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ヒートショックが多いのは日本だけ?

  • ヒートショックが多いのは日本だけ?
画像は浴室でのヒートショックによる死亡者の国際比較です。

ご覧の通り、日本だけが突出しているのが分かると思います。

これは、入浴習慣の違いもあると思いますが、日本と諸外国との一番大きな差は、家そのものの断熱性能と暖房に対しての考え方の違いにあります。

海外では、家の寒さがもたらす健康被害に対しての理解が進んでおり、断熱や暖房にかける費用と、健康を害した場合の心身的な負担と経済的な損失を比較し、前者の方がはるかに負担が少ないという認識が一般的で、セントラルヒーテイングが普及し、家の中の温度差はなく、日本のように、室内の温度差が10℃も15℃もある家はほとんどないのです。

また、欧米では、法律や条例によって、居室の最低室温などが定められていることが多く、何の制限もない日本とは、様々な面で違いがあるのです。

余談ですが、寒い家に暮らすということは、人権侵害にも通じるということで、米国の刑務所では、セントラルヒーテイングが完備されているそうです。

病気の原因の半分以上は、空気の汚れと身体の冷えが引き起こすとも言われており、どちらも結局は、家の寒さが大きく影響してくるのです。

昔から、病は気からと言われていますが、ヒートショックは気持ちだけで防ぐことは困難で、病は空気からという考え方が、定着しないかと常々感じている次第です。

断熱性能の高い家は、これまでの1室から2室分位の暖房費で、家中の温度差がない快適で健康な暮らしが可能となり、温度差がもたらす空気汚染も減少しますので、目に見えない家計への負担もグンと軽くなるのです。

また、ヒートショックだけでなく、家の寒さからくる身体の冷えによって、交感神経の乱れや免疫力も低下し、様々な病によって生じる心身や経済的な負担を考慮すれば、暖かい家に暮らすことは、贅沢でもなんでもないのです。

ヒートショックの話は、まだ若い世代の方々は、あまりピンとくる話ではないと思いますが、人間は誰しもが年齢を重ねるごとに、血管も老化が進み、寒さへの抵抗力も弱まります。

最近では、働き盛りの40代・50代の中高年世代の方々のヒートショックも急増しており、将来をリアルに考えた家造りを若い世代の方々も検討することが重要ではないでしょうか。

住まいと人の健康を脅かす逆転結露(夏型結露)

  • 住まいと人の健康を脅かす逆転結露(夏型結露)
昨今の住宅にはエアコンが必需で、一家に何台ものエアコンを設置するのがあたり前になりました。

このエアコンによって、室内と壁体内の温度差が生じ、夏場に発生する結露を逆転結露(夏型結露)といいます。

一般的に、結露といえば、冬の時期を想像しがちですが、猛暑とエアコンの普及によって、多くの建物で、目に見えない壁の中に発生しているのをご存知でしょうか。

下記の画像は、昨年日経ホームビルダーに掲載された建築中の現場で発生した逆転結露の画像です。

この現場では、建築中の雨が、構造材や構造用合板・基礎に入り込み、乾ききらない内に,
断熱と気密工事を行ってしまい、夜間に室内の温度が低下し、逆転結露が発生したのです。

※ 冬の結露は表面結露といって、文字どうり表面に結露が発生しますが、画像は気密フィルムの裏側に結露が発生しており、結露の発生する場所が、逆転することから逆転結露と呼ばれています。

このように、エアコンで冷やさなくても、自然の室温低下で、簡単に結露は発生するということを理解しなければなりません。



夏型結露のほとんどは、目に見えない床下や壁の中・天井裏で発生するために、発見は難しく,知らず知らずの内に構造躯体にダメージを及ぼし、木材の腐朽やシロアリの食害を受け、耐震性や断熱性能が低下し、住み心地はもとより、家の耐久性を著しく劣化させるので注意が必要です。

また、壁の中や小屋裏にカビが生えることで、まさしくカビに囲まれた暮らしになってしまい、汚染された空気が室内に入り込み、アレルギーの原因にもなるという認識も必要です。

業界でも、逆転結露の考え方は、両極端で、冬の結露に比べ少量だから影響が少ないとする肯定派と、たとえ少量でも、躯体内温度が高い夏場の結露は、木材の腐朽や蟻害を誘発し、耐震性や断熱性の低下に直結すると危惧する方々と大きく二つに分かれています。

しかし、逆転結露に対しての危険性を意識して、設計や現場に反映する造り手は、少数派であり、ほとんど考慮されないまま、建物が造られているのが、日本の建築業界の現状なのです。

相対湿度が高い7月から8月にかけては、必然的に壁の中の温度や湿度も高くなりがちですが、特に雨が上がり急に暑くなるケースが頻繁に訪れます。

例えば、気温30℃、湿度85パーセントの場合の露点温度は 27℃となります。つまり湿気を含んだ外気が、壁体内に侵入し、エアコンによって冷やされ、27℃以下になると、理論的には気密シートの内側で結露が発生している危険性が高くなります。

年々、猛暑が厳しくなり、熱中症対策もあり、今やエアコンの使用は避けられない時代となっておりますが、壁の中や床下で発生する結露で、カビや腐朽菌が増殖し、木材を腐らせている事はあまり知られていないのが現実です。

外断熱の家では、よほど無茶な暮らし方をしなければ、心配ありませんが、壁体内に外部からの湿気が侵入しやすく温度も上昇する内断熱の場合には十分注意が必要なことは、再三お伝えしている通りです。

しかし、今回、夏型結露を防止するための気密シートが販売されていたことを始めて知りました。

通常の気密シートは、冬期間の壁内結露を防止するために、室内の水蒸気が壁内に侵入しない様に構造の室内側に施工します。

そして、例え水蒸気が気密層を通過し、壁の中で結露が発生しても、その水蒸気は構造外部に施工する透湿シートによって、外部へ排出されるので、問題はないというのが、これまでの一般的な考え方でした。

一方、この逆転結露を防止するフイルムは、冬場に室内の水蒸気を壁の中への侵入を防止する機能に加え、夏に外部から壁体内に侵入する水蒸気を壁の中に滞留させずに、逆に室内へ透過させることで、壁体内での結露も防止するという両方の機能を併せもつ気密フイルムになります。

一瞬なるほど~と思いましたが、もともと室内の相対湿度が高い時期に、壁の中の水蒸気を室内へ入れたら、室内の湿度はどれほどの湿度になるのでしょう。

計算が、複雑なので省略しますが、よほど除湿や換気を徹底しなければ、石膏ボードや内装材にまで余分な湿気を含み、むし暑くて不快なばかりか、カビやダニが大繁殖につながるのではないでしょうか。

そして、内装材に湿気を通さないクロスやタイル・化粧パネルなどを使用していれば、その内側で水蒸気はせき止められ、内装材と気密フイルムの間に結露の危険性が高まります。

したがって、内装材も、漆喰やエコカラットのような吸湿性のある素材を推奨しているようですが、室内の湿気も吸収し、壁内部の水蒸気までキチンと吸収する魔法のような資材はあるのでか率直な疑問を抱きました。

外断熱の場合、構造の外側で、断熱材を施工し、気密工事も構造の外側ですので、湿気や熱気を含んだ外気が、構造内に入り込むことは、ほとんどないために、よほど室温を下げなければ逆転結露が発生する可能性はありません。

四季の変化が激しく、高温多湿という日本の気候条件の中で、冬も夏も結露を防ぎ、人も建物の健康を守り、省エネで快適に暮らすには、充填断熱では限界があり、様々な矛盾と弊害が生じてしまうということを業界全体で真剣に考えなければいけない時代になってきていると改めて痛感した次第です。



高気密・高断熱にするとカビ・ダニが増殖する?

ユーザーから、質問のメールがあったので紹介させていただきます。

あるハウスメーカーの営業マンから、高気密・高断熱にするとカビやダニも増えて、お子さんがアレルギーになると言われたそうで、どうなんでしょうか?という相談です。

営業マンといえども、まだこうした考えをもっている方がいるのは、信じられないのですが、それは全くの逆の話です。

ただ、名ばかりの高気密・高断熱住宅といった言わばもどきの住宅で、換気や冷暖房などのバランスが悪ければ、間違いなく結露も発生し、カビやダニも増殖するので、100%間違いとはいえないかもしれません。

カビにしても、ダニにしても、繁殖する条件は、ほぼ同じですが、悪の根源は、湿気や結露となり、繁殖を防ぐには湿気や結露対策の備わった家の性能と暮らし方が重要です。

つまり、昔の建物のように隙間だらけの住宅で、寒さ・暑さを我慢して、洗濯物は外に、布団の天日干し・窓開け換気や清掃をキチンとしない限り、どんな家であっても、結露やカビ・ダニの問題は解決しないと言うことになります。

本物の高気密・高断熱住宅では、少ないエネルギーで全館暖房が可能となりますので、開放的な間取りと暮らしを心がけることによって、家中の温度差が一定となり、結露の原因となる温度差は生じません。

また、気密性能が高く・換気のメンテナンスをキチンと行えば、24時間換気が計画どうりの換気量を発揮し、湿度もコントロールし、カビやダニの栄養源となる空気中の汚染物質や化学物質・二酸化炭素を排出し、消臭剤など使わなくても空気の綺麗な家となるのです。

あとは、普通に掃除を怠らなければ、ほぼカビやダニの繁殖によるアレルギーなどの健康被害に見舞われる可能性は、非常に低くなるのです。

問題は、中途半端な住宅の場合で、カビやダニもさることながら、その他にも様々な悪循環を引き起こし、負の連鎖を招いてしまう可能性が高く注意が必要です。

断熱性能の低い家は、〇部屋がなかなか暖まらない〇暖房費がかかる〇部屋間の温度差が大きい〇隙間風や結露に悩まされる〇室内燃焼型の暖房を使用する〇臭いや湿気がこもるなどの問題が生じてきます。

こうした家で、暮らすことで様々な悪循環が生まれます。

寒いから換気を消す。寒いから戸を閉め切って暖房する。非暖房室との温度差が大きくなる
窓やカーテン・押入れにカビが発生する。ダニも繁殖する。ダニの糞や死骸といったハウスダストが家中に蔓延する。カビとり剤や抗菌剤・消臭剤や芳香剤・防虫剤が必要となる。洗濯物が臭くなるので合成洗剤や柔軟剤を多用する。空気が汚れ喘息やアトピー・花粉症などのアレルギーが発症したり悪化する。

その他にも、寝室の寒さによってトイレが近くなり、寝不足で免疫が低下することで、風邪やインフルに感染しやすくなったり、浴室や洗面・トイレなどとの温度差によるヒートショックなどの危険性も高まるのです。

そして、構造内部にも結露が発生し、カビのみならず腐朽菌や蟻害により、家の耐久性が低下し、将来の資産価値が下がり、売るに売れない・貸すに貸せない負動産となり、空き家が増え続けてしまうのです。

現代のシックハウスは、建材や家具のVOC(揮発性有機化合物)よりも、カビや細菌によるMVOC(微生物由来の揮発性有機化合物)や消臭剤や柔軟剤・防虫剤などの生活用品に含まれる化学物質の原因の方が多いとも言われ、症状が進むと化学物質過敏症や電磁波過敏症などのいわゆる環境病も誘発されるとの危険性も指摘されています。

特に、免疫機能が発達していない乳幼児は、大人と比べ、体重比で約1.5倍も、呼吸により空気を取り込む量が多く、目線も低いために、床面近くに浮遊する様々な汚染物質の影響を受けやすいとも言われています。

全ての悪の根源は結露でもありますが、その元となる原因は寒い家がもたらす温度差とも言えるのです。

私は、これまで3軒の家を建てましたが、2軒目までは、気密や断熱はほどほどでというある意味、建築屋として恥ずかしい考えを持っており、外観や内装・設備といった見かけを重視した家を造ってしまい大失敗しました。

このほどほどだとか、そこそこでいいというのが、実にくせもので、実際、気密・断熱・換気・冷暖房が中途半端な家に暮らすと、いくら外観や内装・設備を吟味して家を造っても、後々、必ず様々な不具合が生じ、大きな不満やストレスを招き、大事な子どもまでもアレルギーっ子にしてしまうということを私は身を持って体験しているのです。

それが故に、しつこい位に温熱と空気環境の重要性について日々、発信しているということをご理解いただければ幸いです。

そこそことかほどほどにしていいのは、後からでも変えられる設備や内装・外装であり、この大事な部分を疎かにしてしまうと、将来間違いなく後悔する家となってしまうのです。

家は見かけも大事ですが、一番大事なのは快適な住み心地であり、家族の健康をいつまでも守ることだと思います。

どちらのメーカーで建てるにしても、気密・断熱・換気・冷暖房のバランスが取れた本物の高性能住宅を建てることが重要となりますのでよろしくお願いいたします。

そして、お客様自身も、これまでの家に対しての考え方や暮らしそのものも変えなければならず、省エネで快適で健康な家にするための正しい暮らし方も必要だということをご理解いただければ幸いです。





宮城黒松利府シニア40周年記念祝賀会

  • 宮城黒松利府シニア40周年記念祝賀会
先週の土曜日に、東北のリトルリーグを牽引する強豪チーム「宮城黒松利府リトルシニア」の40周年の祝賀会に、ご招待をいただき出席して参りました。

祝賀会では、国会や県会の議員さん初め、多くの来賓の皆さんも出席し、盛大なパーテイーでしたが、30年ぶりに会う育英応援団の同級生や先輩方、ジャイアンツに行った仙商の荻原君やライオンズの小石澤君・東北高のエース北田君・そしてまつトミのトミちゃんとも素敵な時間を共有いたしました。





祝賀会を主催し、トミちゃんとともに司会を務めたのは、黒松利府シニアの副会長でもあり、リトル界では、知らない人はいないという鈴木正浩君でしたが、彼もまた育英ラグビー部出身の同級生です。



彼から、締めの激励エールをとのリクエストがあり、一瞬その気になって、応援団の同級生に相談しましたが、クロマツリフは、6文字だから、エールを切るのも合わせるのも難しいのではということで断念しました(笑)

何はともあれ、黒松利府シニアの関係者の皆様、40周年誠におめでとうございました。50周年に向け益々のご発展と日本一目指してこれからも頑張って下さい。心よりご祈念申し上げます。

食物アレルギーの本を読んで

  • 食物アレルギーの本を読んで
ゼロ・アレルギーを叶えるためには、室内の空気環境や温熱環境に加え、日々の食事ではないでしょうか。

特に腸内の免疫機能が未発達の乳幼児に与える食物には十分な注意が必要で、家内が、子育て中に読んでいた多賀城のかくたクリニックの角田先生の本を読んでみました。

アレルギーに関しては、ある程度の知識はあると思ってましたが、初めて知る内容も随分ありました。

猫アレルギーが、安価なキャットフードが起因するケースも多いというのにはビックリ!

子どもが、病気になるのは、親の与える食事や環境が大きく起因するとよく言われますが、改めてその重要さを痛感しました。

子育てがとうの昔に終わった私が、今さら言うのはおかしな話かもしれませんが、若い頃は、アレルギーのことなどは、ほとんど関心がなく、平気でタバコを吸ったり、お菓子を買い与えたり、マックに誘ったりしてよく妻に怒られていました。

家内は、油やソース・マヨネーズや石鹸にいたるまで、アレルギーっ子だった娘達のために、用意していたのですが、私はどうも苦手で、俺は、病気になってもいいから、ブルドックソースやキューピーマヨネーズにしてくれ~とそちらを食べていました(笑)

健康にいい・安全だと思い、良かれと思い与えていても、実はそうではないものが、食品に限らずこの世には溢れています。

食品添加物や農薬・肥料・家畜のエサにいたるまで、無数の化学物質が食品中にも含まれており、健全な成長に大きな影響を及ぼすような食品は、出来るだけ与えないに越したことはなく、親として最低限の知識は必要だということが、この年になってようやくわかるようになりました。

食物アレルギーは多数ありますが、卵・牛乳・小麦がアレルギーの60%を占めています。

なぜ、一般的には健康に良いとされる卵や牛乳にアレルギーが多いのかを考えたことはありますでしょうか。

アレルギー疾患は、発症するとなかなか完治するのが、難しい病気で、次々とアレルギーが連鎖するアレルギーマーチに見舞われる子どもも多く、医療ジプシーが一番多い病でもあります。

そして、最近では乳幼児ばかりでなく、小・中・高校生になってから発症したり、大人になってからも発症するケースも多く、これまで大丈夫だった食物でも、突然発症するのが食物アレルギーです。

日本で認可されている食品添加物は1300種類以上といわれ、世界で、遺伝子組み換え作物を一番輸入いるのもこの日本です。

普通、どこのご家庭でも、納豆や豆腐は遺伝子組み換えではないという表示のある国産大豆を使用した物を食べていると思いますが、加工食品やお菓子・調味料には、原料の上位5物質かつ5%以内であれば遺伝子組み換えの表示は必要なく、知らず知らずのうちに大量のGM食物を口に入れているのが実状です。

添加物にしても、GM作物にしても、全てをゼロにするというのは到底無理な話で、あまり神経質になってもしようがない部分もありますが、中にはかなり危ないとされる物も多く、間違った知識や情報によって、子どもを病気にするのは避けなければなりません。

若い頃の反省も含めアップしておりますので、子育て中のお父さん・お母さん、参考にしていただければ幸いです。

卵アレルギーの子に、卵料理を食べた後にチューしただけでも症状が出るケースも多いそうですので、くれぐれもご注意ください。



※ 画像は、5.6年前にアレルギー検査を受けた時の画像ですが、私も立派なアレルギー持ちで、ダニ・ハウスダストとエビ・カニに陽性反応が出ており、最近ではどうもピーナッツもダメになったような気がします。皆さんにも、是非アレルギー検査をお薦めいたします。