逆転結露(夏型結露)の恐怖

  • 逆転結露(夏型結露)の恐怖
結露といえば、冬の時期を想像しがちですが、実際には、夏場にも起きている現象で、エアコンを使用することで、生じる室内と壁体内の温度差によって、発生する結露を逆転結露(夏型結露)といいます。

夏の結露のほとんどは、目に見えない床下や壁の中・天井裏で発生するために、発見は難しく,
知らず知らずの内に構造躯体にダメージを及ぼし、木材の腐朽やシロアリの食害を受け、耐震性や断熱性能が劣化し、住み心地はもとより、家の耐久性を著しく劣化させるので注意が必要です。

画像を見て、33度なんてそうないし、室内を26℃以下にしなければいいのかと思う方もいらっしゃると思いますが、この時期は、雨が上がり急に暑くなる時が頻繁に訪れます。

例えば、外気温30℃、湿度85パーセントの場合の露点温度は 27℃となります。つまり湿気を含んだ空気が壁体内に侵入し、エアコンによって冷やされると27℃以下の部分では、結露が発生している危険性が高くなります。

年々、猛暑が厳しくなり、今やエアコンの使用は避けられない時代となっており、壁の中や床下で発生する結露で、カビや腐朽菌が増殖し、木材を腐らせている事はあまり知られていないのが現実です。

そして、この結露によるカビやダニの繁殖によって室内の空気も汚れ、アトピーや喘息・夏型肺炎などの病気を引き起こし、住む人の健康までも脅かしているのです。

一応、結露が発生しても、腐りにくい材料を使用し、後々乾いて、水蒸気を壁の外に逃がす構造となっているので問題は少ないとしているのが、一般的にまかり通っている業界の不思議な常識なのですが実際はどうでしょう。

例え乾いたとしても、一度水分を含んだ断熱材の性能の劣化や土台などを濡らし、発生したカビ・腐朽菌のその後はどうなるのかなどちょっと考えただけでぞっとします。

外断熱の家では、構造の外側で高レベルな気密・断熱工事を施すので、外部から壁体内への空気の侵入はないので、壁の中はいつも爽やかな状態を保ちます。

さらに、壁体内と室内の温度差も少ない為に、例えエアコンを使用したとしても、結露の発生などの心配はほぼないと言えるのです。

冬の寒さ対策と共に夏の暑さ対策、そして一年を通しての結露対策!

家と住む人の健康をいつまでも守る長寿命な住まいのキーワードは床下と壁の中にあるといっても過言ではありません。



そして、さらに怖いのは、夏季における床下断熱の住宅です。

これは、高湿の空気が、床下に入り込み、冷やされた床下で、結露が発生しているのですが、夏の朝方に良く見られる朝露(夜露)と同じ現象です。

外部の植物や物体につく露は、日中の温度の上昇や風によって、蒸発しますが、床下の場合はなかなか蒸発できずに、長期間にわたりこうした現象が続くのです。

宮城県の場合でも床下断熱の場合は、年間30日~40日前後、床下に結露が発生しているとされています。

こうした現象を回避する目的もあって、多くのハウスメーカーが、近年、基礎断熱を取り入れるようなってきましたが、まだまだ床下断熱+基礎パッキンによる外周換気が、未だに多く採用されているのが現状なのです。

決して、不安を煽るわけではなく、この様な知らせれない真実が、あるということを理解していただきたいのと同時に、造り手側も手抜きうんぬんという話ではなく、正直分からない・関心がないという側面もあるのが、何とも悩ましい問題で、それ故に正しい真実がお客様にも伝わらないのです。

地元の住宅会社として、世の中の住宅についての間違った常識を変えていくべく、これからも情報発信して参りますので、ご理解の程お願い申し上げます。





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