残念なことに、50年も100年も持たなくていいから30年で充分だよというお客様が、いまだに、いらっしゃいます。
確かに、大地震などの自然災害が起きず、暑さ・寒さを我慢したり、省エネ性や快適性・健康性を考えなければこれまでの住宅でも30年はおろか50年は充分もつのではないかと思います。
しかし、現実はどうでしょう。阪神大震災や東日本大震災とまではいかなくとも、頻繁に地震が発生し、台風や集中豪雨などによる洪水にも、数多く見舞われるこの日本です。
折角建てるのなら、災害から大事な家族の命を守り、いかなる場合も生活の支えとなり心のよりどころとなる住まいを建てなければならないのではないでしょうか。
そして、単に寒いとか暑いとかという問題ではなく、従来の延長線のような性能の低い住宅に住むということは、内部結露や換気不良により室内空気も汚染され、腐朽菌によって建物の老朽化や蟻害を誘発することで、建物の耐震性や耐久性は著しく低下するのです。
そして、ヒートショックによる家庭内での悲しい事故を引き起こし、時には大切な命まで奪われてしまい危険性が生じるということを、リアルに考えなければなりません。
30年だけ地震や台風から家を守り、省エネで快適で住む人の健康を守れる家を造ることは、技術的にも不可能といえるのです。
そして、付け加えさせていただければ、現在大きな社会問題となっている空き家は約820万戸と言われ、今後も益々増加することが予測されています。
従来の様に、新築して30年程度しかもたない家を造り続けていれば、空き家はさらに増加する一方となるのです。
つまり、時間はかかるものの、これから新築する住宅は、100年以上有効に活用出来る、本物の長寿命住宅にしていく事こそが、空き家問題の解消につながる唯一の手段といっても過言ではないのです。
気密・断熱のしっかりした高性能な住宅は、快適で健康にやさしい住環境を創出し、住む人と建物の寿命を縮める原因となる悪の根源ともいえる、内部結露を解消することによって、耐震性を初めとする新築時の性能を長く維持することができる本物の長寿命住宅となり、ストック重視の循環型の社会の形成にもつながると言うことをご理解いただきたいと思います。
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2015.09.25 (中山の高梨欽司)火災保険の制度
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2015.08.25 (阿部貴日呼)毎週のように行っています
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2014.12.10 (高橋一夫)ありがとうございます。
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2014.12.08 (ちょーすけ)勉強になります
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2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
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