前回、沈黙の春という農薬の危険性を全世界に警告したベストセラーについて、投稿させていただきましたが、通常の建物には欠かせない防蟻薬剤も立派な農薬です。
シックハウス法の制定により、発がん性ありとされクロルピリオスは使用禁止となりましたが、様々な農薬が現在も使用されております。
しかも、昨今の住宅では木部以外の断熱材や構造用の耐力面材にも使用され、問題のネオニコ系農薬も大分使用されています。
防蟻薬剤の毒性については、実質は規制がないに等しく、人体には影響は少ないとして使用されているのが現状です。
弊社のソーラーサーキットの家では、薬剤を使わずに物理的にシロアリの屋内への侵入をブロックする、環境にも健康にもやさしいノンケミカルの防蟻工法「ターミメッシュフォームシステム」を15年前より、採用しております。
シロアリは、光や風には滅法弱く、外部からの侵入はほとんどありません。
屋内へ侵入するほとんどが、床下のコンクリートの継ぎ目や、配管部の隙間、断熱材を蟻道にしての侵入です。
そして、ひと度侵入すると、身を隠しながら土を運び、自身でトンネル(蟻道)を形成しながら、餌(木部)を求め、次々と土台や柱を食い散らします。
こういうと、シロアリは大変な悪者に聞こえますが、家にとっては悪者ですが、自然の生態系の末端にいるシロアリは、貴重な栄養源でもあり悩ましい側面もあります。
また、シロアリにとって、木材は主要な栄養源ですが、シロアリの持つ木の分解能力によって、森林の枝葉を土に返すという重要な役割を担っております。
もしこの世にシロアリがいなければ、森林は、木々や枝葉で覆われてしまい大変な自然災害を招いてしまうのです。
現状の防蟻工法では、薬剤の塗布や注入木材の使用が、一般的ですが、環境や健康への影響も十分考慮しなければなりません。
昨今、防蟻薬剤の環境や人体への影響を考慮して、ホウ酸などの低毒性の防蟻剤も使用されていますが、毒性を軽減すればするほど長期的な防蟻効果は低くなり、保証期間も概ね5年となっており、5年毎に再施工を実施する方はほとんどいないのが現状です。
被害を発見する多くは、シロアリの群飛時期の春先に役割を終えた羽蟻を、庭先や室内で発見し、多額の費用を要する補修工事をして、薬剤の散布・塗布をするのが通常のパターンです。
しかし、この羽蟻を発見できる群飛の期間は、僅か2.3日で、その後は風に乗って飛んでいくので、なかなか発見出来ずに、被害に気づかすに拡大していくので、シロアリは厄介なのです。
つまり、長期間にわたり、シロアリの被害を防ぐには、薬剤では、効果的にも費用的にも無理があり、物理的に侵入を防ぐか、定期的に床下を点検するしかないのです。
いずれにしても、中途半端に気密性や断熱性が向上した現代の住宅で、換気不足が重なると、薬による人体への影響は大きく、まさにリスクであり、基本は毒という認識も必要です。
人それぞれに害を及ぼす許容量はまちまちですが、出来るだけ使わないのが、一番のリスクヘッジになるのではないでしょうか。
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2015.09.25 (中山の高梨欽司)火災保険の制度
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2015.08.25 (阿部貴日呼)毎週のように行っています
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2014.12.10 (高橋一夫)ありがとうございます。
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2014.12.08 (ちょーすけ)勉強になります
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2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
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