気密性能が悪いと、室内外からの空気の出入りにより、断熱性能が低下するのはなんとなくわかると思いますが、正しく理解するには「断熱」の仕組みそのものを知る必要があります。
そもそも断熱とは、熱の移動を防ぐことを意味します。
断熱材で一番歴史が古く有名なのは、グラスウールです。
繊維状に粉砕したガラスがグラスウールの原材料ですが、 グラスウールが断熱材として機能するのは、素材そのものではなく、グラスウールの中に含まれている空気が断熱の役目をはたしているのです。
静止空気の熱伝導率は、0.02W/m・K と、 とても高い断熱性能を有しています。
※ 繊維系であれ発泡系であれ、大半の断熱材は基本的に素材の中に含まれる空気で断熱している と考えてください。
しかし、断熱の機能を果たすには、ひとつの条件があります。それは空気を動かないよう固定させねばならないということです。
最近では、空気より熱伝導率の低いアルゴンガスが増加していますが、少し前まではペアガラスにはガラスとガラスの間に空気を充填するのが一般的で、ガラスとガラスの間の空気層の中に充填・固定された空気によって、断熱効果が発揮されるのです。
つまり、気密性能が悪ければ、前回説明したように熱損失が大きくなるばかりでなく、隙間からの空気の出入りによって、壁体内に充填された断熱材の中に気流が流れこみ空気が静止状態ではなくなる為断熱材としての効果も著しく低下するという訳です。
グラスウールなどの繊維系断熱材を使用する充填断熱(内断熱) は、壁体内に隙間なく充填し、 かつレベルの高い気密工事による気密層をしっかり確保することで、本来の断熱材としての役割を果たすことが出来るのです。
※ フカフカの暖かいセーターでも、風が強ければ寒さを感じるわけで、風を遮る為にジャンバーを着るのと同じ理屈です。
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外断熱が家族を守る〇 断熱の仕組み
k-taka:[大東住宅/社長ブログ]
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