私達は、飲料水や食品・空気も含め、様々な化学物質を取り入れた生活を送っておりますが、出来るだけ取り入れない生活を送ることが、病を予防する意味でも重要です。
その中でも、体内に一番取り入れる量の多い、室内空気を綺麗に保つことは重要です。
特に、アトピーや喘息・シックハウスや化学物質過敏症など様々な影響を及ぼす危険性が疑われる消臭剤や芳香剤・合成洗剤や柔軟剤・防虫剤などについては、お子さんの発達障害や生殖機能にも関わってくる場合もあるようなので十分な注意が必要です。
基本は出来るだけ使わない、やむなく使う場合でも、容量や使用法を守り、室内に化学物質が滞留しないような、適切な換気を心がけるしかありません。
そして、合成洗剤や柔軟剤・制汗剤や香水などから、発する臭いによって、辛い思いをしている方々もたくさんいらっしゃるということも、理解しなければなりません。
こうした製品は、趣向品とされ、洗剤などに義務づけられている、家庭用品品質表示法にも該当しないため、原材料の表示義務はなく、業界の自主基準により一部表記されているだけに過ぎず、身体に有害な物質がどれほど含有されているか消費者には、明示されていないのが現状です。
特に、最近、消費者団体や医師の間でも、問題視されているのが、香料の成分を閉じ込めるというマイクロカプセルです。
臭いが持続するというのが特徴ですが、このマイクロカプセルの主成分がイソシアネートで、この物質が非常に有害だというのですが、日本では、ありとあらゆるウレタン製品に含まれ、実質、何の規制もなく使用されているのです。
詳しくは、イソシアネート危険性とでも検索していただければ、色々でてきますので関心のある方は調べていただればと思います。
ということで、前置きが長くなってしまいましたが、私がお伝えしたいのは、住宅の断熱材としても、最近よく利用されている発泡ウレタン系の断熱材の健康に与える影響です。
成形品の断熱材は、危険性は少ないようですが問題は現場で発泡する断熱材です。
建築業界では、ホルムアルデヒドなどの規制物質が含まれていないということで、無制限に使える安心な資材となっており、断熱性能を上げるために、壁や小屋裏にウレタンを発泡させる断熱工法も多く見受けられるようになってきました。
おそらくは、業界でも、ウレタンの主成分がイソシアネートということも、イソシアネートがどれだけ危険な物質かもわからずに使っているのが、現実ではないでしょうか。
私も、これまでは、火災時には、有毒なシアンガスが発生する位の認識しかなく、グラスウールなどの繊維系断熱材と比較すれば、隙間なく断熱できるので、施工法を間違えなければ充填断熱には適した断熱材と思っていました。
しかし、イソシアネートの危険性を何度も耳にしたので、ウレタン工業会の安全の手引きの中の、施工や使用に関しての注意書を読み、これまでの考え方が一変しました。
ポリウレタン安全取扱い上の手引き
詳しいコメントは、何かと差し障りがあるので、控えさせていただきますが、家中がイソシアネートに囲まれた住宅で、果たして健康な暮らしが確保できるだろうかというのが、現在の率直な思いです。
もちろん、健常者の方が換気を励行し、正しい暮らしを送れば問題ないかもしれませんが、過度な冷暖房や温度差のある暮らし・湿気や結露の問題などを考慮すると、住まいの断熱材としては控えた方が無難ではないでしょうか。
また断熱施工はもとより、その後の工事に携わる職人さんの健康を鑑みると、換気状態や夏場の高湿高温の状況下における化学物質の揮発についても十分な配慮が必要です。
使用するしないについては、ユーザーの皆さんの個々の判断におまかせしたいと思いますが、医師や学者・消費者団体の皆さんが、危険な物質と叫び、片や建築の世界では安全とされているこの国の矛盾に憤りを感じる今日この頃です。
ちなみに、ウレタン断熱にすると気密性が高まるということで、本来必要なはずの防湿・気密施工を省略するケースも多いのですが、透湿性がある素材の中で、水蒸気による加水分解や夏場の湿気や熱によって生じるVOC成分の揮発が室内に及ぶ危険性についても十分な注意が必要ではないでしょうか。
特に小さなお子さんのいるご家庭で、発泡ウレタン断熱の採用を検討なされている方は、くれぐれもご注意下さい。
- 新着コメント
-
2015.09.25 (中山の高梨欽司)火災保険の制度
-
2015.08.25 (阿部貴日呼)毎週のように行っています
-
2014.12.10 (高橋一夫)ありがとうございます。
-
2014.12.08 (ちょーすけ)勉強になります
-
2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
この記事へのコメントはこちら