冬の乾燥についても説明させていただきます。
第一章で説明させていただきましたが、私達が、日常の生活において湿度と呼んでいるのは、空気が水蒸気を含むことのできる量に対し、その時点で含んでいる水蒸気の量の割合を示したものです。
例えば、20℃の空気には1?あたり、17gの水蒸気を含む事が出来ますが、5℃の空気には7gの空気しか含むことができません。
つまり、温度は5℃で湿度が70%という場合、5℃の空気中には(7g×0.7=4.9)となり、4.9gの空気を含んでいるということになります。
その空気を、そのまま室内に取り入れたと仮定すると室温が20℃だった場合、(4.9÷17=0.288)となり、湿度は計算上28%となるわけですから、どうしても過乾燥になってしまうのです。
実際には、一度に空気が入れ替わるわけではなく、計画換気により概ね2時間に一回の割合で空気が入れ替わり、日常の生活の中で発生する(炊事や洗濯・人の呼吸や汗・植物や食べ物など)、水蒸気によって、多少湿度は上がります。
しかし、ファンヒーターなどの水蒸気の発生しない暖房を使う高気密・高断熱の家では、湿度40%以上を常時キープするのは、かなり難しいのも現実です。
ここが大事なポイントなのですが、
「高気密・高断熱の家は乾燥すると聞くのですが、大丈夫ですか?」
という質問を受けることがありますが、24時間計画換気によって新鮮な外気を常時室内に取り入れ、かつ水蒸気を発生しない暖房によって家全体を暖かくする高気密・高断熱の家では、レベルが高ければ高いほど乾燥気味になるのはある意味必然なことだという事です。
多くの方は、ある程度の乾燥は徐々に慣れて快適に過ごせるようになりますし、良質な空気環境の実現によって、アトピーやアレルギー・喘息などの症状も改善したという話も数多くいただきます。
※ 私の家でも、ダイニングに安価な加湿器を置いてありますが、ここ3.4年は全くといっていいほど動かしていませんが、ほとんど気になりません。ただ寝室の加湿器は湿度の状況にあわせ運転させ出来るだけ、40%を切らないように心がけています。
しかしながら、喉の弱い方やインフルエンザの予防を図るためにも、ある程度の湿度はキープしたいというのも当然の話で、メイン暖房のある部屋は室温20℃・湿度40%を一つの目安として心がけていただきたいと思います。
※ よくテレビなどで、インフルエンザの予防のために、湿度60%が望ましいというようなことをいう方がおりますが、かなりピントがはずれた話ですので間に受けると大変なことになるのでご注意ください。乾燥が激しい冬期間において、高気密・高断熱の家で60%の湿度をキープするには、何台もの加湿器を常時運転させなければならず非現実的です。そして怖いのは結露やカビの問題です。室温20℃で湿度60%にしたとすると、露点温度は12.3℃になり非暖房室や目に見えない壁体内の12.3℃以下の部分では必ず結露が発生するのです。外断熱の家ならいざしらず、通常は結露だらけになってしまいインフルエンザの予防どこではなくなってしまいます。インフルエンザのウイルスは空気感染しません。手洗いやうがいを励行して、温度差のない健康的な家で暮らせばそうそうインフルエンザには感染しないのです。
また、湿度が低いと体感的に1~2℃寒く感じるために、ついつい設定温度も上がり気味になるので省エネという観点からも注意が必要です。(室温が上がると比例して湿度もまた下がる)
最近は大分お洒落な加湿器がいろいろ売られているようです。
健康で快適に暮らす為に、冬季間は上手な加湿器の利用をおすすめいたします。
その他、洗濯物の室内干しや濡れたタオルをかけたり、観葉植物に多めに水をやったりとお客様の暮らしに合わせいろいろ工夫してみてはいかがでしょうか!
また、内装に塗り壁やエコカラットなどを採用しているお客様は、有効な手段として壁に霧吹きで水分を含ませたりするのも効果がございます。私の家では玄関や和室前の土間部分に水を撒いたりもしています。
いろいろな工夫をしながら、その家なりの暮らし方を楽しむのも、外断熱の家に住む楽しみのひとつでもありますので、外断熱の家の暮らしの達人!目指してチャレンジしてみて下さい。
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2014.12.10 (高橋一夫)ありがとうございます。
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2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
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