札幌での爆発事故が、消臭・抗菌スプレーのガス抜きが、原因のようで、様々な批判が起きております。
こうした批判は、ある意味しようがないと思いますが、一方で、この事故は、社会の行き過ぎた香や抗菌ブームがもたらした悲惨な事故でもあり、私達への警告のような気もしています。
暮らしの不満を解消するために、様々な商品が次々と開発・販売され、確かに便利になり、快適にもなった側面はありますが、中には、人々の健康や環境に、悪影響を及ぼす危険性の高い商品が、身の回りに溢れており、知らない・知らされないままに、使わされているのも現実です。
臭いは元から絶つのが基本であり、香をつけてごまかすものではありません。
そして、合成の香料や界面活性剤は基本的に石油から作られており、少なからず健康に影響を与え、他人にも迷惑をかけているという理解も必要です。
特に、最近の商品には、有害性の高いイソシアネートを主成分にしたマイクロカプセルの中に、こうした香料を閉じ込め、香の持続性を高めた商品が数多くあり、化学物質過敏症患者の増加の大きな要因ともされています。
また、薬剤耐性が問題視され、抗生剤に対し注意喚起されていますが、私達の体内にも皮膚にも、何百種類といわれる常在菌が存在し、それぞれがバランスよく機能して、健康や生命が保たれている側面があり、過度な除菌や抗菌は、こうした常在菌をも、死滅させることにもつながるので、ある程度共生していく考え方も必要ではないでしょうか。
参考までに国民生活センターでのスプレータイプの消臭剤の安全テストのデータを添付しておきますので、ご興味のある方は目を通してみて下さい。
一番下にテスト結果がダウンロードできますが、17ページに消臭スプレー噴霧時のTVOC(揮発性有機化合物の総量)の一覧があります。
厚労省の定める室内のTVOCの暫定目標値は、空気1立米あたり400μgですが、どの製品もはるかにオーバーしているのがお分かりいただけると思います。
この数値は、メーカー推奨の一回の使用量の数値であり、スプレー缶1本噴霧したらどれほどの量のVOCが室内に充満するのかを考えるとぞっとしてしまいます。
そして、そのVOCは、換気しても換気しきれず、内装材に吸収され残留してしまい長期間にわたり室内空気の汚染源になってしまうのです。
臭いを消すために、逆に空気を汚しているということをご理解いただければ幸いです。
国民生活センター 消臭剤の安全テスト
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2015.08.25 (阿部貴日呼)毎週のように行っています
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2014.12.10 (高橋一夫)ありがとうございます。
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2014.12.08 (ちょーすけ)勉強になります
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2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
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