今日、住宅の長寿命化と省エネで快適で健康な家づくりの為に、住宅の断熱化は欠かす事の出来ない大事なポイントで、大手メーカーであろうと、地場の工務店であろうと、ここまで世の中に普及し、ユーザーの認知が高まると高気密・高断熱を否定する造り手も最近は珍しくなった。
長期優良住宅の認定においても、断熱性能は必須で、当然ながら最高等級の確保が必須で、2020年の改正省エネ基準の完全義務化に向け、今年の春から新基準も本格施行となった
しかしである。ここにきて気密・断熱工事の不具合によるトラブルが多発しているという。
こうした問題は、高気密・高断熱と謳っていても、その要である、気密性能の基準も削除され、検査も不要とされている事が大きな要因で、いわば起こるべくして起きている問題といっても
過言ではない。(弊社の昨年度平均C値は0.5)
そしてまた、中途半端な高気密・高断熱住宅がもたらす多くの問題に対し、無頓着で、知識や技術・そして経験も不足している造り手が未だに多いという事で、高断熱・高気密もどきの住宅が非常に多いのも現実である。
加えて、ユーザー側も性能の違いが分からず、単に高気密・高断熱、断熱性能は最高等級という業者側の説明を鵜呑みにしているという側面も残念ながらある。
計算上は最高等級をクリアしていても、メーカーにより断熱レベルにはかなりの差があり、性能の比較が非常に大事になってくる。
また、良質な高気密・高断熱住宅は、気密・断熱・換気・冷暖房の4つのバランスが非常に大事で、一つでもバランスが崩れると、たんに住み心地が悪いだけではなく、内部結露や腐朽といった従来の住まいの問題をまた繰り返す事になり、結果20年しかもたない短命な住まいとなるリスクが高まる。
さらに、付け加えるとすれば高気密・高断熱の住まいには、高気密・高断熱に適した設計や住まい方も非常に大事な事で、器だけ高気密・高断熱の家でも、省エネで快適で健康な暮らしは送れない。
デザインや間取り・設備や仕様・価格など、いずれも家造りにおいて、大事な要素ではあるが、気密や断熱に対する考え方や施工法・性能値などしっかり確認した上で、依頼先は選定しなければ本当にいい家にはたどりつかないという事だけは間違いない。
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2015.09.25 (中山の高梨欽司)火災保険の制度
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2015.08.25 (阿部貴日呼)毎週のように行っています
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2014.12.10 (高橋一夫)ありがとうございます。
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2014.12.08 (ちょーすけ)勉強になります
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2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
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