結露は欠陥ではない?

築年数の経過した住宅のみならず、新築住宅においても、結露に悩んでいるお客様は非常に多く、残念でなりません。

そして、依頼先に連絡を入れても、基礎や木材からの水分蒸発や、室内の洗濯物や加湿器、換気や暖房方法などの原因にされ、根本的な解決のないまま、放置されているケースが多いようです。

しかし、新築当初、結露が表面化するのは、文字どうり目に見えるガラスやサッシ枠・玄関ドアの表面部分で、表面結露が発生しているということは、壁体内においても、内部結露が発生している可能性が十分に考えられるということです。

そして、内部結露による住宅被害が、表面化するのは先のことだということを正しく認識し、注意しなければなりません。

住宅瑕疵担保履行法の制定により、建築業者には10年の瑕疵担保の責任があり、保険加入も義務化となりました。

しかし、雨漏りならいざ知らず、結露による住宅被害は、基本的に保険対象外となるので十分に注意しなければなりません。

結露被害は、冷暖房の方法や換気・加湿など、ユーザーの住まい方とも関連性がある為に、なかなか造り手側の瑕疵・すなわち欠陥住宅とはならないのが現実で、結局泣きを見るのは消費者となるのが現実なのです。

長期優良住宅制度による住宅性能表示でも、気密や断熱・換気など、防露に関する基準は地域ごとに設けられてはおりますが、内部結露を防ぐために重要となる気密については、測定の義務もなく、基準がないに等しいのが現状で、あたかも結露はある意味防ぎようがないかのごとく、構造の劣化対策として薬剤処理された防腐木材を使用することで、劣化対策等級は、最高等級となっています。

つまり、多くの建築業者は、たとえ内部結露が発生しても腐りにくい家づくりを、推進しているといっても過言ではなく、薬剤によって、どの程度の結露なら被害が生じないのか、防腐効果がいつまで保たれるのか、健康への影響はないのか、効果がなくなった場合はどうするのか、実際は、あいまいで、誰もわからないと言えるのです。

表向きは、住宅の耐久性が向上したということで、木造でも長期の住宅ローンの借り入れが可能となり、多くのお客様が35年の住宅ローンを利用し、マイホームを取得するわけですが、ローンの完済前に家が結露によって腐れるというような悲劇は、決してあってはならないのです。

住む人と建物の健康を守るためには、まずもって結露の発生しない住まいが、一番重要なのです。




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