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外から侵入する湿気(水蒸気)は、換気と隙間

それでは、今日は外から入る水蒸気についてご説明したいと思います。

例によって、小難しい話で恐縮ですが、とても重要なのでお付き合い下さい。

窓開け換気であれ、換気システムであれ、外からの湿気の侵入の多くは、換気によって外の空気を導入することで、室内に入ってきます。

※ 弊社で採用している一種換気の全熱式タイプは、湿度も多少交換する機能が働きます。

ここで、ご理解いただきたいのが、換気時に導入する屋外の絶対湿度(水蒸気量)が室内の絶対湿度(水蒸気量)より、多い場合は、室内の湿度は上がり、屋外の絶対湿度の方が少なければ室内の相対湿度は下がるということです。

※ 空気中に含まれる水蒸気の量そのものを絶対湿度といいます。私達が通常湿度と呼んでいるのが、その温度の含むことの出来る水蒸気の量に対して、どの位の水蒸気量が含まれているかの割合を%で表した数値です。

例えば、室内が28℃で60%だったとすると、室内空気1立米の中には約16.3グラムの水蒸気を含んでいることになります。

※ 60%が相対湿度で16.3グラムが絶対湿度ということです。

その室内の温湿度の時に、外が22℃で70%の空気だったとすれば、外は相対湿度は上がっていますが、13.5グラムの水蒸気を含んだ乾いた空気となり、この乾いた空気を換気によって、室内に取り込み、室内の空気を外に排出することで、室内の絶対湿度も相対湿度も下がり、50%位まで下がるのです。

反対に、外が33℃で50%であれば、相対湿度は低く感じますが、絶対湿度は17.8グラムとなり、実際は湿った空気となります。

この空気を換気によって取り込むと、室内の相対湿度も絶対湿度も上昇していくのです。(室内が28℃で65%・27℃で69%・26℃で73%・25℃で77%に近づいていく)

※ こうした話をするとそれでは換気をとめればいいのでは?という方がたまにいらっしゃいますが、換気を止めると、昨日の話ではありませんが、室内で発生する大量の水蒸気が排出できずに、さらに湿度が高い状況になります。

この温度による相対湿度と絶対湿度の違いを理解すると、窓を開けていいのか、逆効果なのか、どの程度の除湿が必要なのかなど、ある程度わかるようになりますので、頭に入れておいてください。

そして、もう一つ考えなければならないのが、家の隙間から室内に侵入する湿気の流入があります。

隙間による湿気の流入は、意図せずに入ってくるので非常に厄介な存在でもあります。

水蒸気は、外の気温や絶対湿度が低い冬場には、室内から外に向かって移動するのですが、今の時期の隙間からの湿気の流入は、外の水蒸気量よりも室内の水蒸気量が少ない場合が多く、逆に隙間をすり抜け室内側に侵入してくるのです。

前段、室内が28℃で60%の場合は、約16.3グラムの水蒸気を含んでいると言いましたが、外が30℃で80%であれば、一気に絶対湿度は上がり、24.3グラムの水蒸気を含んでいるじめじめした空気になるのです。

水蒸気の移動は、熱同様、高い所から低い所へ移動することは、何回か紹介したと思います。

このように、絶対湿度の量の差が、大きければ大きいほど水蒸気分圧という力がはたらき、外の湿気が、床下や壁の中・小屋裏・サッシ等の隙間を通過し、どんどん室内に侵入してきてしまうのです。


※ アイシネンHPの画像より

この作用は、水蒸気分圧という平衡化のはたらきによるもので、外の水蒸気と室内の水蒸気量が同じになろうとして家の隙間から室内に侵入してくるのです。

室内の水蒸気量が、外と同じ24.3グラムになれば、水蒸気の動きは止まるのですが、そうなると、室内の湿度は90%以上になり、換気だけではなく、当然除湿も必要になり、除するようになるのですが、除湿すればするほど、室内へ湿気は侵入し続け、長雨の続いた昨年の夏の様に、日々、カビに悩まされ続けてしまうというわけです。

寒い冬に、家の中に温度差があると、いつのまにか寒い部屋の窓や北側の押入れの壁に結露するのは、水蒸気は温度と絶対湿度が低く、寒い箇所へ移動し、平衡化しようとする動きによるもので、温度が低いと含むことの出来る水蒸気の量が少ないので、含みきれなくなった水蒸気が結露となって水に変わるからです。

表面結露も内部結露も、家の温度差がもたらす自然現象で、温度差の少ない家と暮らし方をいつもお伝えしているのは、単に快適だとかヒートショックを防ぐだけではなく、湿気や結露対策にとっても非常に重要で、家の温度差をなくさない限り、湿気や結露の解消は困難なのです。

そして、こうした意図しない水蒸気の侵入を抑えるためにも、家の気密と断熱が非常に大事だということです。

これまで、説明したのは、内断熱(充填)で、気密性能が低い家の場合の話です。

逆に気密・断熱性能が高い家の場合には、外部から侵入しようとする水蒸気は、室内側に設けられた防湿・気密フイルムによって、せき止められてしまい、床下や壁の中・小屋裏で内部結露する危険性が高まるということです。

内部結露の怖さについては、いつも紹介しているので省略しますが、この時期の内部結露は、壁の中も高温になっており、冬場の結露以上に深刻な問題が発生するということをご理解いただきたいと思います。

少々の結露は、乾くので問題はないとする建築業者もいまだに多いのですが、水蒸気は常に量が少ない方へ移動する力がはたらくために、この時期は、外部へ排出されずに徐々に断熱材や木材に水分が吸収され、断熱性はもとより耐震性も低下していくのです。

結果、結露してもカビたり腐れたり、シロアリにやられないように、大量の防腐・防カビ・防蟻薬剤を木材や断熱材に注入を前提とした劣化対策が現在の国の基準でもあるのですが、点検もしようがなく、いつまで効果が持続するのか、多くの薬剤の健康被害はどうなのかは、誰もわからないのが、現実なのです。

つまり、内断熱(充填断熱)の場合は、性能が悪ければ湿気が室内に浸入し、性能が良ければ壁体内でせき止められ、内分結露してしまうわけで、どちらにしても問題が発生してしまう危険性が高くなってしまうのです。

そうした危険性を回避し、夏場の内部結露を防止するために、性能の高い、高気密・高断熱住宅の気密フイルムとして、冬の防湿性と夏の透湿性を兼ね備えた防湿・透湿シートが、資材メーカー各社から、続々発売されているのですが、効果や耐久性を考えても、いささか無理があるというのが私の考えです。

オイルショック以降、長年続くこうした家づくりを転換するのは、難しい側面もあるのですが、外断熱にすればこうした問題は、一気に解決すると思うのですが、ここら辺が住宅業界に限らず、これまでも続くこの国の悪しき習慣とも言えるのではないでしょうか。

http://daitojyutaku.co.jp/log/?l=455526

こうした水蒸気の話をしても、真剣に耳を傾けていただける方は、一般のユーザーはもとより、業界でもまだまだ少数で、たかが湿気と無関心な方がほとんどです。

しかしながら、湿気は、建物の耐久性ばかりでなく、日々の生活や人の健康にも大きな影響を及ぼしてしまうということは、これまでのこの国の住宅の歴史を振り返っても間違いないことで、家づくりのあり方を根本から見直さない限り、この湿気を解消するのは、困難であり、矛盾だらけの湿気や結露対策を図れば図るほど、弊害も大きく、永遠に続いてしまうということを私のブログをご覧いただいている方には、ご理解いただきたいと思います。

弊社が、長年にわたり、温度差のない暮らしと綺麗な空気にこだわり、外断熱の家づくりに取り組んでいるのは、「いつまでも強く・いつまでも快適に」住む人と建物の健康をいつまでも守り、50年後も次の世代に引き継げる価値ある住まいを実現するためです。

そして、この湿気という水蒸気がもたらす問題の解消なくして、こうした住まいの実現は、困難で、その重要性を多くの方々にお伝えし、この国の家のつくりを変えていくべく、このブログを書かせていただいているということをご理解いただければ幸いです。





家の湿気(水蒸気)対策にも換気が大事

今日は湿度と換気の関係について紹介させていただきます。

最近、水蒸気の話が多いですねとお客様から言われましたが、湿気(水蒸気)は、人の健康においても、建物の耐久性においても、とても重要な要素となりますので、たかが湿気と思わず聞いていただければ幸いです。

高雨多湿のこの国では、大昔から、暮らしにおいても、住まいにおいても、湿気を解消するために、様々な知恵と工夫を凝らし、湿気との戦いを強いられてきました。

化学の発達した現代でも、湿気対策は続いており、空調機器や調湿建材・家庭用品や薬剤など様々な商品が開発されていますが、未だにあちらを立てればこちらが立たずで、根本的には、解消できずにいるのが現状ではないでしょうか。

しかも、家の防露性に関しては、無防備で相変わらず中途半端なままで、造り手はもとより、消費者の湿気に対する理解不足も否めず、益々、湿気による健康被害や建物劣化が増え続けていると言っても過言ではありません。

昨日、トリコスポロンによる夏型過敏性肺炎増加の話を紹介しましたが、喘息やアトピー・アレルギー性鼻炎などの症状が悪化するのも、シックハウスの症状が出やすいのも、この季節で、結局、その大きな要因は、湿気が及ぼす空気の汚れだということをご理解いただきたいと思います。

室内の湿気(水蒸気)は、生活によって発生する水蒸気と外から入ってくる水蒸気によって、構成されるのは、お解りいただけると思います。

人は、呼吸や汗によっても、1時間に起きてる場合は、約100グラム・寝ている間でも50グラムの水蒸気を発していると言われています。(夏は発汗もあるのでより多くなる。)

その他にも、炊事や洗濯・入浴やトイレ・洗面などによって、大量の水蒸気が発生しており、4人家族で1日約10リットルもの水蒸気が発生すると言われています。

※ 家干しの際の水蒸気は含まれていませんが、家の中で5Kの洗濯物を干すと約3リットルの水蒸気が発生します。また冬期間にファンヒーターを使用すると、燃焼した分の水蒸気も発生します。



こうした生活で発生する水蒸気は、常時換気し、外部へ排出すれば、室内の湿度は、さほど上昇しませんが、換気が不十分だと、湿度が上昇するばかりか、室内の内装材や家具・寝具・洋服など湿気を吸収する全ての物に、その水蒸気は吸収され、物質に含まれる含湿量が増えると、今度は有機物の分解や臭い成分の揮発が進み、臭いが気になり不快なばかりか、細菌やカビ・ダニなどの繁殖や虫の侵入や大量発生にも繋がってしまうのです。

特に、室温・湿度とも、高くなるこの時期は、熱と湿気で汚染物質が揮発しやすく、様々な物質の酸化や化学反応により、一年で一番室内の空気が汚れているという認識も必要で、家の中がむっと感じるのはこうした理由なのです。



この時期に、室内の湿度が、常時80%を超えて、湿気対策にあれこれ頭を悩んでいる方も多いのですが、家の高湿度は、絶対的な換気不足が大きな要因であり、除湿機や乾燥機・エアコンだけでは、なかなか解消できないということをご理解いただきたいと思います。

また、面倒な数字を上げてしまいますが、28℃の場合には、空気1立米あたり約27グラムの水蒸気を含むことができます。

120㎡(36.5坪)の家の気積は、家全体で約300立米となり、300×27=8100グラムの水蒸気を含むことが出来るのです。

仮に、湿度70%だとすれば、8100×0.7=5670グラムの水蒸気量を含んでいる計算となり、これに、生活で発生する水蒸気10リットル(10,000グラム)が加わるということなのです。

この10リットルという大量の水蒸気は、速やかに外部へ排出しなければ、家の中は大変なことになるのがお分かりいただけると思います。


<換気システムのない住宅の場合の換気回数>

しかしながら、日中も不在がちで、おちおち窓も開けれない中、適切に換気されていないご家庭も少なくないのです。

しかも、24時間換気が設置されていても、冬の延長で消していたり、つけてても気密性能が低い場合やフィルターのメンテが悪いために、下のグラフのように2時間に1回という基準の換気回数を満たしている住宅は、驚くほど少ないのが現実です。


<換気システムが備わっている住宅の換気回数>





生活で発生する水蒸気は、除湿よりも、まずは換気で排出するのが基本で、その次に状況に応じた除湿だということをご理解いただきたいと思います。

外から入ってくる湿気については、明日また紹介させていただきます。





夏型肺炎はトリコスポロンが犯人

  • 夏型肺炎はトリコスポロンが犯人
日本人の死因の3番目に多い肺炎ですが、近年、6月~9月にかけて、夏型過敏性肺炎の患者が増加しているそうです。

症状は、夏風邪に似ているのですが、風邪ではなく、トリコスポロンというカビの真菌を吸い込むことで発症するアレルギー性の肺炎です。

トリコスポロンは、色が白や黄色で目立たないので、知らず知らずの内に吸い込んでしまう厄介なカビで、風邪薬をのんでも安静にしても、なかなか治らないそうです。

秋になり、カビの繁殖が少なくなると、症状が治まる方も多いようですが、カビの季節になるとまた発症し、慢性化すると治療も困難になり、家を引っ越ししなければならないケースもあるようです。

家の中や床下・壁や小屋裏には、約60種類のカビが存在していると言われており、中途半端な気密化と換気不足・局所的な冷暖房や家干しなども重なり、最近のシックハウスは、MVOCという微生物由来の有機化合物が大きな要因として、問題視されるようになってきました。



そして、カビの臭いやカビの除去・発生を抑えるための、様々な生活用品との複合汚染によって、室内の空気は汚染されており、CS患者(化学物質過敏症)が、急増し大きな社会問題になりつつあります。

トリコスポロンによる過敏性肺炎は、トリコスポロンの真菌がアレルゲンですので、外や他の場所では症状が現れません。

多くは、家が発生源となりますので、ご自宅で、咳や発熱・頭痛などの症状が出て、長引くようでしたら、そのままにせず、アレルギー検査をおススメいたします。

カビの多くは、湿度が70%を超えると繁殖しはじめ、80%を超えてくると急激に増加します。

カビが繁殖するのは、温度・湿度・栄養分・酸素が必要で、何か一つでも欠けると繁殖しないと言われています。



つまり、カビを抑えるために生活で心がけるポイントは、適切に換気や除湿を行い、家中の湿度を60%台に抑えて、栄養源となるハウスダストや家の汚れを溜め込まず掃除することです。

また、カビの着床を防ぐには、空気だまりをつくらないことも大事です。クローゼットや普段使わない部屋などで、湿気がこもるような場所には、時折、扇風機などで気流を与えることで、湿度が高くても、カビの着床を大分防ぎますので参考にしていただきたいと思います。

カビが繁殖すると、今度は、喘息やアトピーなどのアレルゲンの主役となるダニが繁殖します。





アレルギー対策にとって、何より大事なのが、家の中や壁体内の湿気と結露を抑えることです。

その為にも、家の空気環境と温熱環境は重要で、気密・断熱・換気・冷暖房の4つのバランスがとれた住まいが必要なのです。

家中が綺麗な空気に満たされて、温度差と湿度差の少ない家の性能と暮らし方によって、住まいと家族の健康を守るということをご理解いただきたいと思います。






外と家の中の湿度を比べると防露(気密)性能も見えてくる

雨が続き、空気中の水蒸気の話がとてもわかりやすい環境なので、投稿させていただきます。

県内では、昨日から小雨が降り続き、多少温度は違うと思いますが、10時現在の温湿状況は、
概ね20℃前後で湿度は95%位だと思います。

この外の環境と、家の中の温湿状況を比較すると、色々なことが見えてきます。

室内の温度は、家の断熱性能や生活熱の発生具合の違いもあるので、まちまちだと思いますが、さすがによほど寒い家でなければ暖房は使っていないと思いますので、自然室温で、概ね22℃~26℃位ではないでしょうか。

室内の水蒸気は、外の水蒸気量と基本的には同じ位になりますが、室温によって含むことの出来る量が変わるので、湿度は変わってきます。



外が20℃で95%の湿度ということは、上のグラフのとおり、空気1立米に17.3gの水蒸気を含めて、95%になっているということですので、17.3g×0.95=16.43 となり、外の空気1立米中に含まれる水蒸気量は約16.5gとなります。

この16.5gという水蒸気量が、家に取り込まれているので、室内に含まれるベースとなる水蒸気量となります。

それでは、室温の違いによって、湿度がどうなるか簡単に説明します。

22℃の場合は、16.5÷19.4=85%の湿度
23℃の場合は、16.5÷20.6=80%の湿度
24℃の場合は、16.5÷21.8=75.6%の湿度
25℃の場合は、16.5÷23.1=71.4%の湿度
26℃の場合は、16.5÷24.4=63.4%の湿度

となるのですが、皆さんのお宅の室温と湿度はどうなっているでしょうか。

通常、室内の湿度が高くなるにつれて、室内の水蒸気は、床や壁・天井などの建材や家具やカーテン・ソファや洋服・寝具などあらゆるものに吸湿されるので、概ねこの湿度より5%から10%前後低いのが標準的な住まいとなります。

※ 湿度の高い状態が続くと、吸湿性は機能せず、湿度は変わらなくなってきます。

しかし、家の隙間の大きい家は、床下や壁の中・小屋裏やサッシの隙間から、湿気が入り込んでいるために、ほとんど変わらないのです。

湿気は、常に同じ量になろうとするために、水蒸気量の多い所から少ないところへ移動するはたらきを持っているので、このようになるのですが、おもしろいことに外と室内の水蒸気量が同じになると、水蒸気の移動は止まり、逆に室内の水蒸気量の方が多くなると、多い分の水蒸気は外に向かって移動するのが不思議なとこです。

話を戻しますが、実際には、このベースとなる外の水蒸気にくわえ、人の呼吸や発汗・炊事や洗濯などでも多くの水蒸気が発生しているのが、人が暮らしている住居となります。

生活で発生する水蒸気は、適切に換気されていればさほど湿度は変わらないのですが、換気を忘れていたり、つけていても機能しないと、発生した水蒸気は室内に滞留し、ベースとなる湿度を上回っている家も、少なくないのです。

特に、除湿や換気もせずに、家干しなどしていると、間違いなく高湿度の状態になっているのです。

いずれにしても、この時期、一番大事なのが換気となり、二番目は湿度調整です。

室内の湿度は、どんな室温であれ最低でも70%台前半にすることが重要です。

湿度が、75%から80%を超えるようになると、当然カビも急激に生えやすくなるのですが、さらに上昇すると、床下や壁・天井はもちろん、家の中にある全ての物に含まれる有機物や化学物質などの成分の揮発や拡散が進み益々空気が汚れ、建物にも人の健康にも大きな影響を及ぼすということをご理解下さい。

※ 洗濯であれ、塩抜きであれ、水につけると様々な成分が溶け出すのと同じで、湿気によって、加水分解の力が働くのです。

そして、換気を疎かにして、除湿器や空気清浄機・消臭剤に頼る暮らしだけは、百害あって一利なしです。

ただちに健康に影響するものではありませんが、くれぐれもご注意いただきますようお願いいたします。

クールビズが最適なのが大東外断熱の家

  • クールビズが最適なのが大東外断熱の家
環境省が推進するクールビズ運動も、10年が過ぎ、国民の認知度も90%を超えたようです。

導入時の担当課長さんが、何となく決めたというビックリポンの推奨温度が28℃ですが、28℃では暑いと感じる方が多いようで、去年から、推奨温度の引き下げが検討されていたようですが、結局見送られたようです。

28℃で、十分快適な、ソーラーサーキットの家づくりに取り組んでいる私達にとっては、引き下げられた方が、差別化につながるので、内心楽しみにしていたのですが、少しばかり残念な思いもします(笑)

人が感じる体感温度には、様々な要素が関係してきますが、一番影響するのが湿度というのはおわかりいただけると思います。



28℃でも湿度が80%を超えると、誰もが暑さを感じ不快な環境となりますが、これは、汗の蒸発(気化)が抑えられるのが一番の原因です。

そして、湿度同様に、体感温度に影響を及ぼすのが床や壁・天井などの表面の平均温度です。

まわりの表面温度が高いと、人間が発する熱を吸収することが出来ずに、逆に輻射熱を感じてしまい、どうしても体感温度は高くなります。





ビルやアスファルトに囲まれた28℃と公園や森林の中での28℃では、全く体感温度が違うのはこのせいです。

「壁面平均温度(床・壁・天井の平均温度)+室温÷2」 というのが体感温度の目安となります。

つまり、室内が28℃で、壁面の平均温度も28℃ならば、体感温度も28℃となり、湿度を50%から60%前半にキープすれは、薄着でのデスクワークであれば暑さを感じる事なく過ごせますし、暑がりの方でも、扇風機があれば十分快適です。

しかし、同じ28℃でも、床や壁・天井の温度が30℃を超えてくると、輻射熱によって、体感温度も上がり、湿度が80%を超えれば、高齢者の方は熱中症の危険を及ばずほどの暑さとなります。

エアコンに頼らずに暑い夏を快適に過ごすには、温度以上に、湿度や壁面平均温度を抑えて、汗を蒸発させるために風(扇風機やうちわ)を上手に取り入れる事がとても大事です。

壁面の表面温度が抑えられるソーラーサーキットの家は、気流を上手に取り入れると、28℃・60%の体感温度は、25℃~26℃位になりますので他の建物では得られない爽やかさが得られます。

こうした環境を、整えやすいのが、ソーラーサーキットの家で、完全な外断熱と二重通気の技術を組み合わせる事で、冬の寒さと夏の暑さにくわえ、日本独特の湿気を考え、開発された画期的な住まいです。

それでは、ソーラーサーキットの家が、なぜ28℃でも快適に過ごせるか、今一度ご紹介させていただきたいと思います。

〇 ソーラーサーキットの家は、断熱材と外壁材の間に、通気層を設け、日射によって熱せられた外壁の裏側の空気を排熱します。

※ 日射熱の影響を受けた外壁の裏側の温度は、通常40℃から時には50℃に達しますので、外部通気層により、熱気を排出しています。

〇 構造の外側で、精度の高い断熱施工と気密施工を実施、構造内への日射熱と湿気の侵入を大幅に抑制します。

※ 熱は高い所から低い所へ移動し、水蒸気も湿度ではなく絶対量が多い所から少ない所へ移動するので、冬とは移動する方向が逆転し、夏は外から室内側へと移動する力が働くので、構造の外側でしっかりブロックします。

〇 床下から壁内・小屋裏へと連続する内部通気層によって、壁内の熱気や湿気を小屋裏に設けた排気専用ファンによって、外部へ排出します。

※ 床下の地熱で冷やされた空気を壁内に取り入れることで、熱せられた空気は小屋裏から外部へ排出させることで、壁の中の温度上昇を抑制。木材の温度も一定なので、内壁の表面温度も室内と変わらず体感温度も抑えられます。

〇 断熱性能の高い玄関ドアに加え、窓の開口部にも、熱伝導率の低い樹脂製の窓枠と熱の侵入を抑えるダブルLOW-Eタイプのトリプルガラスを使用、空気層にも、アルゴンガスを注入した高性能な窓を採用しています。

※ 夏の日射熱は強烈です。室内の温度上昇を防ぐためにも、窓の性能は重要です。特に西側の日射の遮蔽を意識した暮らしを心がけて下さい。カーテンやブラインドも効果はありますが、窓の外側にシェードやすだれを設置すると、さらに効果的です。

〇 熱交換と普通換気を切り替えられる換気システムを採用し、日中は外の熱い空気を室内の温度に近づけた空気を導入し、夜間から早朝にかけては、涼しい空気をそのまま導入します。

※ 寝ている間に建物を冷まし、朝の目覚めた時の室内温度が低く抑えることで、室内の温度上昇するまで、時間がかかるためにエアコンの使用を抑えられます。

〇 換気システムに除湿ユニット「リフレア」を組み込むことで、各部屋に設置された換気の給気グリルから、40%台に除湿された空気を導入することで、家全体の湿度を50%台に保ちます。

※ 湿度50%台によって、室内干しも短時間で乾くので、いやな生乾きの臭いが残りません。

〇 全室LED照明を採用し、照明器具の発熱による室内の温度上昇を抑制します。

〇 屋根外断熱によって、屋根の構造躯体の熱橋の影響もなく、通常40℃~50℃になる小屋裏温度の上昇を抑え、小屋裏も活用できます。

※ 小屋裏の温度上昇を抑えることで、熱ごもりを解消、エアコンがなくてもぐっすり眠れます。

〇 基礎外断熱により、冷やされた地熱をそのまま床面に伝え、床面の表面温度は24℃~25℃になり、足元がひんやりしますので体感温度も低く抑えられます。

※ 床下断熱の家の床面は、室内温度と変わらず、床材の種類によっては、じめじめして不快な状態が夏の間ずっと続き、掃除を怠るとカビの発生にもつながります。

これらの機能によって、壁体内の温度も、室内の壁面の表面温度も低く、室内の温度上昇を抑え、外がよほど暑くならなければ、エアコンは必要なく、使用する場合でも28℃の温度設定でも、十分快適に過ごせるというわけです。

一般的に、高気密・高断熱の家は、冬暖かく・夏涼しいと言いますが、クーラーボックスに氷や保冷剤が必要なように、涼しさを得るにはエアコンが大前提となります。

ソーラーサーキットの家は、出来るだけエアコンに頼らず、自然の力を活かして快適に過ごせるクールビズに最適な住まいなのです。



是非、この暑い時期に、モデルハウスや宿泊体感展示場で夏の爽やかさをご体感いただきます様ご案内申し上げます。