前回の投稿で、住み心地の良し悪しは、実際に、その家に住んでみないとわからない。ということをお伝えしましたが、家の耐久性も同様で、住み始めて10年も20年も経過しなければわかりません。
耐震性にしても、新築時に耐震等級3の設計で住宅を建てたとしても、評価機関の発行する性能評価書に記載されている通り、あくまでそれは、設計時点の評価であって、将来の耐震性を保証するものではなく、実際に地震に遭遇しなければ家の強度はわからないのです。
お客様の価値観もそれぞれで、住まいに求められる要素は多々ありますが、現代の家づくりにおいて、何より重視しなければならないのが、住み心地であり、いつまでも省エネで快適に暮らせて健康を維持・増進できる住まいだと、日々痛感しています。
そして、地震などの自然災害時においても、シェルターとしての役目を果たし、避難所へ行かなくとも家族全員が安心して過ごせる家ではないでしょうか。
それでは、このような家にするためには、どうしたらいいのでしょう。
普通、家を建てようと考えると、価格やメーカー・外観デザインや間取り・設備や内装などを検討するのが、一般的です。
しかし、ここからスタートするから、本当に大事なものが見えなくなり多くの方々が後々後悔するのです。
30年保証だから大丈夫・瑕疵担保保険がついているから安心ではありません。
〇 暖かく・涼しいと言ってたのに寒くて暑い〇 エアコンでは全然暖まらない
〇 部屋間の温度差が10℃以上もある〇 換気をつけると寒い
〇 省エネと言われたが、光熱費が高い〇 結露やカビに悩まされる
〇 子どものアトピーやアレルギーがひどくなった〇 喘息や鼻炎がひどくなった
〇 家の臭いがこもる 〇ファンヒーターをつける 〇シックハウスを発症した
建売住宅であれ、注文住宅であれ、こうした問題は非常に多く発生しており、聞くたびに本当に残念になります。しかし、こうした問題は、ほとんど表面化することはなく、瑕疵や欠陥として認定されにくいために、瑕疵保険や保証では殆ど解決できず、その多くは泣き寝入りになってしまっているという現実を消費者の側も理解しなければならないのです。
今日は、保証や保険よりも安心できる家づくりの急所をユーザーの皆様にご紹介させていただきますので、是非ご理解いただければ幸いです。
その急所とは、検討先のハウスメーカーや工務店に、次に挙げる4つのポイントを確認し、このポイントを最優先にした家づくりを進めてもらうことこそが、後悔しない家づくりの一番の近道となります。
そのポイントとなる性能とは、ズバリ、断熱・気密・換気・冷暖房といった、住宅の温熱環境と空気環境を大きく左右する4つの性能となります。
※ 価格を検討するのは、この先の話で基礎や構造・内装や外装材などもその次です。
どこのメーカーで建てるにしても、この4つの性能をバランスよく満たした住宅を建てることが最も重要で、ここを疎かにすると、例え長期優良住宅の最高等級であっても、住み心地や光熱費の上昇をまねき、内部結露によって、家の腐朽や蟻害などが生じてしまい、耐震性も低下し、住宅ローンの完済する前に、家の資産価値まで失う危険性があるのです。
そして、業者のみならず、住まい手となるユーザー自身もその重要性を理解し、適切な暮らし方とメンテナンスを実践することで、「いつまでも強く・いつまでも快適に」 住む人と家の健康をいつまでも守り、50年後も次の世代に引き継げる価値ある家になります。
※ 建てただけで100点満点になる魔法の家は、いくらお金をかけてもこの世には存在しません。
私は、常々、ユーザーばかりでなく、業界にも行政にも、強くこのことは発信しており、この4つの性能の重要性を理解せず、勧められるままに建ててしまうと、いくらデザインが良くても、設備が豪華でも、無垢材や自然素材に囲まれた家でも、住み心地のいい家には決してならず、健康にも悪影響を及ぼし、後々後悔する危険性が非常に大きくなります。
何も、面倒でも、難しいことでもありません。下記のチェックポイントを提示し、確実に実施してもらうだけでいいのです。
☆ Q値(熱損失係数)・UA値(外皮熱貫流率)の確認をして、最低でもQ値1.6UA値0.46w/㎡・k(ZEH基準の20%UP)で、設計してもらって下さい
☆ 数値はあくまで計算値です。断熱の施工精度の確認をするために、断熱施工完了時に目視とサーモカメラにて確認してください。(断熱欠損や施工ムラがないかがわかります)
☆ 開口部の種類と性能値確認樹脂トリプル(LOW-E+アルゴン)もしくはU値1.3W以下のサッシを使用してもらってください。(1.2年後にはどこのメーカーでも標準になります)
☆ C値(隙間面積)を測定するために、気密検査の実施(気密工事完了時・竣工時)してもらってください。(寒冷地の基準は2.0ですが、経年変化を考慮し1.0・出来れば0.7㎝/㎡以下の気密性能が必要です)
☆ 換気システムの種別を確認してください。まだ仙台圏では、コストの関係で1種よりも3種換気の比率が高いのですが、数多くのクレームが発生しており、第1種熱交換換気システムが必須です。
☆冷暖房の種類・容量と配置計画を示してもらってください。(家電チェーンの方が安いのでそちらでどうぞというのは親切で言っているのではありません。)
☆ 冷暖房の連続運転時の部屋別の室温予測と月別光熱費のシュミレーションを提示してもらってください。(家族構成・生活スタイル・体感温度の違うので・・とかいうのは×です)
これらが、全て確実に履行されると、最低でも、冒頭に紹介した問題は、大分解消されることは間違いなく、必然的に、構造も材料もいい加減な対応は出来なくなり、様々ある工種の施工精度もグンと向上します。
※ 太陽光を設置する場合でも、無駄な太陽光は必要なく、床面積㎡あたり0.4kW~0.5kWの設置でも、十分ゼロエネ住宅になります。
自社の仕様や基準と違う場合には、もっともらしい理由をつけて、受け入れを拒否されるかもしれませんが、ハッキリ言って、そうした造り手を大事な家づくりのパートナーとして選択すると、お客様自身が後悔するのは間違いありません。どんなに人柄の良い営業マンであっても、候補から外した方が賢明です。(対応の可能な造り手はたくさんいます)
上記に挙げたチェックポイントは、2020年に向けて、スタンダードになっていく基準ではありますが、ビックリするほどのレベルではなく、省エネ住宅や高断熱住宅というからには、最低限クリアしなければならない基準ということを理解していただきたいのです。
そして、これらの基準を満たした上で、次のステップとなる資金計画や構造・間取りや外観・インテリアなどの計画にと進んでいけば、お客様の家づくりの成功確率はかなり高いものになるのは、間違いありません。
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2015.09.25 (中山の高梨欽司)火災保険の制度
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2015.08.25 (阿部貴日呼)毎週のように行っています
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2014.12.10 (高橋一夫)ありがとうございます。
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2014.12.08 (ちょーすけ)勉強になります
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2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
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