工業先進国と言われる日本ですが、何故か家の断熱だけは、欧米各国と比べ、30年も40年も遅れており、先進国でも最低レベルというのが現実です。
画像は、日本の住宅ストック5700万戸の断熱別の2012年時点のグラフですが、1999年に告示された次世代省エネ基準を満たしている住宅は、僅か5%です。
その後も、数多くの住宅が新築されましたが、未だ基準を満たした住宅は、一桁だろうというのが大方の見方です。
しかも、この基準をベースにした省エネ基準が、2020年に義務化される予定でしたが、先日も紹介した通り、どうも業界の反対によりスルーされる公算が強くなっています。
ご理解いただきたいのは、この基準は、特に高いレベルではなく、あくまで最低限のレベルで、欧米各国と比べる大分遅れており、中国や韓国以下の基準なのです。
そして、この基準が、長期優良住宅における住宅性能表示制度では、最高等級というのがこの国の断熱基準の現実です。
弊社では、25年も前から、この基準を遥かに上回る基準で家を造り続けており、業界が、なぜ義務化に反対するのか不思議でなりませんが、いずれにしても、断熱性能の高い家を増やすことは、単にCO2の排出や光熱費の問題ばかりだけでなく、医療費や社会保障費の増加や、介護や空き家問題など、この国が抱える様々な問題の解決の一番近道であると私は考えています。
WHOが毎年3月に発表する幸福度ランキングで、2018年度の日本は155か国中、54位で、先進国最低で、QOL(生活の質)の向上が叫ばれております。
GOLの向上には、日々暮らす住まいの質を上げることが、非常に重要で、寒さや暑さ・湿気や臭い・音・そして光熱費に悩まされるような住まいでは、QOLの向上は叶うことは非常に困難です。
人は、様々なストレスを感じながら暮らしておりますが、高齢になればなるほど健康や老後に対してのストレスや不安が大きくなってきます。
つまり、住宅の質を上げることは、QOL向上には欠かせない心身の健康と直結しているのです。
社会は、物の豊かさから心の豊かさを求める時代へ移行しており、60代以降のシニア層の方々の欲求ステージは、自己実現の時代に入ってきております。
それぞれが、趣味や娯楽・社会貢献など多種多用な自己実現を図りながら、人生100年時代を迎えようとしています。
こうしたQOLの向上や自己実現を図る意味においても、健康維持が何より重要で、社会的にも強く求められているのです。
健康の要素には、栄養と休養と運動・そしてストレスを溜めこまないなどとよく言われますが、高齢になればなるほど住まいの環境は、健康に大きな影響を与えます。
寒くて温度差のある住まいは、ヒートショックや身体を冷やすばかりでなく、何をするのもおっくうになり、運動不足や睡眠の質を下げ、様々な病を引き起こす可能性も自ずと高くなってくるのです。
ご自身はもとより、ご家族のためにも、これからの住まいのあり方を真剣に考えていただければ幸いです。
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2015.08.25 (阿部貴日呼)毎週のように行っています
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2014.12.08 (ちょーすけ)勉強になります
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2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
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