内断熱の場合、柱や筋交いに加え、構造や開口部の取り合い、構造金物や配線・配管部が多数あり、こうした部分を隙間なく施工するのは、物理的に難しく、どうしても、断熱材を寄せたり潰しての施工になってしまいます。
また、防湿フイルムが不要とされる袋入れの断熱材を、カットした場合はカットした小口面から、水蒸気が侵入しないように、フイルムで保護するのが施工マニュアルに記されておりますが、実際の現場では、そのまま施工する大工さんがほとんどです。
断熱材はそもそも、断熱材の中に含まれている空気が、断熱の役目を果たしており、制止空気の熱伝導率は、0.02W/mK で、とても高い断熱性能を有しています。
つまり、寄せたり潰したりしては、性能を十分に発揮する事は出来ないという訳です。
そして、大なり小なり隙間も生じてしまい、断熱の欠損部分が生じ、内部結露の危険性が高まってしまうのです。
最近では、隙間を出来るだけ無くす為の施工法として、吹き込み断熱も増えてはきていますが、断熱材をそのまま充填する施工法に比べ、施工精度は確かに高まるものの、隙間なく断熱するのは、難しいのが現実です。
また、構造材として使用される木材の中には、必ず水分が含まれており、水分の含む割合を含水率といいます。
通常、高気密・高断熱住宅の場合は、建築後の木材の収縮による建物の不具合を軽減するために、乾燥材を利用するのが、大原則ですが、出荷される時点においての含水率は、概ね無垢材で18%・集成材で15%の含水率が基本となります。
しかしながら、乾燥材を使用して建てられた住宅でも、後々乾燥が進む事で収縮し、痩せやくるい・割れが生じてしまうのです。
つまり、乾燥することで、木材は数ミリ程度痩せてしまい、痩せた部分は必然的に、隙間となり、無断熱になる為、その部分は断熱の欠損部分となってしまいます。
こうした断熱の欠損部分では、室内との温度差によって引き起こす、内部結露の危険が非常に大きくなり、断熱性能の低下や木材の腐朽にもつながり、耐震性や耐久性の低下の大きな要因になってしまうのです。
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