これまでの底冷えするような家にお住まいのユーザーが、家を新築する場合の暖房として、憧れを抱くのが床暖房です。
一般的には、空気を汚さないクリーンな暖房というイメージがあると思いますが、小さなお子さんやアレルギーのある方は、十分な注意が必要です。
私達は、室内の空気を取り入れて生活していますが、基本的に床・壁・天井が起源しており、その内の多くが下記の図のように床起源の空気となります。
立っていても、53%が床起源というのは驚きですが、これは、人の体温による上昇気流がはたらき床面の空気を引っ張っているからだそうです。
こうした現象が、顕著になるのが床暖房で、床面を30℃前後に暖めることで、さらに上昇気流が働くのはご理解いただけると思います。
床暖房を採用する場合は、無垢材を使用すると暴れや反り・痩せなどが発生しやすくなるので、基本的に床暖房専用のフローリングが使用されます。
つまり、フローリングに含まれる接着剤やはもちろん、防腐剤や防虫剤・ワックスや床下の断熱材に含まれる化学物質なども、床そのものに熱を加えることで通常よりも、空気中に揮発したり浮遊させてしまう量が大きくなってしまうのです。
東京都安全研究センターの調査によると、新築マンションの引き渡し1か月後の室内のVOC濃度(揮発性有機化合物)の総量を測定したところ、厚労省の定める暫定指針値をはるかにオーバーしたという測定結果が公表されています。
そして、揮発されているVOCは、いずれも建築資材に含まれる13の化学物質には、含まれていない物質です。
つまり、揮発するのを意識して、指定物質に変わる代替物質を使用しているとも考えられ、十分
な注意が必要なのです。
http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/issue/health/webversion/web11.html
その後、年数が経過した後の、VOC濃度の推移は分かりませんが、いずれにしても、新築当初は、指針値の5倍以上もオーバーしており、場合によっては、健康にも影響を与える数値であることは否めません。
特に、小さなお子さんがいる方は、床暖房は、クリーンな暖房とは言い切れないということだけは、頭の片隅に置いていただければ幸いです。
その他、床暖房について私の考えを知りたい方は下記の記事をご覧ください。
http://daitojyutaku.co.jp/log/?l=453284
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