熱中症は、気温以上に湿度が大きく影響すると言われています。
東京消防庁のグラフをみても分かる通り、発症者が増加するのは気温の影響も大きいのですが、その多くは、屋外での場合で、屋内では、25℃~30℃以下であっても、湿度が高くなると、発症者数は増加するのです。
熱中症の危険度を表す数値として、環境省が提供している「暑さ指数(WBGT)」がありますが、この指数は「気温」「湿度」「輻射熱」からなる指数で、屋外の場合は湿度7割・輻射熱2割・気温1割で、屋内の場合は湿度7割・輻射熱が3割の比率で構成され、実際の気温そのものよりも、湿度や輻射熱がもたらす体感温度を重視しているのです。
屋外・屋内ともに、湿度が暑さ指数の7割を占めていることから分かる通り、湿度が高い時ほど熱中症には注意が必要です。
そして、熱中症は、集団で発生する屋外でのケースがよくニュースで取り上げられますが、実際の発症場所で一番多いのが、家の中なのです。
室内の熱中症対策として、室温は27℃~28℃以下が、目安とされていますが、温度もさることながら湿度こそが重要で、60%以内の湿度を心掛けたいものです。
そして、体感温度の上昇をもたらす輻射熱は、屋外の場合、直射日光にくわえ、地表面からの反射による輻射熱の影響が非常に大きいことを理解しなければなりません。
※ コンクリートに囲まれた都市部では、周囲の建物の輻射熱の影響もあります。
一方で、室内における体感温度は、壁や窓ガラス・天井からの輻射熱の影響が大きく、内壁全体の表面温度を抑える家のつくりが大事で、日射熱の侵入を抑え、熱ごもりのない外断熱の家は、室温がイコール体感温度となるので、熱中症のリスクは大幅に軽減する住まいとなります。
これから、暑い日が続くようで、うんざりしている方も多いと思いますが、熱中症は暑い日が続けば続くほど発症者は増加します。
夏バテによる体力や免疫の低下が大きな要因で、働き盛りの中高年の方が睡眠中に心不全などを発症し、突然死を引き起こしてしまうのも、この時期が多いそうです。
しっかり水分と良質な塩分をとって、バランスのとれた食事にくわえて、何よりもぐっすり眠ることが一番の予防になります。
そして、ぐっすり眠るためには、室内の空気環境と温熱環境がとても重要なのです。
くれぐれもご自愛下さいますようご祈念申し上げます。
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