私は、生まれも育ちも松島で、根っからの地元の人間です。
もともとログハウスの木のぬくもりが好きで、平成元年に弊社のログハウス工場開設を機に入社しました。
当時は、バブルの影響もあり、セカンドライフがもてはやされ、宮城県産の杉材はもとより、カナダからも部材を輸入し、蔵王周辺に多くのログハウスを建てさせていただきました。
私自身も、休日には
「薪のはぜる音を聞いて眠り、鳥のさえずりを聞いて目を覚ます」
そんな生活にあこがれていた一人でした。しかし、ログハウスの住まい方や住み心地は、カタログや言葉だけでは伝えきれないことに気づいたのです。
薪ストーブひとつとってみても、煙突の掃除やメンテナンス・薪の調達などわからないことがたくさん出てきました。
これはやはり、自分で体験してお客様に伝えなければならないと思い、薪ストーブを設えログハウス風の自宅を新築したのです。
薪の燃える火に心が和み、体の芯まで温めてくれる温かさを忘れられず、22年過ごしていますが、毎年、薪を調達し、煙突掃除を続けながら「好きでなければ出来ないな」ということを痛感しています。
新築当時は、断熱性能とか、気密性能とかはあまり気にもせず、無垢の木や薪ストーブが醸し出す雰囲気に酔っていました。
しかし、住んでいるうちに、「リビング・ダイニングは暖かいのに、床は冷たいな」とか、「ドアをあけて廊下に出ると寒いな」と、少しずつ不快感を覚えるようになってきました。
今思えば、内断熱の家なのだから当たり前のことです。
さらに数年経つと、現しの梁の付け根に、乾燥が進んだため隙間が出来ていました。
「乾燥すると木はこんなに痩せるものか」と改めて気付き、「こんなに痩せたら家の性能を損ねてしまうだろうな」と考え、お客様の「一生に一度の家が、これでいいのだろうか」と、不安や疑問を感じたいたことが思い起こされます。
そんな頃、弊社の住宅部門も大きな分岐点ともいえる時期を迎えていました。
従来の内断熱による在来工法から、外断熱による、高気密・高断熱の家造りに大きく方針を転換したのです。
試行錯誤の連続でしたが、そんな時期に巡り合ったのが、外断熱・二重通気工法「ソーラーサーキットの家」でした。
一棟目の現場を手掛けた時は、理論的には「良い工法の建物だろうな」と理解しましたが、実際の住み心地は未知の世界でしたので、正直、半信半疑の思いもありました。
その後、モデルハウスを建築し、数多くの現場とお客様の声を直接聞くことで、ソーラーサーキットの良さを実感するようになりました。
構造材も当初は、無垢材や集成材を使用していましたが、LVLを使用するようになり、気密性や耐震性もさらに向上し、東日本大震災の弊社の建物の耐震性を再認識しさらにその自信は深まりました。
今回、本の出版にあたり築10年以上経過したお客様に、SCの家のご感想をご協力いただきましたが、実に多くのお客様が、10年経っても変わらぬ住み心地に大変ご満足しておられる様子を拝見し、これまでやってきたことに間違いはなかったと涙が溢れ、これまでの自信が確信に変わったのです。
弊社の外断熱の家は、「いつまでも強く、いつまでも快適に」住む人と建物の健康を守ってくれる家だと断言できる住まいです。
私はよく、営業の中で、「私の説明は話半分に聞いてください」というような話をしますが、お客様から、「半分じゃなく本当に全部住み心地のいい家だね」という言葉を頂戴します。
こうしたお客様の喜びの声を聞くことが、私の最大の喜びでもあり、お客様に喜びや感動を与えるのが「ソーラーサーキットの家」だと私は思います。
だからこそ、私達は「ソーラーサーキットの家」を造り続けているし、これからも多くの人に伝えていきたいと思う理由なのです。
私の願いは、縁あって出会う一人一人のお客様に、心から満足する家を建てていただきたいということが全てです。
たとえ弊社ではなく、どこのハウスメーカーで建てていただいても将来「建てて失敗した」と後悔だけはしていただきたくないのです。
ご家族の皆様が末永く健康で、仲良く、楽しい生活を送っていただくための家造りに大事なことを、これからもしっかり伝えていきたいと思います。
取締役営業部長 熊谷昌則
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