FM仙台で、2012年より、被災地の「今」を届けている「Hope for MIYAGI」に、塩釜東ロータリークラブ主催の「塩釜の海を市民の手で守る」と題した石けんプロジェクトを紹介していただけることになり収録にいってきました。
ご存知の方も多いと思いますが、震災後、松島湾では、アマモが激減し、牡蠣の生産やハゼの漁獲が減少し、干潟でもアサリがとれなくなっています。
また、農薬や肥料に加え、洗剤などにも含まれる窒素やリンが、海に流れ富栄養化が進み、プランクトンが増殖し、赤潮などの被害も発生することから、3年前に「松島湾アマモ再生会議」が発足し、官民一体となったアマモ場の再生ブロジェクトにより、海の浄化が進められております。
松島湾アマモ再生会議のHP
アマモ場は、小魚の産卵や棲家にもなり、ヘドロ化も抑え、海中の二酸化炭素を吸収し酸素を供給するなど、海にとってはなくてはならない海草で、海のゆりかごとも呼ばれています。
海の浄化には、植林や山の手入れなどの取り組みも必要ですが、日々の暮らしの中で、私達が出来ることは、日々の生活の中で、出来るだけ海を汚さない・環境に負荷をかける物質を家庭から排出させないということではないでしょうか。
環境省のPRTRデータによると、家庭から排出される化学物質で、一番多いのが、合成洗剤に含まれる合成の界面活性剤で、(2位は防虫剤に含まれるパラジクロロベンゼン)下水処理場でも分解しきれず川や海に流されています。
一方で、石けんは5000年の歴史がある天然の界面活性剤で、たとえそのまま海に流されたとしても、食用の石けんとして、微生物や小魚のエサになって環境に負荷をかけません。
実際に河川や海の水質を調査すると、検出されるのが合成の界面活性剤の成分で、石けん成分は検出されることはないのです。
ご理解いただきたいのは、石けんの原料になる油は、植物油や動物油脂で、基本的に食用の油を30℃~100℃に熱して製造しますが、合成洗剤は、石油やアルコールを500℃以上の高温で熱加工して製造するのです。
そして、石けんは海水から抽出した水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを添加して製造されますが、合成洗剤は、様々な化学物質を添加して製造されるため、自然界では分解しきれないのです。
1999年にPRTR法が、法制化され、現在462の化学物質が、環境や人体に影響を与えるおそれがあるとされる第1種指定化学物質に指定されていますが、合成洗剤に含まれる合成界面活性剤として、10種類の化学物質が第一種に指定されているのです。
大量のCM効果もあって、年間の生産量は、石けんの3万トン対しに、合成洗剤は109万トンになっていますが、便利さや安さのつけは、私達の健康はもとより、環境にも大きなつけとしてかえってきます。
昨今、アトピーはもとより、アレルギー性の皮膚炎が増加の一途です。
複合的な要因が重なり、原因の特定は困難ですが、合成洗剤や柔軟剤の影響が大きいとも言われています。
また、年間、1万5千人以上の幼児が、発症する川崎病ですが、未だに、原因不明とされていますが、一説には合成洗剤が一番疑わしいという識者も少なくありません。
石けんは、固形だけではなく、食器や洗濯・ハンドソープやボディソープ・シャンプー・歯磨き粉など、石けん素材の液状タイプもあり、肌の弱い方や小さなお子さんでも安心してお使いいただけます。
石けんで洗濯すると、どうしてもごわごわ感が出るのですが、石けんで洗うとふっくら仕上がるので、カオリが大きな社会問題となっている柔軟剤も必要なくなります。
驚きの輝きということで、白くなるのを強調する洗剤もありますが、白くなるのは蛍光増白剤によるもので、綺麗になるわけではないのです。
黄ばみが気になるようになったら、酸素系漂白剤でつけ置きして、洗濯すればいいだけなのです。
蛍光増白剤は、発がん性の恐れがあるとされ、厚労省では、乳幼児の衣類や包帯・マスク・ガーゼ類に使用しないように、メーカー各社に通達が出されており、食品衛生法でも、食品及び食品に触れるすべて(ふきんや紙ナプキン)に使用が禁止されているのです。
石けんで、食器を洗うと手袋をつけずとも、手の荒れやガサガサに悩むことはなくなります。
合成シャンプーに含まれる界面活性剤は、髪の毛や頭皮のタンパク質と結合する性質があり、シャワーで洗い流しても20%位は残留してしまい、抜け毛や薄毛の原因ともなります。
朝シャンが一般的になりましたが、この10年で、育毛剤やカツラの売上は5倍以上になっているのをご存知でしょうか。
石けんは、タンパク質とは結合しないために、頭皮や毛髪に残留することはありません。
合成洗剤で洗顔したあとに、保湿クリームや乳液を塗るということは、肌に界面活性剤を閉じ込めてしまうということなのです。
また、幼児の洗剤やジェルボールの誤飲について、注意喚起がなされていますが、石けんを使って、シャボン玉を作って、間違って飲んでしまっても、救急車で運ばれる事はないのです。
海はみんなの貴重な財産で、海の魚や海藻を食べ、水蒸気が雨となり、農作物が育てられ、私達や動物達の飲み水ともなり、全ては循環しているのです。
石けんの場合、弱アルカリ性で、酸性の酢やマヨネーズ・汗などに混ざると脂肪酸となり、泡立ちが悪くなったり、無香料や天然香料の商品が多いため、カオリが物足らず、敬遠される方も多いのですが、正しい使い方をすれば、洗浄力も合成洗剤よりも優れているのです。
使って人にやさしく、使った後も環境にやさしい、石けんを出来るだけ使用していただきますよう、ご理解とご協力のほどお願い申し上げます。
今日は、Date fm の知性派アナの石垣のりこさんとのやりとりに、大分戸惑いながらの収録でしたが、15日のPM12時~12時25分にオンエアされますので、良ければ聴いてみて下さい~。
※ 家庭用品品質表示法によって、洗濯用と食器洗い用の洗剤には、「石けん」もしくは「合成洗剤」の表示がなされていますが、手洗い用やボディソープ・シャンプーには、規定がなく、広い意味での、洗浄剤として、ソープもしくは石けんの表示がされており薬用せっけん○○も、本来の石けんではないのです。
「石けん」とは「脂肪酸ナトリウム」と「脂肪酸カリウム」のことで、動物精油脂・植物性油脂に苛性ソーダや、液体せっけんの場合は苛性カリで反応させたものです。
それ以外の合成界面活性剤を主成分としたものは、全て合成洗剤ですので、裏面のラベル表示をご確認下さい。
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2015.09.25 (中山の高梨欽司)火災保険の制度
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2015.08.25 (阿部貴日呼)毎週のように行っています
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2014.12.10 (高橋一夫)ありがとうございます。
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2014.12.08 (ちょーすけ)勉強になります
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2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
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