下室を造らせていただいているのです。

家はどこから腐れてくるでしょう?

シロアリはどこから侵入し、どこから食い荒らすでしょう?

床下が健康な家は「建物と住む人の健康」をいつまでも守ってくれるのです。

家を建てる前に是非確認したいこと。

それは床下であり小屋裏です!

冬と梅雨時期の床下を目で見て、臭いを嗅げば、その家の快適性や耐久性が解ってくるのですが、どこのハウスメーカーのモデルハウスでも、床下はまさにブラックボックスで、公開している会社はありません。

そして、ロフトはあっても、小屋裏の構造部分をオープンにしている会社はほとんどありません。

床下や小屋裏は、普段目にすることはありませんが、この隠された部分に、その会社の家に対しての考え方や職人さんも含めた造り手たちの良心がはっきり表れてくるのです。

是非、弊社のモデルハウスで、床下や小屋裏そして壁の中までご体感いただきたいと思います。






身近な洗剤から見直しましょう。

  • 身近な洗剤から見直しましょう。
現在、私達の暮らしは、化学の進歩によって、非常に便利になりましたが、その便利さは、大量の化学物質によって成り立っているのが現状です。

現代において、今や化学物質は欠かせない存在でもありますが、食品や飲料水・様々な生活用品によって、大量の化学物質を体内に取り入れ、大気や土壌・河川や海に排出しており、地球環境や人の健康に悪影響を及ぼしていると思われる物質も少なくありません。

1999年化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)が制定され、現在、462の物質が環境リスクが高いとされる第一種化学物質に指定されております。



環境省のデータブックによると、家庭から排出される有害化学物質の上位5物質の内、2位のバラジクロベンゼン(衣類の防虫剤やトイレ消臭剤)を除き、4物質が、洗濯や台所・体や頭髪・歯磨きなどの合成洗剤に含有されている合成界面活性剤です。



これらの物質は、下水処理場でも分解しきれずに、私達の海に流され海中が汚染されているのです。人体や環境にどれほどの影響を及ぼすか、正式には明らかになっておりませんが、アトピーや喘息・化学物質過敏症などのアレルギー患者の増加にくわえ、漁獲量の減少や様々な生態系の変化を鑑みると、これらの化学物質が与える影響も大きいとされ、国や研究機関によって、様々な検証が進められています。

一方、石けんは5000年の歴史がある天然の界面活性剤で、肌にもやさしく、使用後に河川や海に流されても、水中の微生物や小魚によって、全て分解され、逆に栄養分となって海を豊かにさえします。

健康や環境の関心が高まる中、使って人にやさしく・使った後も環境にやさしい石けん利用の取り組みは、徐々に広まりつつありますが、現在の国内の洗剤市場は、合成洗剤メーカー各社の大量の宣伝広告と低価格で便利さを求める消費者ニーズもあって、石鹸の3万トンに対し、合成洗剤は109万トンの販売量と大きな差になっています。

しかしこれは、健康や環境に配慮したかのようなCMによって、私達が無意識の内に使用させられている側面が大きく、便利さや安さのつけは、環境の悪化や様々な病として、確実に私達に跳ね返ってきているということも認識しなければなりません。

経済が優先される社会において、非常に難しい問題ではありますが、地球環境や家族の健康・子どもたちの未来を守るためにも、国民一人一人が真剣に考えなければならない課題でもあります。

つきましては、健康にこだわり、ゼロアレルギーをを目指す弊社としても、住まいのみならず、ご家庭で誰もが使用する洗剤といった身近なところから、見直していかねばという想いから、この度、利府のモデルハウスにて、パックスナチュロンでおなじみの太陽油脂の石鹸を素材にした商品のアンテナショップを開設する運びとなりました。

是非、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。