この時期、浴室でのヒートショック事故についての注意喚起がよくなされますが、浴室だけで推定で、17,000人から20,000人の方が、ヒートショックによって、命を落とされており、交通事故死の5倍以上というから驚きです。
そして、その内5,000人もの方が、浴槽内で気を失い窒息し、溺死していると言われています。
以前日本は、断熱後進国という話を紹介しましたが、ヒートショックによる事故死が、こんなに多い国は、日本だけで、他の国々から溺死大国とも揶揄されているのです。
紹介するのは、東京都市大学の早坂教授が考案した「ヒートショック危険度チェックシート」ですが、10項目あり、該当する項目が5個以上ある人は「ヒートショック予備軍」だそうですので、チェックしてみて下さい。
①メタボ、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症、心臓・肺や気管が悪いなどと言われたことがある
②自宅の浴室に暖房設備がない
③自宅の脱衣室に暖房設備がない
④一番風呂に入ることが多いほうだ
⑤42度以上の熱い風呂が大好きだ
⑥飲酒後に入浴することがある
⑦浴槽に入る前のかけ湯をしない、または簡単にすませる
⑧シャワーやかけ湯は肩や体の中心からかける
⑨入浴前に水やお茶など水分をとらない
⑩1人暮らしである、または家族に何も言わずにお風呂に入る
対策として
〇脱衣場や浴室を暖かくする。〇熱いお湯や長湯は控える
〇食後や飲酒後の入浴は控える〇入浴前後に水分補給をする
〇かけ湯をしてから入る〇手摺を持ってゆっくり上がる
〇入浴時は家族に一声かけて入り、長い時はチェックする
というのが一般的ですが、高齢者の場合は、浴槽やイスから立ち上がる際に、力むことで血圧が上昇したり、逆に血流が低下して失神したりするケースもあります。
また滑って骨折したりするリスクも高まるので、手摺を持ってゆっくり立ち上がったり、すべり止めマットや椅子もシャワーチェアーのような高いイスにするのもいいようです。
また、肩まで暖めるために浴槽内のお湯を一杯にする高齢者の方も多いのですが、入浴中や起き上がる際に血管が拡張して、気を失ったりするとそのままお湯に顔が使ってしまい窒息してしまうのが、溺死の原因とも言われていますので、浴槽内のお湯はほどほどにしておく方が無難です。
ちなみに、私がチェックしたら7個あてはまりましたが、脱衣場や浴室には暖房がありませんが、ソーラーサーキットの脱衣場や浴室は寒くないので、⑥⑦⑧⑨あたりに気を付けたいと思います。
弊社では、高齢者の方々の建替えや住み替えも、数多く手掛けさせておりますが、家を新しくする前に、ヒートショックになったら大変なので、色々とアドバイスさせていただいております。
脱衣場や浴室が寒い従来の家に暮らす方へ、私がよくお伝えするのが、入浴前に服を着たまま浴室に入り、浴槽のフタを開けたり、熱めのシャワーを使い浴室が暖まってから、浴室内で、洋服を脱いで、上がる時も浴室内で身体を拭いて、パジャマに着替えた方がいいですよ。ということです。そして脱衣場にはガウンでも置いておいて、羽織っていただければ大分血管への負担は軽減すると思います。
そして、リビングや茶の間などの暖かい部屋との温度差が5℃前後であれば、ヒートショックのリスクは大分軽減します。10℃以上の温度差があると、血圧が30~50以上も変動する血圧サージを引き起こしやすくなるようです。
昨日まで、元気だったのに突然襲ってくるのが、ヒートショックの怖いところです。
最近は、高齢者だけではなく、中高年の事故も増加しているようですのでくれぐれもご注意ください。
※ 特に飲み過ぎた後は、脱水状態だったり、逆に血管がアルコールによって拡張しており、血管の収縮を繰り返す寒い浴室での入浴は、一番危険ですので控えた方が無難です。コップ一杯の水を飲んで暖かくしてお休みになる様心がけて下さい。
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