クールビズ導入時の環境省の担当課長さんが、何となく決めたというビックリポンの推奨温度が28℃です。
多くの方が、28℃では暑い~と感じている様ですが、条件が整うと暑がりの方でなければ十分快適に過ごせます。
人が感じる体感温度は、湿度が影響するのはおわかりかと思います。
28℃でも湿度が70%を超えると、確実に暑さを感じ不快な環境となりますが、これは、汗の蒸発(気化)が抑えられるのが一番の原因で、その為に扇風機で風をあてたり、エアコンで温度を下げなければ涼しさを得ることができなくなります。
そして、湿度に加えて、体感温度に影響を及ぼすのが床や壁・天井などの表面の平均温度で、まわりの表面温度が高いと、人間が発する熱を吸収することが出来ずに、どうしても暑さを感じてしまうのです。
ビルやアスファルトに囲まれた28℃と公園や森林の中での28℃では、全く体感温度が違うのはこのせいです。
「壁面平均温度(床・壁・天井)+室温÷2」
というのが体感温度の目安となります。
つまり、室内が28℃で、壁面の平均温度も28℃ならば、体感温度も28℃となり、湿度を50%から60%前半にキープすれは、薄着でのデスクワークであれば暑さを感じる事なく過ごせますし、暑がりの方は、扇風機があれば十分快適です。
しかし、同じ28℃でも、床や壁・天井の温度が30℃を超えてくると、体感温度も上がり暑さを感じ、湿度が70%~80%を超えれば、高齢者の方は熱中症の危険を及ばずほどの暑さとなります。
エアコンにあまり頼らず快適に過ごすには、湿度の調整+壁面平均温度を抑えて、汗を蒸発させるために風(扇風機や冷風機・うちわ)を取り入れる事がとても大事です。
参考までに、飽和水蒸気(絶対湿度)のグラフもアップしておきます。
表にしたのがこちらです。
普段私達がよく使う湿度は、相対湿度と呼ばれ、空気に含まれる水蒸気の割合を示したものですが、そもそも空気が含むことの出来る水蒸気の量は、温度によって変わるために、絶対湿度と呼ばれる水蒸気の量は、湿度が例え同じでも違うものとなります。
30℃の飽和水蒸気量は30.4グラムで60%の場合の空気1立法の水蒸気量→18.24グラム
28℃の飽和水蒸気量は27.2グラムで60%の場合の空気1立法の水蒸気量→16.32グラム
26℃の飽和水蒸気量は24.4グラムで60%の場合の空気1立法の水蒸気量→13.86グラム
※ 飽和水蒸気量とは、湿度100%の状態の事をいい、含みきれなくなった水蒸気は、コップにつく水滴のように水(結露)となって表れ、様々不具合をもたらすのです。
同じ60%の湿度でも空気中に含まれる水蒸気の量が違うのがお分かりいただけると思います。ちなみにこの量は空気1立法中の水蒸気の量ですが、8畳のお部屋は約30立法となりますので、30をかけると部屋の中の水蒸気の量となります。
先週日曜日の宮城は、概ね32℃・55%位の外気だったと思いますが、仮に、この外の空気を室温28℃の室内に取り込んだ場合は、湿度は、68.3%となります。
普通は、その湿度に加えて、生活で生じる(炊事・洗濯・入浴)水蒸気や、人の呼吸や汗による水分によって、湿度は75%にも80%にもなるので、とても28℃では暑くてエアコンの設定温度を25℃にしなければならないのです。
しかし、問題なのは、温度を下げると、さらに湿度の上昇を招いてしまうのです。
湿度が上がるとカビも発生しやすくなり、ダニの増殖にもつながり、私達の健康にも影響を及ぼし、カビ臭い室内の臭いをとるために、消臭材、芳香剤も必要となり、シックハウスやアレルギー、化学物質過敏症などの危険も生じてくるのです。
さらに、怖いのが夏に発生する目に見えない床下や壁の中での逆転結露(夏型結露)となりますが・・・。
この辺は、長くなるのでまたの機会に紹介いたします。
いずれにしても、こうした問題を解決して、夏もエアコンに頼らず、快適にそして健康に過ごせるのがソーラーサーキットの家ということをご理解いただければ幸いです。
重要なポイントは、「遮熱と通気」 「換気と除湿」 そして家という器だけではなく、お客様自身の正しい理解と暮らし方の工夫が必要です。
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