〇 高気密・高断熱住宅の歴史
省エネで快適な住環境と健康な暮らしを実現し、家の耐久性を大幅に向上させるために、誕生した高気密・高断熱住宅ですが、その歴史は非常に古く、今から35年以上も前に遡ります。
契機となったのが、北海道で起きた「ナミダタケ事件」で、1980年頃、新築3年目の住宅の床下に大量のナミダタケが発生し、床が腐り落ちるという事件が、大量に発生しました。
画像は北海道住宅新聞社のHPから引用
こうした悲惨な被害は道内に拡がり、実に何万棟もの住宅が被害を受け、マスコミでも取り上げられ大きな社会問題にもなりました。
※ 断熱先進エリアの北海道でも、一部無知な業者の建築する住宅では、結露被害はいまだに多い。
原因は、壁内の結露水や床下の湿気が、グラスウールに吸収され、木材を濡らしたことにより発生したものと解り、単に断熱材を厚くするだけでは、暖かくならないばかりか、水蒸気が躯体内に侵入し、建物に重大な被害を及ぼすということが明らかとなって、ようやく高断熱化と高気密化がセットとして考えられるようになったのです。
その後、様々な検証と試行錯誤を重ね、現在では内部結露による諸問題を解消する技術が、基本的に確立しているのですが、こうした技術を実際の現場にて具現化するには、営業や設計・現場管理のスタッフはもちろん、実際に現場で施工にあたる全ての職人さんにいたるまで、気密施工の重要性を認識しなければなりません。そして、高い技術力と丁寧な施工が必須となり、徹底した品質管理が求められるのです。
しかし、このような結露被害を大きな問題としてとらえ、本物の高気密・高断熱の家づくりに取り組んでいる造り手は、ナミダダケ事件から35年も経過した現在でもごくわずかで、宮城県における新築住宅の中でも1割にも満たないのではないかと思います。
こうした背景には、通気性や風通しを長年重視してきた日本の家づくりの背景もあるとは思いますが、結露被害の深刻さや気密の重要性への認識が非常に乏しい事が、最大の要因ですが、高気密化という、名前からくる偏見や誤解・拒否反応が、根強いものがあるのではないでしょうか。
風通しが悪そう。息苦しくなりそう。シックハウスになりそう。中には子供の抵抗力が低下して、ひ弱に育つといった誤った考える方をしている方が、未だにいらっしゃるのは驚くばかりです。
その結果、中気密?で高断熱まがいのアンバランスで危険な住宅が現在もなお建てられ続けているのです。
外断熱が家族を守る 〇高気密・高断熱住宅の歴史
k-taka:[大東住宅/社長ブログ]
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