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自然エネルギーを活かしたソーラーサーキットの家③

ソーラーサーキットの家は、完全な外断熱と平均C値(相当隙間面積)0.46というレベルの高い気密によって、寒い冬でも省エネで快適な暮らしを実現します。

10月に入り、朝の最低気温が15℃を下回るようになったら、床下ダンパーを閉鎖し、小屋裏ファンも停止することで、室内熱を構造躯体に蓄え、寒い冬に備えます。

ソーラーサーキットの家は、構造の外側(基礎・壁・屋根)で連続した断熱・気密工事を施工する事で、熱橋(ヒートブリッジ)と隙間を防ぎ、寒さを建物の外側で遮断する事が出来るのです。

そして、従来、外気の影響を直に受けていた床下や天井裏・壁の中にいたるまで室内に近い温熱環境となり、建物腐朽の大きな原因につながる躯体内における内部結露をも防ぐのです。

また断熱ラインを構造の外側にする事で、必然的に内断熱の建物と比べ、室内側(断熱ライン内側)の容積が倍近くの大きさになります。



つまり熱容量の大きな建物となり、大きなやかんや鍋でお湯を沸かすのと同じように、熱くなるのも時間がかかる一方、一度暖まればなかなか冷めないという外断熱特有の大きなメリットが生まれるのです。

暖かい空気は上昇すると自然の力を利用したソーラーサーキットの家は、室内の熱が内部の通気層に伝わり、その通気層によって熱が構造の内側から配熱されることで、家の隅々まで暖まるのです。



前回、輻射熱の話を紹介しましたが、基礎のコンクリートや柱や梁などの木材までも、蓄熱体となって熱を蓄える事で、床・壁・天井といった壁面もあたたまり、その輻射熱によって、さほど室温を上げなくとも体感温度は高く、十分な暖かさを感じる事が出来るのです。



前回、クールビズのお話をさせていただきましたが、環境省が冬の省エネ運動の一環として勧めている「ウォームビズ」では、室内の温度設定を20℃に推奨しております。

しかし、一般的な住宅で、室温を20℃に設定しても、床や壁・窓などの表面温度が低い場合は、体感温度はどうしても低く感じるものです。



これまでの暖房といえば、空気を温めることが基本でしたが、ソーラーサーキットの家は、建物そのものを暖めることで、自然の暖かさやぬくもりを享受できる住まいとなります。

床下の温度も、真冬であっても15℃位をキープしますので、室内温度が20℃前後に保つことで、床の表面温度も18℃~20℃を常時キープすることで、床暖房がなくとも冷たさを感じることはなくなるのです。

これまで、冬の期間は、いる部屋・使う部屋を閉め切って、暖房するのが一般的でしたが、ソーラーサーキットの家では、家中のドアをオープンにしても、寒さを感じず、家中の温度差のない開放的な暮らしが可能となります。

温度差のない住まいは、住む人々の寒さによる様々なストレスを解消するとともに、病気の予防はもちろん、ヒートショックのリスクや結露やカビ・ダニの発生も抑え、健康に悪影響を及ぼす消臭剤や芳香剤・柔軟剤や防虫剤に頼らずして、健康な暮らしが送れるのです。

光熱費も上昇しており、暖房費も気になるところではありますが、120㎡程度の住宅であれば、エアコンが2台あれば家中の温度差が2~3℃以内に収まり、年間6万円~7万円の暖房費で、24時間連続運転が可能となります。



もちろん、もっと暖かくしたいという方は、それぞれのお好みの室温に設定するのもご自由ですが、省エネの観点からも考慮が必要な時代ではないでしょうか。

※ ご質問のある方は、私の質問受け付け直通アドレスまで何なりとお問合せ下さい。こんな事を聞きたいという方もご遠慮なくお申し付け下さい。(匿名可) 
k-takahashi@daitojyutaku.co.jp

自然エネルギーを活かしたソーラーサーキットの家②

「ソーラーサーキットの家」の技術は、とてもシンプルで、実に理に叶った仕組みとなります。

自然の力で、夏の爽やかさを生み出す仕組みを説明いたします。

家の基礎・壁・屋根の構造分を、断熱材で外からすっぽり覆い、遮熱性を高めるのと同時に、断熱材の外側に通気胴縁を取り付け、外壁材を施工することで、外壁の裏側に外部通気層(アウターサーキット)が出来ます。

通常、夏の日射を受けた外壁面の裏側は、40℃以上となりますが、この通気層によって、熱せられた空気は、自然の力で上昇し、軒裏や屋根の棟に取り付けられた通気口より、常時排出されますので、通気層内部の温度上昇を抑えることが出来るのです。

そして、断熱材と内壁との間にも内部通気層(インナーサーキット)が出来るのがおわかりでしょうか。

この通気層によって、床下ダンパーから、導入された空気が壁の中を通り、小屋裏から外へ排出するというものです。

床下の温度は、地熱の効果で、例え、外が35℃になっても、25℃以上にはならず、この涼しい空気が壁や小屋裏の中を流れ、小屋裏に設けた排気ファンによって、壁の中の熱気や湿気を排出してくれるので、壁の中の温度上昇を抑えてくれるのです。



通常の高断熱の家では、壁や小屋裏の中は、強い日差しと室内で発生する熱が、外からも内からも影響を受けるので、壁の中の温度は、おのずと上昇するのは、お解りいただけると思います。

夏に、外が涼しくなっても家の中が暑いのが、こうした躯体の中の熱ごもりが最大の原因となります。



普通は、この暑さを解消するために、エアコンをつけますが、あまり冷やし過ぎると、壁の中と室内の温度差によって、夏型の逆転結露により、構造の腐朽や蟻害が発生する危険性が高まりますので、十分な注意が必要なのです。



ふく射熱という言葉を耳にされたことがあると思います。

たとえばサウナのように壁や天井の温度が体温よりも高いと熱さを感じますが、このように体が直接触れなくても感じる熱を、ふく射熱といいます。

逆に、洞窟やトンネルのように周りが体温よりも低いと冷たさを感じると思いますが、これもふく射熱の1つで、冷ふく射といいます。

「ソーラーサーキットの家」では、外断熱で熱の侵入を抑えるとともに、壁の中の通気で熱や湿気を逃がしやすくすることで、壁の中の温度上昇を防ぐことで、室内も暑くなりにくく、エアコンがなくても扇風機で爽やかに暮らせるという訳です。

こうした自然の力は、爽やかだとか・それほど暑くはないという程度の控えめなものでありますが、通常の高気密・高断熱と比べると、その差は歴然で、最低でも2℃~3℃は室温は低く、実際に、エアコンをほとんど使わずに暮らしている方が多く、普通サウナのような暑さになる小屋裏でさえさほど暑さを感じないのは、こうした理由なのです。



もちろん、エアコンの涼しさが好きという方は、少ないエネルギーでエアコンの効果を発揮しますので、それぞれのご家庭に合わせてご利用いただければと思います。

クールビズ運動が、大分一般的になっていますが、28℃の温度設定では暑いという声も多く、熱中症に見舞われる方も増加しており、環境省では、見直しの検討に入っておりますが、ソーラーサーキットの家では、十分な温度設定となります。





どんなに暑がりな人でも27℃位の設定温度で十分快適で、それ以上下げると寒く感じるほどなのです。

そして、この通気層の働きは、夜間においても常時発揮され、寝ている間に自然に建物を冷ます効果が生まれ、早朝の室内温度も大分抑えられ、爽やかな朝を迎えることが出来るのです。

「違いのわかる夏」というのが、ソーラーサーキットの夏のキャッチコピーですが、エアコンの力に頼らず、夏も爽やかな高気密・高断熱の家。それがソーラーサーキットの家なのです。

※ ご質問のある方は、匿名でも構いませんので、私の質問受け付け直通アドレスまで何なりとお問合せ下さい。 k-takahashi@daitojyutaku.co.jp

自然エネルギーを活かしたソーラーサーキットの家①

ソーラーサーキットの家の基本的な考え方は、自然の力を上手に活用して、快適な住み心地をつくり出すことにあります。

現在、私達の生活は、エアコンやヒーター・床暖などの冷暖房機器や空気清浄機や除湿機・加湿器がつくり出す人工的な環境の中で、成り立っているのが現状ですが、出きるだけエネルギーの消費を抑えて、自然の風や太陽のぬくもりを感じて過ごしたいと多くの人がそんな思いを抱いているのではないでしょうか?

「ソーラーサーキットの家」は、そうした思いを形にするために、今から30年前に生まれました。

従来の省エネ住宅が、省エネと言いながらも冷暖房を使うことを、前提にしているのに対し、ソーラーサーキットの家は、出来るだけ冷暖房を使わない暮らしを目指しているところに大きな特徴があります。

エアコンを使わないってどういうこと?そんな家ができるの?というお話を頂戴しますが、なぜエアコンを使わないで済むか改めて紹介させていただきます。

そもそも“自然エネルギー”とは、どのようなものなのでしょうか。

「太陽熱」、「風」、「地熱」。ソーラーサーキットの家では、主にこの3つの自然エネルギーと、暖かい空気は上昇するという自然の作用を活用した住まいとなります。

「太陽熱」は、冬を暖かく過ごすために、「風」は、夏を爽やかに過ごすために、「地熱」は、1年を通じて、床下の温度を安定させ気持ち良く過ごすための重要な要素となります。

この3つの要素をいかに有効に活用するかが、省エネで快適で健康に暮らすための大きなポイントになります。

ソーラーサーキットのネーミングの由来は、この自然エネルギーを称して、ソーラーを指し、建物の内外に設けた二つの通気層を指してサーキットとなります。

つまり、分かりやすく言えば、自然の力を活かした空気の通り道のある家ということになります。



ソーラーサーキットの家は、1980年代から様々な研究を重ね、寒さ対策を主にした外断熱による高気密・高断熱から、日本の気候風土に合わせ、断熱性と通気性という本来相反する性能を融合させた画期的な技術によって、1988年に誕生しましたが、すでに2万5千棟を超える実績があり、多くのお客様が“自然な気持ち良さ”を日々感じながら快適に暮らしていただいております。

では「太陽熱」「風」「地熱」を有効利用したソーラーサーキットの家とは、どのような建物なのでしょうか。

ソーラーサーキットの家は、冬モードと夏モードを切り替えすることで、自然エネルギーを上手に取り込み、冷暖房の設備に頼り過ぎない暮らしを可能としています。

そこが、冬の寒さ対策だけに重点をおいた一般的な高断熱・高気密住宅と大きく異なる点です。

冬も夏もある日本では、冬に適した家と、夏に適した家の2種類が必要で、それを両立させたのが、ソーラーサーキットの家の衣替えの技術です。

現在、断熱に関してはどの住宅メーカーもそれぞれに工夫をしており、断熱材も工法も様々なものが出回っています。

しかし、高気密・高断熱の技術は、寒さの厳しい北欧で生まれ、その技術を北海道で取り入れ、普及してきた技術で、もともと“寒さを防ぐ”ことを主な目的として生まれたのです。

そして、厄介なことに、断熱性能を高めれば高めるほど、熱を逃がしにくくなるので、省エネで暖かい家ができるのですが、反対に夏の高温多湿な時期には、熱や湿気を逃がすことができなくなり、快適に暮らすには、エアコンが必須となるのです。



欧米や北海道は夏でも湿気が低いため、さほど問題にはなりませんが、日本列島はほとんどが高温多湿のため、湿気や暑さ・カビやダニの繁殖に悩まされるのが、一般的な高断熱・高気密住宅の大きなデメリットとなります。

つまり「高断熱・高気密住宅は、冬の寒さ対策を主眼にした建物であり、ソーラーサーキットの家は、閉じる技術と開く技術の組み合わせによって、四季を通じて省エネで快適な室内環境を可能にした住まいとなります。



少々、長くなりましたのでこの続きは、また明日にでもご紹介させていただきますのでよろしくお願いいたします。

ご質問のある方は、匿名でも構いませんので、私の質問受け付け直通アドレスまで何なりとお問合せ下さい。

k-takahashi@daitojyutaku.co.jp

小さな但し書きに注目



画像は、長期優良住宅の認定を受けるため、第3者の評価機関より発行される設計評価書と建設評価書の表紙です。

小さな但し書きにご注目下さい。



〇 この評価書は、時間経過による変化がないことを保証するものではありません。

つまり、長期優良住宅の認定を受け、最高等級の建物でも、将来の性能を保証するものではないということなのです。

人間の身体も老化が進むように、どんな素晴らしい建物であっても、経年による劣化は必然ですが、出来るだけ新築時の性能を保持できる建物でなければなりません。

屋根や外壁・設備機器は、劣化により修繕や交換は簡単ですが、目に見えない部分は、そう簡単に補修や交換は出来ないわけで、住み心地や省エネ性・耐震性なども含めた耐久性を左右する気密性能と断熱性能が劣化しない為の家づくりが、真の長寿命住宅には必要です。

この二つの性能が低下することで、湿気や結露によって、建物の性能や耐久性が著しく劣化するのは、これまで何度もご説明させていただいたので、ご理解いただけると思います。

しかしながら、日本の悪しき習慣により、根本的な湿気対策や結露対策は、残念ながら不十分であり、湿気や結露しても腐らないかのごとく、薬剤に頼った対策が大前提となっており、薬剤の効果が、どれほど持続するのか、健康への影響はないのかなどは、実質わからないのが実状です。

また、目に見えない気密や断熱性能の劣化の補修は、費用的にも技術的にも、現実的には困難なのです。

木材は言うまでもなく湿気や水に弱いのが最大の欠点です。



湿気に強い断熱材を後続の外側に断熱するのが、外断熱です。



壁の中も室内同様の温度を保ち、結露の心配もなく、木材は常に空気に触れた状態となります。



ソーラーサーキットの家は、完全な外断熱と二重通気によって、高い気密性と断熱性が長期にわたり保持され、構造が常に空気に触れることで、木材の耐久性も飛躍的に向上し、薬剤に頼らず、新築時の性能がいつまでも保持できる本物の長寿命住宅です。

大事なのは、設計上の数値でもなく、完成時の性能評価でもなく、将来の性能なのです。

「いつまでも強く・いつまでも快適に」

住む人と建物の健康をいつまでも守り、50年後も価値ある資産として次の世代に引き継げる理想の住まいだということをご理解いただけると幸いです。

ZEH基準を上行くHEAT20

先日、お客様からHEAT20をクリアしていますか?という問い合わせがあったので、改めて紹介させていただきます。

一般のユーザーには、まだ馴染みがうすいヒート20ですが、省エネや断熱を重視した家づくりを推進している造り手で、もしわからないという方がいれば、とても恥ずかしく、勉強不足と言えるでしょう。

断熱基準が平成25年に改正され、現在まだ、猶予期間ではありますが、3年後の32年より義務化となり、基準以下の建物は原則建てられなくなります。

しかし、この基準は平成11年に示された、次世代省エネ基準がベースになっており、長期優良住宅の断熱等級では、4という最高等級ではありますが、あくまで最低限のレベルだということを理解しなければなりません。

そして、現在、多くのハウスメーカーが盛んにPRしているZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)にしても、この基準を20%向上させた基準であり、私達はすでに20年以上前から、このZEH基準を上回る住宅をつくってきました。

つまり、最低限のレベルの断熱性能の家を最高等級として、さほどレベルの高くないZEHを、多くのハウスメーカーが、販売しているということなのです。

HEAT20とは、上記の様な、国の基準や制度とは、一線を画して、本物の省エネ住宅の望ましい姿を、民間主導で提案し、業界全体の底上げと技術革新を図るために、2009年に設立された民間の団体で、「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称です。

HEAT20は、単にUA値の基準を定めるだけでなく、「気密・断熱・遮熱・通風・採光・換気・冷暖房」など、室内環境性能の向上に影響の大きい要素を様々な角度から検討し、室温や暖房負荷といったわかりやすい指標を用いて、「望ましい姿」と「目指すべき水準」を示しております。

そして、足元の業界関係者に、省エネ住宅に適した設計や施工の技術の向上を図るための
指針の策定に大きく寄与する研究活動を実施しております。

参考までに、宮城は、主に4地域となっており、改正省エネ基準のUA値は0.75・ゼロエネ基準でも0.6ですが、HEAT20の基準では、G1グレードで0.46・G2グレードで0.34となっています。

弊社の造るソーラーサーキットの家では、すでに業界に先駆けて、HEAT20基準をクリアしており、標準仕様で0.43・ハイスペック仕様で0.34のUA値で、数多くの住宅を造らせていただいております。

そして、ソーラーサーキットの家は、完全外断熱と二重通気がもたらす輻射熱の効果と冷房負荷の軽減で、見た目の性能値は、同じでも、実際の性能値の差は歴然で、計算値を上回る省エネ性能を実現し、かつその性能が長期にわたり、保持出来る建物となります。

HEAT20について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。