ナイチンゲールの「看護覚え書」を読んで

  • ナイチンゲールの「看護覚え書」を読んで
看護師のお客様に、「社長がいつも言ってることは、ナイチンゲールの本にも書いてますよ。」とお聞きして、早速その本を購入しました。

看護のバイブルとして知る人ぞ知る、その書籍の名は、「看護覚え書」。

看護師の方なら、ほとんどの方が、看護学校時代に読んでいるということで、どんな内容の本だろうかと興味津々読んでみました。

1859年に出版されたという、この「看護覚え書」ですが、150年以上前の本でありながら、今読んでも全く色褪せることのない大切な事柄が詰まっており、感銘を受けました。

クリミアの母として知られ、近代看護の母として、全世界の看護関係者の指南書ともなっているこの本には、私達がいつもお伝えしている「換気と温度の重要性」についても、非常に詳しく書いてあります。

13章からなる「看護覚え書」は、「換気と保温」の重要性から、始まります。

そして、第一章の冒頭には、

・よい看護が行われているかどうかを判定するための基準としてまず第一にあげられること。

・看護者が細心の注意を集中すべき最初で最後のこと。

・何はさておいても患者にとって必要不可欠なこと。

・それを満たさなかったら、あなたが患者のためにする他のことすべてが無に帰するほど大切なこと。

・反対に、それを満たしさえすれば他はすべて放っておいてさえよいと私は言いたいこと。

それは「患者が呼吸する空気を、患者の身体を冷やすことなく、屋外と同じ清浄さに保つことである」と述べているのです。

ナイチンゲールは、看護を考えるとき、真っ先に「空気の問題」を取りあげ、換気の重要性やその原理、原則を述べており、換気に適した構造、窓の開閉、外気を取り入れる、患者を暑がらせたり、寒がらせないように適温を保ち、患者さんの自己治癒力を高めることが大切であると説いてあるのです。

そして、この「看護覚え書」は、看護婦の看護の手引きとして書いたものでなく、人の健康について責任を負う女性に考え方のヒントを与えたいという目的で書いたものであって、すべての女性はナースであるとも言っています。

「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなどを 適切に整え、食事内容を適切に選択し 適切に与えること 。こうしたすべてを、患者の生命力の消耗を最小にするように整えることを意味すべきである」

看護の原点と基本的原理を論述する本書は、看護を学ぶすべての者の必読書であるとありました。

ナイチンゲールは、病気を治すには、何をさておき、まずは、空気環境と温熱環境が大事であるとこの本で説いているのですが、病気を治すために大事ということは、すなわち病気を予防し、健康を維持する上でも重要だということではないでしょうか。

そして、この本には、換気と保温以外にも、下記に挙げた、看護の原理・原則ともいえるポイントが多岐にわたって紹介されています。

〇第2章・住居の健康 〇第3章・小管理  〇第4章・音  〇第5章・環境の変化 
〇第6章・食事 〇第7章・食物 〇第8章・ベッドや寝具 〇第9章・陽光
〇第10章・部屋と壁の清掃 〇第11章・からだの清潔 〇第12章・おせっかいな励ましと忠告 〇第13章・病人の観察

こうした内容は、私達の住居の環境衛生上においても重要で、看護に従事されている方のみならず、家庭での育児はもちろん、家族が病気になった時の看病や親の介護にも、非常に役立つものであり、現代に生きる私達にとっても、参考にすべき書籍だと思いますので、是非多くの人に読んでいただきたいと思います。

そして、このナイチンゲールの考え方は、ソーラーサーキットの設計思想そのものであり、ソーラーサーキットの家での暮らし方においても、多くの点で、一致しており、改めて私達の家づくりに間違いはないと確信した次第です。



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