70~80年・100年とも言われる欧米の住宅寿命に比べ、平均25年という日本の住宅寿命ですが、なぜ日本の住宅は短命なのでしょうか。
ズバリ!住宅を短命にする悪の根源は「結露」です。
目に見えない内部結露(壁体内結露ともいう)の有無が住宅の寿命を大きく左右するのです。
ガラスなどに付着する結露は、とりあえず拭き取れば済みますが、やっかいなのは躯体の中で発生する内部結露で、一度発生した結露は逃げ場がなく断熱材や構造材に水分を供給し続けます。
わずかの隙間があるだけで、壁の中では暖房シーズン中、何十リットルもの結露水が壁体内で発生しているという恐ろしい現実をご存じでしょうか?
しかも、この状態が毎年続くのですから考えただけでもぞっとしますよね。
※ 通常断熱材の外側には、壁の中の湿気を外部に排出する為に、透湿シートを張りますがほとんど機能しないのが、画像でおわかりいただけると思います。
こうした内部結露によって、断熱材は濡れてしまい役目を果たさなくなるばかりでなく、カビや腐朽菌が発生し、白アリによる食害も受けやすくなってしまうのです。
腐朽菌にしても白アリにしても、その増殖には、水分と温度と酸素が必要で、結露により土台や柱などの含水量はかなり高くなっており、温度も上昇する春から夏にかけての壁体内は、腐朽菌や白アリにとってまさにパラダイスなのです。
こうした状態が長年続くわけで、体に潜むガン細胞のように徐々に人と建物の健康を蝕み、気づいた時はもう手遅れとなってしまうのが現実です。
健康で快適な住まいを実現し、長寿命の住宅にする為には、床下や壁・天井裏に内部結露が発生させない家の構造が大前提となるのです。
※ この画像をみて、これは古い家だからではと考える方もいらっしゃると思いますが、高気密・高断熱の高性能住宅と謳っている現在の新築住宅でも、同じ現象が多数起きているのが、悲しいかな日本の住宅です。
そして、あえて言わさせていただきますが、防露対策が不十分な住宅に、結露被害にあまり関心のないお客様が住まわれると、従来よりも中途半端に気密性や断熱性が向上しているがゆえに、結露の被害は深刻で、さらに短命な住宅になる危険性すらあるのです。
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2015.09.25 (中山の高梨欽司)火災保険の制度
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2015.08.25 (阿部貴日呼)毎週のように行っています
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2014.12.10 (高橋一夫)ありがとうございます。
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2014.12.08 (ちょーすけ)勉強になります
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2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
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