宮城県内で、注文住宅でマイホームを新築したユーザーのアンケート調査を眺めていたら、興味深いデータが掲載されていたので、ご紹介させていただきます。
昨年4月に、省エネ基準が改正され、2020年4月以降に建築される建物は、新しい基準が義務化となり、基準値に満たない建物は基本的に建てられなくなります。
こうした義務化が、ユーザーに認知されているかのアンケートでは、
詳しく知っている・大まかな内容は知っている
というユーザーは、有効回答数1,641件中、わずか17.9%だったようです。
他の8割強のユーザーは、
〇 聞いたことはあるが、内容までは分からないが、40%
〇 聞いたこともない・分からないというのが42.1%
でした。
建売を購入したユーザーならともかく、注文住宅で家を建てたユーザーでさえ、こうした重要な事を知らない・知らされていないのが現状なのです。
しかし、知らない・分からないというのは、ユーザーの責任ではないのです。
私達造り手側の人間が、しっかりとお客様に伝え、理解をしていただかねばならないのではないでしょうか。
もっとも、現在もまだ猶予期間となっているので、たとえ基準に満たなくても、建築は可能なのですが、わずか3年後には、義務化になるわけですので、事実をお伝えし、基準以上の建物をご提案するのが、本来の姿ではないでしょうか。
ちなみに、義務化となる省エネ基準でさえ、あまり高いレベルのものではないという事も理解しなくてはなりません。
参考までに、宮城県の大半の地域が属する4地域のUA値の基準値は、0.75W/㎡Kとなっておりますが、最低でもZEH基準(ゼロエネルギーハウス)である0.60以下の性能にはしたいものです。
そして、断熱性能と両輪で考えなければ、ならないのが、C値(家の相当隙間面積)で、高気密・高断熱住宅というからには、気密検査を実施した上で、最低でも1.0を切らねばなりません。
このUA値0.6とC値1.0よりも、数値が悪い(高い)と、いくら、快適ですよ~。省エネですよ~と言っても、寒い、暖房費が嵩む・不快な温度差や結露を招いてしまう等、いわゆるもどきの住宅になってしまう可能性が高いのです。
そして、大事なのが、新築時の性能ではなく、10年後・20年後・30年後の性能だという事です。
建築後、家の性能は、必ず経年変化によって、劣化していくのです。
劣化を最小限に抑え、初期性能を保持するために、どのような対策を講じているのかなどを、しっかり確認していただきたいのです。
少々、長くなりましたので、今日のところはこの辺でお終いにしたいと思いますが、もう少し詳しく知りたいという方はこちらをご覧ください。
この調査票には、興味深いデータが揃ってますので、また機会がありましたらご紹介させていただきます。
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